音楽
結城アイラ7年振りミニアルバム『Leading role』インタビュー

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で愛について考える機会をもらえたことがキーポイントに──結城アイラ7年振りミニアルバムで音楽人生を振り返る

作詞家、プロデューサーの顔も持つ結城アイラさんが約7年振りとなるミニアルバムをリリースした。

結城さんのアーティストデビューは2007年。『宇宙戦艦ヤマト2199』、『機動戦士ガンダム AGE MEMORY OF EDEN』など数々のアニメ、ゲームの主題歌を飾ってきた。2015年からは作詞家として『アイドリッシュセブン』、『アイドルマスター』シリーズ等の楽曲を手掛けるように。近年は作詞家としての活躍が目立っているものの、2017年にはソロ10周年を記念したベストアルバムを。2018年には『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のイメージソング&スペシャルエンディングの歌唱するなど、アーティストとしても充実した活動を続けている。

一見順風満帆に見える音楽家としての生活だが 、“ここ”に至るまでは、一筋縄ではない紆余曲折もあったという。今作は「そんな音楽人生を凝縮した作品になった」と、感慨深げに結城さん。そして自分と同じように悩む人の背中を押してあげることができたら、と優しく微笑む。

『Leading role』(主役)と名付けられた本作には、原点であるジャズをコンセプトに、新曲のほか、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のイメージソング「Violet Snow」の弾き語り、自身が詞を提供した「LOVE&GAME」(アプリゲーム『アイドリッシュセブン』)、「Paradeが生まれる」(5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!R」)のセルフカヴァーなど全7曲が収録されている。そこに込めた想いをじっくりと紐解いていった。

 

作詞家としての結城アイラ

結城アイラ(以下、結城):お久しぶりです!

──今日お会いできるのを心待ちにしておりました! アニメイトタイムズでの取材は3rdアルバム『For My Dear…』以来となるので約7年振りとなります。

結城:わ、そんなに経ちます!?  創作は常にしているので、自分では7年も経ってたような感覚がなくて、「7年振りのミニアルバム」と聞いて自分でも驚いたくらいなんです(笑)。ファンのかたには本当にお待たせしました! という感じです。

──現在、アイラさんは作詞家・サウンドプロデューサーとしても活躍されています。久しぶりの取材なので、今日は作詞にまつわるお話も教えてください。

結城:はい、ぜひ。

──以前「悲しみは誰の願いでもない」(2012年発売)のc/w「Letter Song」で、自らの想いを作詞家の松井洋平さんに詞にしてもらったことが自分のなかで大きな出来事だったというお話をされていました。その曲をキッカケに「作詞、作曲にもチャレンジしたいと思った」ともおっしゃっていたんですが、そのあたりから作詞に興味を持たれたんでしょうか?

結城:そうです。「Letter Song」で松井さんが私の思っていたことを全部歌詞にまとめてくれたんですね。そのときに歌詞の世界って凄いんだなと思って。

で、その次にリリースした「REINCARNATION BLUE」(2013年発売)で、タイアップ作品では初となる作詞をさせてもらったんです。そこで、私は自分のことを書くよりも、作品の世界観に寄りそった作詞をするほうが向いているんだなと感じたんです。

──と、いうのも?

結城:私はもともと自分のパーソナルを出すのが苦手なタイプで。結城アイラとしてデビューする前はシンガーソングライターとして自分で曲を書いていましたが……当時は若かったこともあって、物事や人生について深く考えることがなかったんですね。というよりも、なにも考えてなかったのかもしれない(笑)。だから伝えたいことってそう多くはなかったんです。「言いたいことは全部書いてしまった」ような感覚がありました。

しかも歌を歌いたいがために始めた作詞活動だったので、自分のプライベートなことを書いていくことにはずっと難しさを感じていました。だから結城アイラとしてデビューして以降は、畑亜貴さん、松井洋平さん、こだまさおりさんなどに作詞をしていただいていたんです。曲もいろいろなかたにお願いしていたので、自分で書こうという気持ちは当時はありませんでした。

でも、その後自分のことをだんだんと客観視できるようになってきて、自然と作詞にも興味を持つようになったんです。アニメタイアップを書かせていただけたことで世界観の広がりも感じました。デビューからずっと色々な作家さんに書いていただいていたからこそ、色々なものを吸収していて。書くことに対する怖さがなくなっていったんです。

──作曲に関しても同様でしょうか?

結城:そうですね。実は3rdアルバムに収録されている(自身が作曲した)曲は、シンガーソングライター時代に作っていたものなんです。新しく書いたものもあったのですが、昔の曲が選ばれて。それで「その曲が選ばれたということは、昔の私には勝てないんだな。作曲はまだまだなんだな」と思っていました。

今回のアルバムに収録されている「どんな星空よりも、どんな思い出よりも」(TVアニメ『妹さえいればいい。』エンディング主題歌)で「せっかくだから作曲もしてみない?」と言っていただき、作詞・作曲の両方をさせていただいたんです。そしたら、3rdアルバムで曲を書いたときよりも成長していることを感じました。

当時のプロデューサーにも「良い曲書くじゃん!」って言われて少し自信もできて。この曲でシンガーソングライターとして再デビューしたような気持ちがありました。そこから曲を作るのも楽しいなって気持ちが芽生えて、自分のライブでは新しい曲を作って披露したり、ベストアルバムのときも「うた」という曲を新しく作ったりと、少しずつ作曲もするようになっていったんです。

──今回のミニアルバムでは、タイトル曲でも作詞・作曲を手掛けられていますね。

結城:この作品を作るにあたって「どんなことをやりたいですか?」と聞かれて「自分で作りたい!」と。それで表題曲ができたんです。コンセプトがジャズなのは、もともと好きなジャンルでいつかやりたかったことだったのと、今だったら深みがあるものにできるんじゃないかなと。年齢的にも大人になりましたし(笑)。

──それで原点でもあるジャズにスポットを当てられたんですね。

結城:実は2007年にデビューしたときからやりたかったことではあったんです。でも当時のアニメシーンでジャズとなると作品を選ぶところがあって。でもこの10年でシーンも変わってきましたし、今だったらできるかなと。

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