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TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』シーズン3までの軌跡をプロデューサーが振り返る|インタビュー

TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』シーズン2振り返り:大庭晋一郎(タカラトミーアーツ)×依田健(タツノコプロ)インタビュー|声優陣によるオススメエピソードにも注目!

お気に入りのエピソード、そして今後のお楽しみは?

――『ジュエルコレクション』は、グループではなくソロでの対決になりましたが、それに何か理由はあるのですか?

依田:最初は、ソロで行くかどうかは決まっていなかったんですけど、2年目の最初にCGチームから、ソロ曲を増やしたいという話があったんです。

確かにソロをたくさん増やしたほうが楽しいし、最終的にジュエルアイドルを目指すということは、グループではなくひとりになるので、それを考えたときに、アニメ側からソロにしたいと言った気がします。

大庭:『ジュエルアイドルオーディション』(※『ジュエルコレクション』の参加資格を得るオーディション)というゲームのシステムを考えたとき、ソロというのは合致すると思いました。

やはりそれぞれのキャラクターも立ってきたので、それぞれの個性が出る曲を作れるし、歴代メンバーからすると2曲目のソロ曲になったりするから成長も感じられると思ったので。そこで奥行きが出たことは良かったのかなと思います。

依田:ソロだと、キャラクターの生き様やスタンスを表明できる曲が作れますからね。グループだとグループ全体のカラーは出せるんですけど、特にミラクル☆キラッツは王道アイドルスタイルなので、歌詞で個性を入れるにも限界がある。だったら、ストレートなソロ曲のほうがいいなと思ったんです、えもなんかは、まさに応援歌だったりするので。

――お二人にお気に入りエピソードを教えていただきたいのですが。

大庭:僕が好きなのは第56話「まりあが宣言! かわいいは世界を救うんだもん!」です。まりあちゃんの、小さな子(ゆかりちゃん)に対する態度がすごく優しいんですよ。無理強いをしないけど自然と正しい方向に導いてあげていたり、まりあが目線を子供に合わせて話してあげている姿がすごくいいなと思いました。

ゲスト回って良い話が多いんですけど、その中でも第56話はいいなと思いました。まりあのいい仕草や姿が見られたし、意外と付き合いのいいえもちゃんもいいなと(笑)。

依田:僕は第83話「ふしぎな本屋さんでふしぎ体験だもん!」です。本屋さんで不思議な世界に迷い込む話なんですけど、『プリ☆チャン』って基本的に地に足がついたお話で、ファンタジーはやらないというふうに決めていたんです。

でも、一度こういう事もやってみよう、あえて踏み外してみようということでやってみたら、すごく楽しくて。結果的に、2年目のクライマックスで、バーチャル世界の設定だとか、3年目のマスコットの設定みたいなところにうまいことつながった。いい地ならしになったなと思います。

あれを一度やっておいたことで、何でも許されるようになったというか(笑)。

大庭:夢だったのかどうなのかみたいな話って良いですよね。ああいうテイストは、子供向けのアニメにはあるべきかなと思います。

依田:ちゃんとSF的な設定としても成立していて、あっても不思議ではない話だと思います。

――この作品は楽曲も物語に深く関わっていると思いますが、物語に影響を与えた楽曲というと、何になりますか?

依田:虹ノ咲さんの「フレンドパスワード」ですかね。虹ノ咲だいあの曲は、最初から歌い上げる曲にするつもりで、オーディションテープを集めるときに、歌を必須にしていたんです。

そこで、『プリティーリズム・レインボーライブ』の「gift」というものすごく難しい曲を歌ってもらったんですけど、佐々木さんはものすごく上手に歌っていて、それがすごく良かったんです。

大庭:結局あそこに出てきた歌詞が、幸瀬なるちゃんが描いた絵本(※虹ノ咲だいあが、服飾に興味を持つきっかけになった絵本が「ジュエルの国のお姫様」)と連動しているんですよね。だからあの歌詞は、最後のストーリーにも影響を与えていますよね?

依田:完全に歌詞から最後のストーリーを作った感じでした。そこは、兵頭さんがちゃんと考えてくれていました。

大庭:兵頭さんが、なるの書いた絵本をちゃんと作り込んでくれたんですけど、それと「フレンドパスワード」の歌詞を読み込んで、そこと結びつけて、アナザーだいあのカウンターの曲(「フレンドパスワード ~Another World~」)があり、最後にみらいとだいあの曲「MEMORIES FOR FUTURE」で完結させたので、「ジュエルの国のお姫様」から連なって、曲で決着をつけた!みたいな展開でした。

依田:そうですね。第89話「聖夜はみんなで! ジュエルかがやくクリスマス! だもん!」で、クリスマスに虹ノ咲だいあが、だいあとして真にデビューをするんですけど、そこで2番の歌詞にしたんですよね。

本当はそんな予定はなかったんですけど、2番のほうが今のだいあの気持ちに寄り添っているということで、急遽2番を使うことになったんです。2番を使うと(口)パクが違うのでCGを全部直さないといけなかったんですけど、結局それもCGディレクターの乙部善弘さんから許可をもらい、2番を歌うことにしたんです。そして、それ以降はずっと2番を使っています。

――自分の友達が欲しくて『ジュエルオーディション』を始めていたという秘密を告白したあとに歌ったので、それまでと違う歌詞であることに意味がありますよね。ただ、それをやるスタッフ陣の愛も素晴らしい。

依田:そこは土壇場のパワーというか。やることになるのであればやってしまおう! という気持ちですよね(笑)。

大庭:効率とか予算とか、いろいろなことを考えると本当はやっちゃいけないんですけどね(笑)。ただ、このシリーズに携わっているスタッフの皆さんって、そういうときに頑張っちゃう人が多いんですよ。

 

――それが人気の秘密だと思います。では最後に、今後の『プリ☆チャン』シーズン3に期待してほしいことは、どんなことですか?

大庭:シーズン3は、これから本格的に動き出しますよ! リングマリィのメンバーも帰ってきて、フルメンバーで楽しく盛り上がっていくので、期待してください!

依田:少しお休みしていましたけど、これからです! あと新キャラのアリス・ペペロンチーノと輝 イブのお話も、このあとちょっとずつ動き出すので、そちらも乞うご期待な感じです! 

大庭:それと秋に向けては、『プリティーシリーズ』の10周年を記念して、秋に、歴代主人公たちのスペシャルライブが放送されますので、それもご期待ください。

依田:これは今まで応援してくださった方には、相当刺さるものになると思います!

(C) T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH2製作委員会
(C)T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH3製作委員会
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