早見沙織さん新ミニアルバム『GARDEN』インタビュー|「日常に寄り添えるような音楽を」早見さんが『GARDEN』を通じて表現したメッセージ
瀬戸際とやさしい希望について
――ありがとうございます。続いては瀬戸際ですね。JAZZテイストの楽曲で、まさに早見さんらしい雰囲気の楽曲というか。
早見:タイトル通りギリギリの際際な1シーンを切り取って楽曲にしたいというイメージがありましたね。タイトルもローマ字表記にするのか?漢字にするのか悩ましかったんですけど...。
――なぜ、漢字になったのでしょう?
早見:パキっとしたかったんですよね。そうパキッと。
――『瀬戸際』はアレンジもすごくカッコいいですよね。松本良喜さんに編曲をオファーするというのはどういった経緯だったのでしょうか?
早見:アレンジャーをどなたにしましょうか会議が行われた時に、ディレクターさんから松本さんをご提案いただいたんです。
その時に「この曲を松本さんにご編曲いただいたら、きっとこんな感じになるだろう?」というイメージが湧いてきて。
――どんなイメージですか?
早見:もちろん、グルービーで素敵な雰囲気です。楽曲が持つ切ない部分を保ちつつ、音楽として聴きやすい形にアレンジしていただきました。
――3曲目は『やさしい希望(Bossa Nova)』ですね。ライブで披露されていたアレンジをこのタイミングで収録したのはどういった意味があったのでしょうか?
早見:シングルの『やさしい希望』がリリースされたのが2015年8月12日なんですね。5年が経って、2020年の8月12日にこの曲を含む3曲(garden、瀬戸際、やさしい希望(Bossa Nova))が先行配信になりました。
『やさしい希望』を何かしらの形でお届けしたいねなって思って。リリースのタイミングとしてはとってもメモリアルな時期ですので。
『やさしい希望』のボサノヴァ アレンジはライブで歌ってきた中で、もしかしたら1番多く歌ったアレンジかもしれないし、フェスでも歌わせていただいた馴染みある曲でもあるんです。
ですので、ファンの皆さんにも親しみあるヴァージョンだったと思います。加えてミニアルバム『GARDEN』が持つ雰囲気やコンセプトの中にも馴染んでくれる存在になりました。ミニアルバムの世界観をより広げてくれる存在になると思ったんですけど、バッチリでしたね。
――ちなみにボーナストラックではなく、3曲目に収録された意図があったのでしょうか?
早見:1曲目、2曲目があって、真ん中で少しリラックスするような。一回耳をふわっと休めてくれる存在にしたいなって思ったんです。なので、ボーナストラックではなく、アルバムの中に入れ込みましたね。
――なるほど。そういった狙いがあったのですね。実際に完成した『やさしい希望(Bossa Nova)』を聴いてみると、本当にリラックスできるというか、心が癒やれている気持ちになるような楽曲に仕上がっていました。
早見:ボーカルとしては5年前のシングルの時よりも優しさがアップしていると思います。ただ、今回はやっぱり増田さん(増田武史)のレコーディング版アレンジが大きいと思います。
本当にシンプルで素朴なんですけど、スッと耳に入ってくるというか。とっても心地の良いアレンジにしていただいたので。ボーカルも角がないというか。楽曲全体がまろやかでそっと寄り添うような仕上がりになりました。