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声優・麻倉もも 8thシングル「僕だけに見える星」インタビュー

声優・麻倉もも 8thシングル「僕だけに見える星」インタビュー|2ndアルバムを振り返りつつ、ニューシングル、Live 2020 "Agapanthus"に向けての意気込みを語る

表題曲「僕だけに見える星」の引っかかりがあった印象的な歌詞は……。

――シングル「僕だけに見える星」は、どのように作っていったのですか?

麻倉:寄り添ってあげられる曲という方向性はパッと決まったので、そこからメロディを決めましょうということで、曲を集めていただき、良いなと思うメロディをまず決めました。

――そこから歌詞では、どんなリクエストをしましたか?

麻倉:爽やかだけど切ない要素があるメロディだったので、ノスタルジックな感じやみんなが共感できるものにしたいという話になりました。がんばれ!と強く背中を押すのではなく、ふわっと胸が温かくなるような、そういう要素を入れたら、やりたいことと合致するのではないかって。

そこから歌詞もいくつかある中から選ばせていただいたんですけど、そこで大事にしたのは、いろいろな人に共感してほしい、自分のこととして捉えてほしいという部分でした。私の曲は恋の歌が多くて、女の子がその曲の主人公なんですけど、今回は、一人称が〈僕〉になっているんです。

 

 

――そこは意外でした。

麻倉:こんなに主人格というか自分をぼやかした歌詞は初めてで、恋愛要素があると捉えてもいいですし、自分にとって大切な人ということが軸にあって、それが誰かは明確にしていないので、そこも含めてすごく新鮮な曲です。

――歌詞だと、〈真昼に見える星〉というフレーズがすごく良いですよね。

麻倉:私もその歌詞が一番頭に残っていて、情景がすごく思い浮かんだんです。よく分からないけど切ない気持ちになる、みたいな。でも、最初〈真昼に見える星〉がなくなりそうな流れになったんです。でも「これだけは残しましょう!」とお伝えして(笑)。ラスサビは変更になったんですけど、1番のこの部分は残してもらいました。

歌詞の候補をいくつかいただいたとき、このワードが気に入って選んだところもあったんです。〈真昼に見える星〉って何だろうという引っかかりもあるし、明るい中でも見えるくらい大切なものとか、いろいろな比喩としても捉えられるので、すごく印象的だったんですよね。

――それが、タイトルの「僕だけに見える星」にもつながるような感じがしますね。ボーカルは、先程の話から考えると、少し俯瞰した目線で歌おうと考えたりしたのでしょうか?

麻倉:そこはすごく考えました。自分を出しすぎてもよくないのかなと思って。だから気持ち的には読み聞かせる感じで、誰にも感情移入せず、第三者として歌っているような感覚でレコーディングには臨んでいます。

――その中でも、ファルセットと地声の使い分けや〈今も僕を守ってくれる場所〉のところのロングトーンなど、エモさは随所に感じられて、そこも良かったです。

麻倉:ファルセットや地声というのも考えて行ったんですけど、それが正しいのか自分では分からなかったので、レコーディングをしながら決めていきました。この曲は結構言葉が詰まっていて、息継ぎのタイミングも難しいので、初めてブレスのタイミングを細かく決めたんです。

ロングトーンのところも高いというのはあったんですけど、その直前まで息を吸うタイミングがなかったので、ここで一瞬息を吸おうとかを決めていたと思います。そういう技術的な難しさはあったけど、ここを歌っているときはすごく気持ち良かったです。乗ってきたら、やっぱり感情を一番込められるところだったので。

――この曲のMVでは、学校も登場していましたね。それも切ない雰囲気でした。

麻倉:いろいろな案はあったんですけど、ストレートにということで、学校に行きたい!と(笑)。学校へ行くまでの道のりとかもじっくり撮らせていただいて、この曲のノスタルジーなところをピックアップできたと思います。バスからの景色とか、駄菓子屋さんとかラムネとか。みんなに分かりやすく伝わるものを散りばめて、曲との親和性を高める作りになっていると思います。あと屋上で歌っているシーンは印象的で、光もきれいなので、そこは見ていただきたいです。

一日の終わりに聴きたい「あしあと」、この曲の意外な主役とは?

――カップリングの「あしあと」は、おしゃれなJ-POPのような印象で、こちらも新鮮でした。

麻倉:メロディの方向性を決めるところから始まって、最終的に候補曲を2曲に絞ったんです。キャッチーで、みんなで声を出したり踊ったりできる王道のかわいらしい曲と、この曲だったんですけど。

表題で切ない要素もあったので、私らしい明るく元気な曲を入れたほうがいいのかなという思いもありつつ、最終的にスタッフ間で意見が分かれてしまい、これは私が決めなければ決まらないくらいの状況になってしまったんですね(笑)。私も優柔不断なので迷ったんですけど、今作は、みんなの背中をそっと押せる、寄り添ってあげられる曲がいいなという気持ちだったので、切ない要素としっとりした曲が合わさるのもありなのではないかと思って選んだんです。だからまだちょっとドキドキしているんですよ(笑)。

――こういう癒やされる曲も喜んでもらえると思いますよ!

麻倉:そうだと嬉しいです。でも、やりたいものは作れたと思っているんです。カップリングをこの曲にしたことで、ジャケットやMVも含めて、このシングルでやりたかったことが明確に見えた気がします。

――個人的にも、大好きな曲でした。

麻倉:実は私もすごく聴いているんです(笑)。やっぱり今はひとりの時間も多いので、ひとりのときにじっくり聴きたくなる曲なんですよね。

――情景がすごく見える歌詞もいいですね。

麻倉:「あしあと」は明確に主人公がいて、みんなに語りかけるというより、自分の中だけで完結しているような曲なんです。「僕だけに見える星」と同じく、誰しもが経験したことがある、みんなの中にある日常を歌っていると思うんですけど、このシングルは共感を大切にしているので、こういうこと思ったことがあるなぁっていうワードが皆さんにもあるのではないかと思います。

それと情景というところだと、“コンビニ”とか“5時を伝えるチャイム”とか、現実感のある言葉がフッと入ってくるのもいいですよね。

――ボーカルも、ウィスパーな感じもありつつ、脱力系というか麻倉さんの声の魅力が出ている曲だと思います。

麻倉:ラップっぽいところがあって、私はラップをあまり聴いてこなかったので大丈夫かな?と思ったんですけど、そういうことは考えず、しゃべるようにやるのが正解なのかなと落とし込むことができました。先程の話につながるんですけど、「Twinkle Love」や「Agapanthus」で、ウィスパーで歌うことを経験していて、その進化系という意味もあったので、歌い方に関してはあまり苦戦することはなかったんです。

あと、2番のAメロでガラッと変わるのも、私の中でのお気に入りポイントです!

――〈タラリラ ルットゥトゥ〉とか、最後の〈トゥルットゥ~〉がとてもかわいくて、ここも良いなと思いました。

麻倉:そこも1回消えたときがあったんですよ! 私は、これが主役くらいに思っていたので、びっくりしたんです(笑)。だからそこでも「ここは絶対にあったほうがいいです!」と言って、戻してもらいました。

――そんな危機があったんですね(笑)。でも作曲やアレンジの途中でバランスを見ながら消えちゃうことはよくありますよね。

麻倉:こういう感じにしたいという要望に応えていただく過程でなくなってしまったり、そこからまた戻してもらったりすることは、確かによくありますね(笑)。

――でも、戻してくれてありがとうございます(笑)。1枚通して、すごく今に合う、良いシングルになったと思いました。

麻倉:歌っているときは、自分が主張する感じでもなく優しくふわっと寄り添える楽曲たちだったから、あまり意識はしていなかったんですけど、2曲合わさって、ジャケットなどを見たときに、今までと全然違う!と感じました。でもなんだかすごく新鮮で、挑戦な1枚になったと思います。

――最後に、『LAWSON presents 麻倉もも Live 2020 "Agapanthus"』についても聞かせてください。

麻倉:やっとアルバムの新曲たちを聴かせられるんだ!という思いはありつつ、できることが限られての開催になるので、正直どういう感じになるのか、私含めてスタッフさんも見えていないところがたくさんあります。でもその中で、どうすればいいのか、こうすればいいんじゃないかという工夫はいろいろと考えているので、この状況の中での最大限できることを準備して、当日は皆さんと楽しむだけだなと思っています。

これまでなかなかファンの方とも会う機会がなかったので、私も皆さんに会うのが楽しみですし、良いライブにして、楽しかったと言ってもらえるライブにしたいと思っています。

[取材&文・塚越淳一]

リリース情報

発売日:2020/11/11

麻倉もも/僕だけに見える星 初回生産限定盤

1,925円(税込)

 

 

≪収録内容≫
【CD】
01. 僕だけに見える星

02. あしあと

03. 僕だけに見える星(Instrumental)

【DVD】
僕だけに見える星
01. Music Video
02. TV SPOT 15sec+30sec

アニメイト特典:オリジナルブロマイド

※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

麻倉もも/僕だけに見える星 通常盤

1,397円(税込)

 

≪収録曲≫
01. 僕だけに見える星

02. あしあと

03. 僕だけに見える星(Instrumental)

アニメイト特典:オリジナルブロマイド

※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

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