音楽
GARNiDELiAニューアルバム「起死回生」ロングインタビュー

GARNiDELiAニューアルバム「起死回生」発売記念ロングインタビュー|タイトル&リード曲「起死回生」には、葛藤も、伝えたいことも、私のすべてが詰まっている

ボーカリスト・メイリアさんとコンポーザーtokuさんによる音楽ユニット「GARNiDELiA(ガルニデリア)」。2014年3月にTVアニメ『キルラキル』2ndOPテーマとなる「ambiguous」でメジャーデビューを果たし、たちまちランキングを席巻しました。

2016年には動画共有サイトで発表したダンス動画「極楽浄土」が日本のみならずアジア圏を中心に大ヒットし、動画総再生回数が6,000万回を突破。“踊っちゃってみた”と名付けられたダンス動画シリーズは全10作品となり、累計1億回再生を超えています。

そんなGARNiDELiAの待望のニューアルバム「起死回生」が2020年11月25日にいよいよ発売。ベストアルバムを除いたオリジナルアルバムとしては、前作「G.R.N.D.」から実に2年半ぶり、かつ全曲書き下ろしという非常に力の入った作品となっています。

今回、アニメイトタイムズではニューアルバム発売を記念してのインタビューを実施! 結成10周年を記念したライブツアー「star trail」の延期というショッキングなできごとから、いかにして立ち直り、そしてさらなる進化をとげていったのか。“新たな道への第一歩”と評されたアルバムのタイトル「起死回生」に込められた、熱い思いをたっぷりと語っていただきました。

「起死回生」は「ウチらの気持ち」を表現したアルバム

――いよいよニューアルバム「起死回生」が発売になります。どんなコンセプトで作られたのでしょうか?

メイリア:まずひとつは、私たちの新たな道への第一歩という意味。

そしてもうひとつは、前作「G.R.N.D.」の発売から時間が経ち、GARNiDELiA10周年を迎えたけれども、コロナ禍というのもあって、予定していたものが思うように進められなかったり、全部なくなってしまったり……という中で浮かんだ言葉が「起死回生」だった、ということですね。

待っててくれる人、ずっと支えてくれるファンのみんなに対して、かなり強い気持ちというか、「前に進んでいくぞ」「ウチらはまだまだこんなもんじゃない!」といった思いを込めたアルバムにしたいな、と思ってこのタイトルにしました。

「起死回生」という曲ができて、そこから引っ張られてできたアルバムでもありますね。

――ファンの方へのかなり強い思いが込められたタイトルなわけですね。

メイリア:ファンのみなさんが一番感じていると思うんですけど、GARNiDELiAとして独立したのがお客さんからしたら不安な要素だということが、SNSを通してこっちにも伝わってきていて。

加えて、全然作品が出ない時期でもあったので、そういったネガティブなものを払拭する強い気持ちが必要だと思ってもいました。

「ウチらはここからまた生まれ変わってやるんだ」っていう覚悟を表す言葉ってなんだろう? と思ったときに、ふいにこの「起死回生」という言葉が降ってきて。「これだ!」と(笑)。

toku:今までも四文字熟語のタイトルの楽曲がけっこうあったので、それをなぞりつつ今の気持ちを表す言葉はこれなんじゃないか、という感じですね。

――今までも楽曲には四文字熟語が使われていましたが、アルバムのタイトルとしては初めてだったので驚きました。

メイリア:確かに! ないですね。

――前作の発売からちょっと期間が空いたこともあって、「ここからまた気持ちを入れ直す」というか、「新たな世界線へ飛んでいく」というような気持ちがタイトルからも伝わってきました。

メイリア:そうですね! まさにその通りです。

――前作「G.R.N.D.」が、ある種ひとつの完成形だ、というお話を以前伺いました。そこから本アルバムへのつながりをどのように意識しましたか?

メイリア:「G.R.N.D.」は自分たち自身の名前を使った楽曲、タイトルということで「GARNiDELiAってなんぞや?」みたいなことを表現していこうと意識して、バラエティに富んだ、ウチららしいアルバムに仕上がりました。

対して今回の「起死回生」は、「ウチらが音楽を通して伝えたいこと」や「みんなにどうなってほしいんだろう?」と改めて考えたことで生まれた作品になっています。なので、ウチらが本当にやりたいことをこれから発信していく、という思いを詰め込んでいますね。

「ウチらを体現する」ではなく「ウチらの気持ち」「これから伝えたいことはこう」を表現したアルバムになっていると思います。

――以前は新作が発売したときには、もう次の作品が動き出していて、ということが多かったと思いますが、今回は情勢の変化もあって比較的じっくりと楽曲作りに取り組めている印象を受けました。ただ、またレコーディングが忙しくなってきた、とのお話も……。

メイリア:そうですね。なんだか本当に忙しい(笑)。コロナで空いてるはずなんですけど、なんでなんだろう?

toku:配信ライブだったり、僕のソロでの活動もあったりで、なんだかんだ時間は持ってかれてますね(笑)。今はとにかくコロナ禍の中でお客さんにどう楽しんでもらうか、ということを考えていて、それと並行してのアルバム作りでもあったので、時間的には意外と今までと変わりないというか。そんなにめちゃめちゃ時間かけられてるか、というとそうでもなかったりはします(笑)。

でもそのぶん、今の思いを凝縮したアルバムになっていると思います。

ジャケット写真は和洋折衷で神々しく、とにかく派手!

――アルバム全体を通してはどんな雰囲気に仕上がっていますか?

メイリア:今までに比べて、もしかしたらちょっとオトナになってるかもしれませんね。

「起死回生」もある意味攻めていて、今までのウチらを聴いてきた人たちには「これがリードで来るんだ」と驚くかも。マイナーアップで、ガツガツに攻めてる形じゃない楽曲をリードに持ってきてるので、「へー!」と意外に感じられるかなと。

もちろん中には、ライブで一緒に盛り上がろう、と思えるような楽曲や「踊っちゃってみた」シリーズの楽曲も入っています。そういった今までの流れを汲みつつも、ウチらのこれから歩んでいく方向性を指すアルバムにもなっているといいな、と思ってますね。

――ジャケット写真のほうのコンセプトはいかがですか? アーティスト写真も変わる、とのことですが。

メイリア:ヤバいですよ今回。めちゃくちゃ豪華で。過去一派手かも。

――(写真を見て)派手!

メイリア:あはは。ちょっと輪廻転生というか、女神イメージというか。

toku:和のテイストもありつつ、洋でもあるというか。

メイリア:和洋折衷なんですよね。

toku:生地が着物生地になってたりして。

すごい変なイメージですけど、昔、沢田研二が『魔界転生』の映画でやった天草四郎がこんな感じで。

メイリア:あー! そうそう、そういうイメージ。マリア様というか。

toku:神々しい感じのね。強い言葉なので、イメージも強くなってます。

――この衣装姿もライブなどで披露されたり……?

メイリア:しますよ! たぶん。なんとかアレンジして頑張ろうと思ってます。さすがにこのままだと頭どうしようかな、という感じなので(笑)。

toku:このままだと動けなさそうな衣装なので。

メイリア:和のテイストにしようと思ってたわけではないんですけど、かんざしをお箸みたいに縦に入れてるからなのかは分からないんですけど、カメラマンさんからも「花魁に見えてきたな」と言われて(笑)。

ドレスの形とかは中世ヨーロッパのものだったりするので、和のテイストは外したはずなんですけど、なぜか和っぽくも見える不思議な感じになってます。

でも確かに千手観音とかもこういう形だな、とか思ったり(笑)。菩薩的なテイストが和っぽいイメージを生み出してるのかもしれません。

――でも確かに不思議と、“GARNiDELiA”と聞くと和のイメージが強いですね。楽曲の印象的には特段、和を意識しているわけではないのになぜでしょう?

メイリア:たぶん、イメージに引っ張られてるところがあるんだろうな、と。和装の印象が強い方もけっこういらっしゃると思います。「極楽浄土」のせいだとは思うんですけど(笑)。

でも確かに、「起死回生」は音階とかも和の印象があるので、あながち間違ってないかもしれません。

――すごく素敵な衣装なので、ぜひ展示などをやってほしいです……!

メイリア:超イイですよね! すごい幅とっちゃうんですけど大丈夫ですか(笑)?

――お店とかに展示してあったら、仮にGARNiDELiAを知らなくても「この衣装なに?」と興味を持ってもらえると思います。

メイリア:確かに! めっちゃ豪華だから、ぜひ展示やってほしいですね。

――MVの撮影が控えているとお聞きしましたが、どんなテーマの映像になるんでしょうか?

メイリア:素の自分と(今回の衣装を着た)“神メイリア”の両方を撮った、二面性のあるMVにしたいな、と監督と話しましたね。ダンサーさんもいるので、すごく神秘的な雰囲気に仕上がると思います。

撮影が大変そうだな、とは思ってるんですけど。めちゃ時間かかりそ~(笑)。

一同:(笑)。

toku:二本分かかりそうだよね(笑)。

メイリア:そうだね。でも、衣装も監督も今まで一緒に作ってきた、いつものGARNiDELiAチームなので、より進化した作品を作りあげられると思います。安心です。

とにかく、新たな一歩ということで、すごく大事な作品になると思うので、頑張って作っていきます! 意味とかそういうのは置いといて「このMV、めっちゃカッケえ!」と言ってもらえるような、絵力がメチャクチャある作品にしたいです、みたいな話をしてます。

「変わることが怖い」という感覚は今はもうない

――ここからは、アルバムの各楽曲についてお聞かせいただければと思います。まずは一曲目「star trail」。ユニット結成10周年を記念しての楽曲となっていますが、この10年は長かったですか? 短かったですか?

toku:結成10年、メジャーデビューからは5年、ということでちょうど半分半分ということなんですけど、デビュー前の時間と、デビュー後の時間って濃さが違ってたりもして。

もちろんどっちもいろいろ精一杯やってきたんですけど、特にデビュー後の5年は早かったですね。

メイリア:一瞬ですね。ホントに。

toku:「star trail」は、この10年やってきた楽曲の作り方ももう一回見直して作ってみた楽曲にもなっていますね。

ファンの方に「10周年をありがとう」と言えるような楽曲にしよう、というのが一番意識したことですね。コロナ禍でなくなってしまいましたが、同じタイトルでツアーを組んでいたのもそういった気持ちゆえです。

――メイリアさんはこの10年の印象はいかがでしたか?

メイリア:私も体感的には短かったですね。でもやっぱり実時間としては10年って長いから、振り返るとすっごいいろんな思い出があって、それぞれにしっかり意味があったなあ、と感じてます。

tokuも言っていたように、デビューしてからの5年はホントに一瞬でしたね。tokuと出会ったときは10代だったのもあって、単純に自分が大人になっていった年月でもあったというか(笑)。

女の子にとって、10代から20代にかけての10年って本当にいろんな意味で変わる時間だと思うんですよ。そんな大切な時間をGARNiDELiAとして歩んでこられたのは、すごく素敵な時間だったし、ありがたいな、と思いましたね。

単純に「面白いことやろう!」って言ってスタートしたものが、10年間も続けられたことに感謝というか。周りの友達とか音楽仲間とかを見て、10年間同じバンドやユニットでやることがかなり難しいことだと分かったのもあって、改めて「ありがたいな」と思ったし、「これからさらに続けていかなきゃな」とも思いました。

――メジャーデビューしてからは振り返る暇もないぐらい駆け抜けてきた、ということがおふたりのお話から伝わってきました。

メイリア:そうですね。前ばっかり見てたから(笑)。

――駆け抜けた末に迎えた10周年と「star trail」で、ようやくゆっくりと振り返ることができたんですね。そんな思いが詰まった本楽曲をTVや配信で披露されましたが、その際のファンの方の反応はいかがでしたか?

メイリア:「star trail」は結成当初のGARNiDELiAの世界観、サウンド感を振り返りながら作った作品でもあるので、懐かしい気持ちと新しい気持ちが混合している曲だと思うんです。

だからこそ、「GARNiDELiAのことを好きになってよかった」と言ってくださるコメントがすごく多かったですね。このコメントがまさに答えだと思ってます。

私たちも「みんなに出会えてよかった」という気持ちを込めて作った曲だったので、それが届けられたのかな、通じ合うことができたのかな、と思えました。絆を感じる曲になったと思うので、早くリアルのライブでも披露したいですね。リアルでやったら私、絶対泣いて歌えないんじゃないかなって思ってて(笑)。

――確かに全員泣いちゃいますね(笑)。

メイリア:絶対歌えないですよね! みんな大号泣だよ、こんなの。イントロ流れた瞬間泣くでしょもう(笑)。

――配信ライブのときの「star trail」が本当に素晴らしかったです。夜景に星が煌めいていて。

メイリア:綺麗でしたよね!

――「生で見たかったなあ……」としみじみと思いました(笑)。

メイリア:ねー! ホントに!! ありがとうございます。

――「少しだけ髪が伸びたり 変わることもキミとなら悪くないね」という歌詞も印象的でした。変わっていくことに積極的というか、不安などは覚えたりしないのでしょうか?

メイリア:デビューしてからも、「GARNiDELiA、変わっちゃった」みたいな声を聞くこともあるし、出会って、別れて、また出会って、みたいなお客さんや、今は離れてしまっているお客さんなど、いろんな方がいらっしゃると思います。

でも、私たちにとっては出会ってくれた人みんなが本当にありがたいなと思うし、いつかまたサラっと帰ってこれるような場所を持ち続けていたいな、とも思っています。

とはいえ、前に進むためには変わらなきゃいけないことも絶対あって。そういうことをウチらは言い続けて、やり続けてきているので、「変わる」というより「やりたいことをやっていく」という感覚が強いですね。

そこに関しては、自分たちの気持ちは全然変わっていないんだけど、お客さんやファンのみんなから見れば「変わっちゃったな」と思うタイミングではあるのかもしれません。

でも、それで一回離れていっちゃったとしても、好きでいてくれたことには変わりないから、それはそれ。また戻って来てくれたらな、くらいの待ちの姿勢ですね。

なので「怖い」という感覚は、今はもうなくなったかもしれません。「極楽浄土」が出始めて、海外にたくさん行くようになったときは、一番お客さんが「なんで日本でもっと活動してくれないんだ」みたいな気持ちを抱くこともあったかもしれない時期で。

和のテイストとかもよく取り入れるようになって、「あ、こっちの方向行っちゃうんだな」みたいに思うこともたぶんあったとは思うんです。でも、それをやり続けていったことで、「GARNiDELiAといえばコレだよね」といったスタイルを確立できたと思うんです。

そこでビビッてやめて「前に戻そう」となったら、たぶん今のスタイルにはなっていないと思ってます。一回手放す勇気、みたいなものが必要だったと思うし、それを経て原点を振り返った「star trail」のような曲を出すことでよりエモさが生まれる、意味があるものになるというか。

なので、日々変わっていく、進化していきながらも、私たちの伝えたい気持ちだけは変えずに、という感じですね。それが伝わってくれた人たちはたぶんずっと一緒にいてくれると思うし、いったん離れた人も、またしれっと戻ってきてくれればいいな、と思います(笑)。

「少しだけ髪が伸びたり 変わることもキミとなら悪くないね」の歌詞はまさにそういう思いを込めていて。実際、この曲を聴いて久しぶりに戻ってきてくれる人もいました。「新曲出てんの? 久しぶりに聴くか」みたいなノリで聴いたら、「あ~、コレコレ!」みたいになるというか(笑)。懐かしい気持ちになってくれた人も多いんじゃないかなと思います。

――月日が経つということは、おふたりはもちろん、リスナーも成長するということですもんね。その成長のスピードや方向がふと近づいたときにまた戻ってきてくれるといいですよね。

メイリア:そうですね。

同世代の方たちの中には、もう家族ができたりとか、お子さんが生まれたりした方もいらっしゃると思うんですよ。そうなると聴く環境が変わっていってるというか、一緒に成長していってる、みたいな(笑)。

最近、だんだんと「旦那と一緒にライブ行くよ!」とか「子どもがもうちょっと大きくなったら、すぐライブ行きますね!」みたいなメッセージをたくさんいただくようになってきていて。「あ、一緒に歩んでるこの感じ、最高だな!」と思いました。

環境が変わっても、例えば私自身がママになるかもしれない、あるいはおばさんになっていったりしても、みんなと一緒だったら今と同じように笑ってライブをやっているんだろうな、というのをちょっと思い描けるようになってきましたね。そんな未来に向かって進んでいけたらいいな、と思ってます。

――状況はどんどん整ってきている?

メイリア:あはは。いや、でもホントにそういうメッセージがメチャクチャ増えて。「嫁が聴いてたから自分も聴くようになって、夫婦一緒にライブ行ってます」みたいなのが増えたよね?

toku:うん。

メイリア:「子どもと一緒に行きます」とかさ。なんかスゴイな~って(笑)。リスナーさんが大人になってるんですよ。

――やってる人たちは大人に……

メイリア&toku:なってんのかな?

一同:(笑)。

メイリア:まあ、とにかくこれからも進化していきたいですね!

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