音楽
やなぎなぎ5thアルバム『エメラロタイプ』インタビュー

過去の想いをつなぎ、繊細に力強く、その先へ。“やなぎなぎ”が描き出す未来への設計図|3年ぶりのNEWアルバム『エメラロタイプ』ロングインタビュー

色とりどりの世界を描いてきた音楽家のやなぎなぎさんが、前作『ナッテ』より約3年ぶりとなる5枚目オリジナルアルバムをリリースします。

自身の誕生石であり、石の中でもいちばん好きなエメラルドをジャケットのモチーフにして、未来への設計図を描いた『エメラロタイプ』。TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』のOP主題歌「芽ぐみの雨」、TVアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』OP主題歌「宝石の生まれるとき」を含む12個の物語がパッケージされています。

このアルバムが制作されていたのは“この先”について誰もが強い不安を抱えていた時期。ものづくりに対する姿勢や気持ちを、改めて振り返ったことが今作のコンセプトにつながったと話します。柔らかで繊細で、深く、力強いエネルギーに溢れた今作について、オンラインで会話させていただきました。

自分を奮い立たせる意味でも何か作りたい

──前回「芽ぐみの雨」のときにもオンラインでお話をうかがわせていただいたのが4月で。その後なぎさんとしてはどのような思いで過ごしていたか、改めて教えていただけますでしょうか。

やなぎなぎさん(以下、なぎ):頻繁に外に出られる状況ではなかったので、家の中、作業場でできることをやってるような感じでした。ライブはもちろん、アニメの放送も少しずつ後ろにずれていったので、自分の目標にしていたこともちょっとずつズレていって。

そういう気持ちを埋めるためにも、「なんか作ろうかな」って気持ちになっていました。“埋める”という言葉が合っているか分からないですが……。世間的にも悲しいニュースがあって、そういうものを追っていると自分も沈んできてしまうので、自分を奮い立たせる意味でも何か作りたいなと。

──ではアルバムに向けてそのころから制作をしていたんですか?

なぎ:そうですね。アルバムの企画自体は1年前くらいからあったんですけど、なかなか制作が……こうした状況だったので、スタジオがタイミングよく取れなかったりして。アルバムの制作をしつつ、ライブが延期になってしまったので自主制作という形で作品を作ったり、YouTubeにアップしたり。

──このインタビューが公開されるころには再再振替え公演となっていたやなぎなぎ「color palette ~2020 Pink~ 」の東京公演を経て、大阪公演を目前に控えられている段階です。「color palette ~2020 Pink~ 」が延期となった最中に、10月には配信ライブ「エウアル リバイバルライブ」が行われました。今、初ツアー「エウアル」を再演した理由とはなんだったのでしょうか?

なぎ:アルバム作品のツアーって、それが終わってしまうと再びアルバムの曲をひとつの世界としてライブで表現する機会がなくなってしまうんですよね。それは寂しいなって思っていたんですが……こうしたご時世ですので、当時ライブに来られなかった人に、配信の映像を通して「こういうツアーをやっていたんだよ」ってことを見せられるかなって。

また、当時来てくださっていた方のなかには「もう一度見たい」と思ってくださっているかたもいるのかなとも思って、第一弾としてやってみようと。

せっかく配信でやるならば、映像演出がきちんとできるような舞台が良いなと思っていました。例えば、途中で髪形を変えたり、そこでしかできないことをリバイバルではやってみようと。昔とは違うところがありつつも、曲は同じで。新鮮に楽しんでいただけたのかなと思って、やってみてよかったなと。

──第一弾ということは、第二弾、第三弾……も期待していいのでしょうか?

なぎ:できるかは別なんですが(笑)、私個人としては他のアルバムの復刻もやってみたいなと思っています!

 

「自分の未来の設計図を改めて考えたり描いたりしたい」

──個人的に『ナッテ』からもう3年経ったということにびっくりして。

なぎ:早いですよね(笑)。間にベストアルバムの発売があって、自分で作った曲たちを振り返ることもすごく多くて。目まぐるしく、いろいろなことがこの1年あったなぁって。自分の創作の根本のようなものを見直したり、考えたりもしました。

──そのあたり、もう少し詳しくうかがいたいです。

なぎ:自分がモノを作ることにおいて……こういう世の中になって、何をエネルギーに作ればいいのかなって。改めて自分が表現したいことって何なのかなって。自分がモノづくりを始めたキッカケって、自分がしゃべり下手だったので“言葉にできないことをどうやったら分かってもらえるのかな”ってところからで。これからそういうものをどう作品に反映させていくべきなのか、難しいなって(苦笑)。

──答えは出ました?

なぎ:分からなかったです。でも作ってみるしかないかなぁって気持ちにはなりましたね。

 

 

──そういう時ってどこから創作の種を見つけていくような感じだったんでしょう。

なぎ:それは今回のアルバムの話になるんですが……こういう状況でどんな風に作っていけばいいのかなと最初は思っていました。“この先の自分自身”について考えられるかたも多かったんじゃないかなと思うんですが、自分もこの先どうなっていくのかな、どうしようかなって考えて。そのなかで「自分の未来の設計図を改めて考えたり描いたりしたい」というのが今回のアルバムになったんです。

──さまざまなタイミングが重なって、設計図や未来予想などをテーマにされた今作が生まれたわけですね。

なぎ:そうですね。このタイミングじゃなかったら、まったく別のものになってたかもしれないです。

──やなぎ色がキラキラと光るアー写、エメラルドが描かれたジャケ写も印象的です。特にアー写は、なぎさんが遠くの未来を見ているような表情で、かつ「芽ぐみの雨」感もあって。どのようなイメージで作られたのでしょうか。

なぎ:アー写はキラキラした紙を背景にしているんですが、実は前にも手前にも光が反射するフィルターとかを入れてもらっていて。ずっと光が続いていくようなイメージで撮ってもらったんです。それもまた未来を予感させるような感じにしてくださっています。

ジャケットはエメラルドカットがモチーフになっていて。自分のカラーで描いている未来の設計図なので、そういうコンセプトでデザイナーさんにお願いして。デザイナーさんから「何か入れたい言葉があったら」と言ってくださって、それで言葉を入れさせていただき、設計図なんだけど絵になるジャケットになりました。

──なぎさんが石と一緒に飾られていた景色もステキでした。額縁に入れて、部屋のどこかに飾りたくなるデザインです。

なぎ:ご覧いただいてありがとうございます(笑)。そうですね。ぜひどこかに飾っていただきたいなって。中身も設計図を意識していただき、方眼紙っぽいデザインになっています。

 

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