
【連載】TVアニメ『ゾンビランドサガ』源さくら役 本渡楓さん×二階堂サキ役 田野アサミさんインタビュー【SAGA. 02 RE_前編】|二人で語る1期収録当時の裏話
さくらは演技も歌も普段の自分に近い声で。逃げがちだった生前から想像できない成長も!
――本渡さんはさくらをどんなイメージで演じようと考えて収録に臨まれたのでしょうか?
本渡:スタジオオーディションを受けさせていただいた時に、「今よりも力を抜いて、本渡さんの声でやってもらって大丈夫です。無理に作った声ではなく、楽に出せる声でさくらだったらいいと思います」という言葉をいただきました。
普段、あまり言われないディレクションだったので、歌のレコーディングの時も「本渡さんとして歌った声がさくらだから大丈夫」と言っていただいて。さくら以外のフランシュシュのメンバーがみんな、キャラが立っているので、さくらは引っ張られながらも引っ張りつつ、アクにならないけど、さくらとしての独特な個性を感じるようなお芝居をしたいなと思いました。
さくらは1話の最初は、交通事故に遭い、意識を取り戻すと「ここ、どこ?」と戸惑いながらも逃げたり、屋敷を走り回るシーンだったので、「まだ1話なのに、大丈夫かな?」とか「この子たちとうまくやっていけるのかな?」と心配な気持ちでした。
でも、2話からライブハウスでラップバトルやデスボイスをやってみたり、体当たりするようになって、生きていた頃なら逃げてしまったことにも、「もう死んでいるんだからやるしかないんだ」と開き直って、ぶつかるようになって。そんな姿が他のメンバーにも影響をもたらしていたシーンもいくつかあったので、最初の印象からはすごく成長したなと思ったし、逆境を乗り越える頼もしささえ感じました。
――フランシュシュの仲間といい感じになってきたかなと思ったら、終盤でまた事故に遭って。アップダウンが激しいですよね。
本渡:本当ですね。やっとみんなと一致団結できたのに生きていた頃のネガティブに戻ってしまって。挑戦すればするほど、前向きになればなるほど不幸になる体質で、自分の夢に手を伸ばした瞬間に命まで失ってしまうというとんでもない、「もってなさ」で。
でもガムシャラにやってきたことを、みんなは見てくれていたし、引っ張ってくれたおかげで立ち直れました。彼女は「もってない」と思っているけど、私は「もっている」と思います。ゾンビになってから素敵なみんなと出会って、支えてくれるデスおじたちもいて。だから「あなたはもっているのよ、さくら」と言ってあげたいです。
2話で一度心を開けば愛で応えるサキ。恒例の「ぶっ殺すぞ」のニュアンスにも違いが!
――サキについての印象と演じる時に心がけたことは?
田野:1話だけだと「あああ」しか言ってないからどんな子なのか、わからなくて(笑)。でも2話でまさかラップバトルで、さくらに心を動かされて。それで一度、心を開いたら愛を持って接する子なんだとわかりました。
そして代名詞ともいうべき「ぶっ殺すぞ」というセリフもただ口グセで言っているのではなく、その裏にはいろいろな感情や想いがあるところを表現したいなと回を重ねるごとに思うようになりました。あと衝撃的だったのは「たまごっち」が大好きだったこと。「たまごっち」を好きな人に悪い人はいないと思っているし(笑)、一生懸命に育てようとゲームの中でも熱くなれるサキの姿に共感しました。
私もサキのようでありたいといつも全力で臨もうと思っています。毎回、台本を受け取ったら家に帰るまで待てなくて、大きいカバンの中で周りに見えないようにスキマから読みながら帰るくらい、楽しみで、「今回の『ぶっ殺すぞ』はこんな感じなんだ!」とか。
――よくよく考えてみるとヤンキーの役なのに、田野さんのままでいいというのも失礼な話ですよね(笑)。
田野:私が元ヤンではないことはハッキリ書いておいてください(笑)。あとふと思ったのは「死」という言葉が目の前にあるのに、サキだけ自分からそこに向かっていっていたんですよね。他のメンバーは不慮の事故でなくなっているのに……まだ描かれていないゆうぎりやたえはわからないけど、サキだけ「夜露死苦!」って言いながらバイクのブレーキをかけずに自分から崖に突っ込んでいって。その死にざまを見て、「私も何にもめげずに、怖がらずにぶつかっていけばいいんだ」と思いました。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会































































