【連載】TVアニメ『ゾンビランドサガ』水野愛 役 種田梨沙さん×紺野純子 役 河瀬茉希さんインタビュー【SAGA. 03 RE_前編】|平成と昭和の伝説のアイドルとしてのプライドと芯があるため、いい関係性に
アフレコ前のレコーディングで、歌がどうシーンとリンクするのかわからず
――アニメの収録よりも歌のレコーディングのほうが先だったのも珍しいですよね。
種田:レコーディングの時に、ストーリーをざっくりと教えていただいて。「ああ、雷に撃たれる話があるんだ」とか(笑)。
河瀬:キノコが生えるんだとか(笑)。でもこの歌が物語にどう繋がるのかという疑問は残りつつでした。
種田:レコーディングの段階で、「6~7話で愛の代わりに純子が歌うパートはこちらです」と歌詞カードに書いてあって、「そんなシーンがあるの!?」とか。
河瀬:「目覚めRETURNER」をさくらの代わりに純子が歌うシーンも「そんなカッコいいことするの!?」と驚いたり。まだ純子をよくわかっていない段階で、「こんなにおとなしそうな子が割って入って歌うってどういうシーンなんだろう?」と。そしてアフレコをして、オンエアを見た時、「すごい! この歌、ピッタリ!」と感動しました。
種田:「このキャラが歌うということはこんな演出があるのかな?」と想像するのも楽しくなってきて。今後もそういうネタバレがレコーディングの時にあると思います(笑)。
河瀬さんは歌のオーディションも。その時に感じたプレッシャーの大きさ
――オーディションの時、河瀬さんとさくら役の本渡 楓さんだけ歌の審査もあり、純子は歌が一番うまい設定だったのでプレッシャーだったと河瀬さんは以前、話されていました。
河瀬:レコーディング自体、『ひそねとまそたん』のED曲をキャラとしてフランス語で歌った1回しかなくて。「フランス語が言えていなくてもいいので、ニュアンスで」と言っていただいて、ひたすら文字を追う感じで、レコーディングというよりお芝居している感覚でした。
だから私がどんなふうに歌うのかを知っているスタッフさんもいなかったので、ちょっと聞いてみよう会だったみたいで。
私は「最終オーディションです」と聞かされていましたが、ちゃんとしたレコーディングスタジオに呼ばれて、「歌を録ります」と言われたので驚きました。「アイドルものは歌が大事だからこんなにしっかり最終オーディションするんだ!?」って。
種田:いやあ、なかなかないことだよね。
河瀬:ですよね? そして音楽制作の佐藤宏次さんもいらっしゃって。パッと見怖い方で…(笑)。
種田:確かにイカつくて、ちょっとB系で。
河瀬:「ザ・音楽業界の人」という感じで。恐る恐るスタジオに入ったら、「あれ? もうそんな時間? 河瀬さんだよね? ちょっと待ってて」と声をかけられて。
種田:仲良くなった今はフレンドリーな対応なんだって分かりますけど、初めての時は、いきなり距離が近いからビクビクするよね。
河瀬:そしてレコーディングブースに入ったら、佐藤さんが「もうちょっと力を抜いていいからさ」って言ってくださるんですけど「そんなふうに言われたら余計に肩の力が入るわ!」と心臓バクバクで。また手元のモニターで向こうの映像も見えるんですけど、みんな、下向いて聞いていて。
種田:うわ~! 嫌だわ~!(笑)
河瀬:本当ですよね! アレはよくないと思う!(笑)笑ってたとしても向こうでおもしろいことが起こったからなのか、「こいつ、全然歌えねえじゃん!」と嘲笑されているのかわからないし。ほぼ棒立ち状態で歌っていたのを見て、「もっと動いていいよ」と言うけど、初めてのレコーディングだったので「動くって何?」という感じでわからないし、「動きまでオーディションの判断材料に入っているのでは?」とパニックになって。
その時は地で歌うバージョンと純子に寄せて歌うバージョンの2種類歌いましたが、グループで歌う曲を1人で歌うこと自体が大変なんですよね。息継ぎもできないし、終わった後はぜいぜい状態で。「うまく歌えなかったからもうダメだ」と思って、終わった後、マネージャーさんに「すいません。絶対ダメです」と電話しながら帰ったことを覚えています。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会