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劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』広橋涼&佐藤利奈&茅野愛衣インタビュー

劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』広橋涼さん&佐藤利奈さん&茅野愛衣さんインタビュー|『ARIA』を見ていると不思議と涙が出る、その理由は?

ARIAを見ると涙が流れる……感動する理由を探る

――『ARIA』を見ていると、何でもないシーンなのに、なぜか涙が出てきたりするんです。この感動の理由は何なのかを、みなさんに教えてもらいたいと思ったのですが。

茅野:私も何でなのか全然分からないです! すごく泣いちゃうんですよね。昨日も、今日取材を受けるからと思って『ARIA』を見ていたんですけど、何でもないシーンで涙が出てきちゃって……。(広橋さんに)あれは、何でなんですか?

広橋:何でだろうねぇ(笑)。でも、許されている感じはするなぁ。許されているって変だけど、きっとすごく疲れているんじゃないですかね。みんな力を入れて生きているから、泣いてもいいよ、気持ちを緩やかにしてもいいよ、それでも全然問題ないんだよって言ってくれている気がするから、気持ちが解放されるのかもしれないですね。

あと、何でこのシーンで涙が……と思うシーンって、きっとその人の根底に何か似たようなものがあるのかもしれないと思うんです。自分の意識の中では思っていなくても、自分が経験を積み重ねてきた中で、すごく似ていることがあって、それを呼び起こす何かがあるのかもしれないなぁって思います。

――すごく分かる気がします。

広橋:それに、リラックスすることが許されるアニメだなって思いますね。

佐藤:一生懸命見てもいいんですけど、ぼんやりと見ることもできるというか。茅野ちゃんが言っていたみたいに、BGMのように見ていても全然いいし、チラッと映像を見たら、そこに癒やされたりする。この懐の深い感じに、みんな吸い寄せられちゃうんでしょうね。

広橋:本当に不思議。こうやってインタビューを受けていても、全然良い話をしているわけでもないのに、泣けてくるときがあるから、何で?って思う(笑)。

茅野:私、さっき撮影をしているときもうるうるしてて、右目から涙が出るー!ってなってました。

広橋:私も右目から出るの!

茅野:ARIAの話をすると、右目から涙が出るんですかね(笑)。

――『ARIA』ファンである茅野さんでも、涙の理由が分からなかったんですね。

茅野:でも、毎回その時に必要な言葉をすごくたくさんもらっているなとは思っていて。『ARIA The AVVENIRE』でも、灯里先輩が、アリシアさんとの会話の中で、お別れはいつだって寂しいけど、寂しければ寂しいほど悲しければ悲しいほど、それは大好きな存在だったからで、切ない想いもまた、幸せ者の証なんです、というようなことを言うシーンがあるんです。

生きていたらいろいろな別れを体験するけど、ちょうど5年くらい前に、ワンちゃんが病気をして、お別れがくるかもしれないというタイミングがあって。でも今は元気になっているんですけど、ペットとの別れもそうだけど、いろいろな別れが人生にある中で、ARIAのあの言葉だったと思えるんですよね。

だからARIAには、その時に欲しい言葉が散りばめられていて、それを欲しいときにくれるんです。それが不思議で、ミラクルな作品なのかもしれないなって思います。

――広橋さんがおっしゃっていたことにも通じる感じがしますね。そういう素敵な言葉たちと、映像と音楽の美しさが涙を誘うのかもしれません。

広橋:本当に、あの音楽はズルくないですか!?

茅野:曲が良いんですよねぇ。

広橋:しかも流れるタイミングが、嘘でしょ?ってくらい絶妙で、追い打ちをかけるように流れてくる(笑)。

茅野:分かります! きっとサトジュンさん(佐藤順一総監督)が、へへへってなっていると思います(笑)。

広橋:まんまとやられますよね。

茅野:『ARIA』のTVアニメのOPも決まった絵ではなくて、話数ごとに違うじゃないですか。

佐藤:それも毎回グッと来る! 今回はこういうシチュエーションで、この景色を見せるのね!って。

茅野:それと今作では、アテナ先輩が替え歌を歌うシーンがあって、そこがすごく好きです(笑)。今までの良い曲たちも引き続き流れるんですけど、個人的には替え歌の部分が一番でした。

広橋:歌ってみて、どうだった?

佐藤:歌ってみて!?演じ手としてはものすごいプレッシャーだったけど、アテナさんとしては大丈夫だよ〜っていう気持ちだったかな。

茅野:歌詞が面白いですよね。「マブダチ」とか。

佐藤:そうそう。色んな言葉がアテナさんからポンポン出てくるなぁって、しみじみと思いました。きっと、この言葉はちょっとキャッチーとか、かわいいなって思いながら温めてきたワードを出してきたのかな、なんて。

茅野:とてもかわいらしかったです。

――映像のほうも、劇場アニメになるので、さらにきれいになっているんでしょうね。

茅野:ヴェネチアに行きたいよーってなります。

広橋:ARIAを見て、ヴェネチアに実際に行った人のなんと多いことか!

茅野:ARIAって、本当にいろんな人の人生を変えている作品でもあるんですよね。

広橋:そんなに簡単に行けるところじゃないはずなのに、気軽に行かれるARIAファンの方が多いんですよ(笑)。

茅野:広橋さんは、行かれたことはあるんですか?

広橋:行ったことないよ。それどころかアジアから出たことない(笑)!

佐藤:誰も行ったことがないの?

広橋:灯里ちゃん役のえりーん(=葉月絵里乃)は、ARIAのお仕事をのために行っているはず。だから私も行きたいし、ゴンドラを漕ぎたいな。

茅野 あれって、漕げるんですか?

――天才なのは、キャラクターのほうですからね。

茅野:確かに! でも、涼さんがすごい才能を発揮するかもしれない!

広橋:公園のボートを漕ぐのはすごくうまいよ?

佐藤:ボートと一緒だと思うなよ~(笑)。

広橋:ごめんなさい。ゴンドリエーレの方……(笑)。

――では、今作で作品で、見てほしいシーンを、少し紹介してください。

広橋:やっぱりアテナさんの“魔女っ子ベファーナ”じゃないですかね?

佐藤:ホント?

茅野:私、大好きですっ!

広橋:原作にもあるんですけど、あの表情をどういうふうに利奈ちゃんが演じるのかなと思っていたんです。でも、思いの外パンチがあったから。

佐藤:うそ! (本気で焦りながら)そんなことないでしょ?

広橋:これは、どうしよう!と思って。そのシーンは、アリスとしては笑ってはいけないところなんですよ。

佐藤:私、そんな笑えるような感じだった??
 
広橋:笑えるような感じだったよ! 笑えるような感じで演じてたよ(笑)!

佐藤:えーっ!!!

広橋:でも、アテナ先輩はそういう人だからさ。大真面目にやっているからそれで大正解なんだけど、客観的に見たら、めちゃめちゃ面白かったよ! 

佐藤:………。

広橋:というシーンがあるので、ぜひ劇場で見てください!

佐藤:(まだ不安そうに)じゃあ、私のでも良かったってことかな?

茅野:すごく良かったです(笑)。

広橋:うん。素晴らしかったよ!ってことを言いたかったの。

佐藤:本当?ほっとしました…ありがとうございます。

茅野:真っ直ぐなアテナ先輩の一面が見られて、すごく良かったです。

佐藤:オトナになれてうれしいこともあるけど、知ってしまってがっかりというアリスちゃんの気持ちは、誰しも共感できるところだと思うんですけど、それに対してこういう視点でアテナさんは応えてくれるんだなっていう。オトナになると全力で“魔女っ子ベファーナ”として楽しませることができるんだよ! 見て!みたいな。その発想なかったなと思いました。

広橋:それをちゃんと見せてくれるんだよね。非常に楽しいシーンでした。

佐藤:それと私、アーニャちゃんが葉っぱを持って帰るシーンがすごく好きで、あの描写だけでも感動しちゃいます。子供って何かなそれ??みたいなものを持って帰ってきますよね。でも彼らにとってそれは意味のあるもので。アーニャちゃんが大事にしている感じが、愛おしい!って思いました。

茅野:グラスに入れて飾っていましたからね。

佐藤:どの描写をとっても愛おしいんです、ARIAは! なんですか、この作品は!

茅野:結局、そこに行き着きますよね。なんなの!っていう。

――何でこんなに感動するの?っていう(笑)。茅野さんはいかがですか?

茅野:私は、どこも本当に良かったんですけど、オレンジぷらねっとのお話で、先輩と後輩の関係性を描いているところがすごく好きなので、お風呂シーンって重要なんです! すっごくいい話もしているので。アリス先輩のダメダメなところを見ると、茅野個人としてはキュンとなるんですけど、アーニャちゃんとしてはひたすら心配になります。

でも、髪の毛をとかすシーンは、オレンジぷらねっとの伝統行事みたいな感じなので、やってほしかったんです。TVシリーズでもあったので(『ARIA The NATURAL』第6話「その 鏡にうつる笑顔は…」)。だから、台本を見て飛び上がりました。

――そういう意味で、引き継がれていく思いみたいなところが、今回の映画でも見られますよね。

茅野:そこがARIAのいいところですよね。ネタバレありならば、語ることはいっぱいありそうです(笑)。

――では、最後に『ARIA The CREPUSCOLO』を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

茅野:今は、旅だったり、自分の好きなことに触れることが自由にできない状況ですが、『ARIA The CREPUSCOLO』は、本当に旅をした気持ちになるくらいの満足度がある映画になっていますので、楽しむぞという気持ちだけを持って劇場に足を運んでいただければと思います。

広橋:ARIAど真ん中な作品です。劇場で見ている方々と一緒の時間を過ごせるんだなと思うとうれしいです。今は距離はすごく遠いのかもしれないですけど、心は近くなれると思いますので、作品に浸ってもらえたらうれしいです。

佐藤:出来うる限り、私の精一杯で、とも子さんと英里さんのアテナさんを抱きしめて収録に臨みました。みなさんの胸を借りながらアテナさんとしてちょっとずつ歩んでいけたらいいなと思っています。ARIAの素敵な映像や音楽をぜひ大きなスクリーンでご覧になってください。

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作品情報

劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』

2021年3月5日(金)RAODSHOW

■イントロダクション
未来形ヒーリングストーリー 蒼のカーテンコール 《第2章》開幕

現在、WEBマンガサイト「MAGCOMI(マグコミ)」にて『あまんちゅ!』を絶賛連載中の天野こずえが描いた未来形ヒーリングコミック『ARIA』。

単行本累計460万部、関連書籍累計80万部が発行された本作は、2005年に『ARIA The ANIMATION』としてアニメ化。その後も、2006年に『The NATURAL』、2007年に『The OVA ~ARIETTA~』、2008年に『The ORIGINATION』、2015年に完全新作アニメーション『ARIA The AVVENIRE』が制作され、原作コミックの雰囲気そのままの優しい世界が数多くのファンを魅了しました。

そして、『ARIA The ANIMATION』放送から15年目を迎える2020年。このメモリアルイヤーに、再び『ARIA』が新作アニメーションとして帰ってきました。

オレンジぷらねっとのメンバーを中心に描かれる、完全新作アニメーション『ARIA The CREPUSCOLO』。

制作に当たっては、天野こずえの完全新作描き下ろし原作漫画を元に、総監督・脚本:佐藤順一、監督:名取孝浩、アニメーション制作: J.C. STAFF(「あまんちゅ!」)が制作致します。

キャストもおなじみのメンバーに、アテナ役として佐藤利奈が新たに加わりました。新しい、そして変わらない『ARIA』の世界を是非、劇場でご覧ください。

■あらすじ
ネオ・ヴェネツィアの街が、落ち葉の絨毯で彩られる秋。オレンジぷらねっとで修業の日々を送るアーニャには、気がかりなことがありました。お互いに多忙なこともあり、長い間会えていない先輩のアリスとアテナ。

そのせいで元気がないアテナに対し、アリスはなぜか会うのを避けている様子なのです。友達のアイとあずさにも協力してもらい、先輩たちが絶対に会える方法を探す中、アーニャは今の自分だからこそ見える“景色”があることに気づかされるのでした......。

■STAFF
原作:天野こずえ「ARIA」(ブレイドコミックス/マッグガーデン刊)
総監督・脚本:佐藤順一
監督:名取孝浩
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東葉子
美術監督:氣賀澤佐知子(スタジオユニ)
色彩設計:木村美保
撮影監督:間中秀典
音楽:Choro Club feat. Senoo
OPテーマ:「フェリチータ」安野希世乃
EDテーマ:「echoes」安野希世乃
音楽制作:フライングドッグ
音響制作:楽音舎
アニメーション制作:J.C.STAFF
製作:松竹
配給:松竹ODS事業室

■CAST
アリス・キャロル:広橋涼
アテナ・グローリィ:佐藤利奈
アーニャ・ドストエフスカヤ:茅野愛衣
まぁ:渡辺明乃
水無灯里:葉月絵理乃
アリシア・フローレンス:大原さやか
愛野アイ:水橋かおり
アリア:西村ちなみ
藍華・S・グランチェスタ:斎藤千和
晃・E・フェラーリ:皆川純子
あずさ・B・マクラーレン:中原麻衣
アレッタ・パーチェ:安野希世乃

公式サイト
公式ツイッター(@ARIA_SENDEN)

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