
水瀬いのりさん ソロデビュー5周年無観客配信ライブBD『Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes』発売記念インタビュー|代表曲網羅&壮大なライブ演出に、再編集で配信と違うカットも使用!
5年を振り返るOP映像からあふれる愛に涙。1曲目の「夢のつぼみ」でも高揚感が。
――ライブの恒例となったOPムービーも今回は特別なものでした。
水瀬:普段はライブのメイキング映像を撮っていただいたり、映像制作でお世話になっている方が今回OPムービーを作ってくださって。いつもはシャイな女の子なのに、映像からすごい愛情や思いを感じてとても嬉しかったです。
シーンの選び方や、バックに「僕らは今」を流して1曲目の「夢のつぼみ」につなげるエモーショナルさに、私と家族も涙ぐんでいました。
――各これまでのライブで使用された銀テープのメッセージや、デビュー時のオフショットなどが時系列に流れて。最初から応援していたファンにとってはそれだけでも涙ものなのに、「夢のつぼみ」では涙腺が決壊する人続出だったでしょうね(笑)。
水瀬:作曲してくださった渡部チェルさんが当時、いつかこのイントロだけで泣かせられるように、この曲を育てていきたいというお話をされていて。きっと皆さんの中でもそういう曲になったんじゃないかなと思いますし、このピアノのイントロが流れるだけで高揚感と温かい涙が流れてくるような曲になったのは皆さんと一緒に育ててこられたからなんだなと感じました。
――今までの9枚のシングル曲と3枚のアルバムの表題曲に、ラジオ番組の主題歌など代表曲が並ぶセットリストですね。
水瀬:毎回、ライブにはテーマがありましたが、今回は「5年」という広いテーマで、どの曲も大切なのに限られた曲数に絞らなくてはいけなかったのが難しくて。泣く泣く歌えなかった曲もたくさんありました。
序盤のポップで明るいゾーンと、ちょっとミディアムテンポで可愛らしい楽曲のゾーン、カッコいいゾーン、そして最後は皆さんの心に訴えかけるようなメッセージ性の強いゾーンと、緩急を付けた構成にしたのですが、この振り分けも大変でした。
今回入れることのできなかった楽曲たちで、アナザーサイド的な「裏5周年ライブ」みたいなものができるかもしれませんね(笑)。
――「夢のつぼみ」と「笑顔が似合う日」が冬のリリースで、「春空」、そしてラストが「Innocent flower」が実りの秋と考えると冬から秋までの1年の流れみたいなものも感じました。
水瀬:人それぞれいろいろな見方ができるかもしれないですね。私の楽曲はいつも自分自身が「こんな歌を聞きたい」と思ったイメージを形にしていくことが多いんです。私自身、歌に背中を押してもらったり、踏み出す勇気をもらいたいと思いながら日々過ごしていて、その気持ちがセットリストにも現れているなと改めて思いました。
――前半最後のブロックの「ココロソマリ」、「harmony ribbon」はしっかり聞かせつつ、心を揺さぶられました。
水瀬:「harmony ribbon」を中盤で歌うのは新鮮でした。ライブでこの曲を歌う時は「もう終わってしまうんだな」と思うくらいのクライマックス感があって、激しい曲ではないのにぐっとギアが上がって、このまま消えちゃいそうな多幸感にも包まれて。
いつも「ラララ」と皆さんが声を合わせてくれますが、今回はその声を想像しながら歌いました。ここまで皆さんと紡いできた音があるからこそ、オンラインでもつながっているなと思えて、素敵な曲だなと改めて感じましたね。
――「harmony ribbon」の歌詞、「届け声」や「明けない夜などないから」はこの状況下だからこそ、胸に染みました。そして終盤の「Starry Wish」からの流れはすごいですね。
水瀬: 畳みかけていくような構成で、5年間で特に私を成長させてくれた曲たちが並んでいます。例えば「Starry Wish」は、アーティストとしての活動をより多くの方に知ってもらうきっかけになった曲で。私自身どこまで曲の世界感を表現できるかという、自分にとっては大きなチャレンジにもなった曲です。
ライブで歌うたびに、悔しい思いをする日もあれば、達成感のある日もあったり。今回のライブでは演出面も含めて、曲と一体になって表現できたんじゃないかなと思っています。
――「BLUE COMPASS」、「Starlight Museum」、「Catch the Rainbow!」、「Innocent flower」とアルバム表題曲やご自身の作詞曲が並んで、ラスボスの連続みたいな(笑)。
水瀬:そうなんです! 私の楽曲の中でも特に表現するのが難しい曲ばかりで。「BLUE COMPASS」は一度つまずいたら立て直すのが難しくて、リハーサルでも失敗することが多く、そのたびにメンバーを見て、「もう無理かも」と目で訴えかけて(笑)。
当日無事に乗り越えられた瞬間は、本当は振り返ってみんなに「できたよ!」と目で合図したいくらいでした(笑)。心の中で「よっしゃー!」とガッツポーズしましたね。リハーサルでうまくできなかったことが本番でできたという初心に返ったような喜びも感じました。
――ご自身の作詞した「Starlight Museum」は本編のラスト、「Catch the Rainbow!」はアンコールの1曲目と続くところもポイントかなと。
水瀬:その2曲に加えて、「ココロソマリ」と作詞した3曲すべて披露させていただきました。「Starlight Museum」は歌っている姿を見ていただくのが初めてだったので緊張しました。
この曲でしか表現できない自分の世界があると信じて歌いましたし、何よりも私自身この曲がすごく好きで。メロディーラインやこの曲の持つ色に、いつも勇気をもらっているので、横浜アリーナで歌えて気持ちよかったです。
――そしてラストの「Innocent flower」では1曲目以来となるセンターステージに戻って。
水瀬:1曲目で歌った時とはがらりと雰囲気を変えて、黄色いお花で飾られた、同名アルバムのジャケット写真を彷彿とさせるステージになりました。トロッコでセンターステージに向かう時、それを知っていたのにうるっと来てしまって。「歌い切らなきゃ」と涙をこらえましたが、もし皆さんがいたらきっと応援してくれて、その時点でもっと泣いてしまっていたかもしれません。
印象的だったLED照明の演出とセンターステージ。ヘアメイクでは挑戦も!?
――ライブで印象に残っている演出やシーンを挙げるとすれば?
水瀬:LED照明の演出がカッコいいなと思いました。特に「TRUST IN ETERNITY」で私の背後に翼のCGが映し出されたところはお気に入りです。
こだわりとしては衣装が全部ブルーをテーマにしていて、ジャケットスタイルやドレス、「Starry Wishes」にちなんで星を散りばめたワンピースまで。いつもは皆さんがペンライトで照らしてくれるけど、代わりに今回はブルーという自分を支えてくれているカラーに身を包んで歌えたことも嬉しかったです。
2着目のお花をあしらったドレスは本当に重量感があってビックリしました。足元もヒールのある靴を履いていたので、移動の時は細心の注意を払いつつ、皆さんのエアー「回って」コールが来るだろうと想像して、クルクル回ってしまったりして(笑)。ぜひ衣装をじっくり見ていただく機会が来たらいいなと思います。
――エクステやスニーカーもキラキラしていて。
水瀬:いつもなら限られた時間の中で衣装とメイクのチェンジをしなくてはいけないのですが、今回は収録ということもあり、その制限なく自分のしたい髪型や挑戦したいメイクを取り入れていただいています。
あとこの頃は髪を伸ばしていたので、ライブでは初めてロングで下ろしたヘアスタイルにもチャレンジしました。いつもは巻くことが多いので、ストレートヘアで、しかもあの長さは貴重かもしれません。ただ下ろすだけでは寂しいので、メイクさんのアイデアで髪にキラキラしたエクステも混ぜていただきました。エクステを付けるという発想は私にはない発想だったので、テンションが上がりました(笑)。
――髪を下ろした時、すごく大人っぽく見えて、ドキっとしました。
水瀬:その手前がちょっとかわいらしいドレス姿で、髪もアップにまとめているところからのストレートというメリハリを付けたシーンだったのでお気に入りです。更にその導入が「TRUST IN ETERNITY」という壮大な楽曲への切り替えだったので、見ていた方をハッとさせられていたら嬉しいです。
――完成した映像をご覧になった感想は?
水瀬:まるで会場にファンの皆さんがいるような空気感でした。自分の表情や歌い方、会場の雰囲気が、お客さんはいないはずのにもしかしたら皆さんが出てくるんじゃないかと思ったくらい(笑)。
ステージにいる時はそう見えたらいいなと思いながら歌っていましたが、完成した映像を見てもそう感じることができて。カメラさんや編集してくださった方の技量にも助けていただいたおかげで、無観客ではあるもののライブの熱量を感じられる映像になっていました。
――あと改めて思うのは、センターステージやトロッコでの移動をはじめ、ただの配信ライブではなく、アリーナでのライブを前提としたセットや演出で、水瀬さんとスタッフの皆さんの本気さも感じました。
水瀬:私もチームの皆さんも配信ライブを作るというより、いつも通りのライブをやろうという気持ちで一丸になって頑張ってきたので嬉しいです。配信ライブだからこそできる良さは取り入れつつも、今まで私たちが作ってきたライブを横浜アリーナでやろうというコンセプトでした。
紗幕やセットを作ってくださったスタッフの皆さんが全身全霊を傾けてくれたおかげで、私もバンドメンバーも安心してステージに立って、歌ったり、演奏できました。支えて下さる方の愛情を一層感じるライブになりましたし、更に絆が深まりました。
















































