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新プロジェクト「BATEN KAITOS」始動! Wabokuインタビュー【前編】

ずっと真夜中でいいのに。「ハゼ馳せる果てるまで」、Eve「お気に召すまま」などの名作MVを送り出してきたアニメーション作家 Wabokuさんインタビュー前編|その軌跡を辿ると意外な一面が明らかに?

 

初めて手掛けたアニメーションMV「ハイタ」が話題に

――当時のWabokuさんを知ることのできる作品として、卒業制作作品の「EMIGRE」(2015)が残っていますが、他には残されてないですよね?

Waboku:そうですね。香川県で個展をしたことがあって(2018年)、そのときに流したことはあったんですが、今後は世の中で見ることはできないかと。

在学中に作ってたものはいわば習作というか。その結果として「EMIGRE」を作って世の中に出せたという感じです。

――在学中、卒業後の道についてはどのように考えられていたんでしょうか?

Waboku:結局「どっちにどう行く」的なものは決まらずでしたね。大学を卒業したあとは、CG会社に入った時期があって。そのあと少し間があるんですが、作家事務所に所属して2本ショートアニメを作っているんです。

「VOYNICH」(ヴォイニッチ)、「「Celebrator」(セレブレイター)という作品なんですが、ボカロPのルワンくんが「一緒にやりませんか?」って連絡をくれて。面白そうだなと思って「じゃあやってみるか」と。それで「ハイタ」のMVができたんです。

――今回のプロジェクト[BATEN KAITOS]にも関わられているEveさんは「ハイタ」を見てラブコールを送ったそうですね。

Waboku:「ハイタ」を公開してから3、4日後にTwitterでDMが届いて。僕も存じ上げてはいたので「一回打ち合わせしましょうか」って。それで「お気に召すまま」を作り出したんです。

――EveさんはWabokuさんの人生にとっても、きっと大きな存在なんだろうなと。

Waboku:そうですね。作品としても「トーキョーゲットー」のほか、「バウムクーヘンエンド」(2019年)にも関わらせてもらい、自分にとっても大きな経験をさせてもらいました。

――その後ずっと真夜中でいいのに。のデビュー曲「秒針を噛む」(2018年)のMVも手掛けられることに。ずとまよさんの音楽との出会いはWabokuさんにどんな影響を与えたんでしょうか。

Waboku:Eveさんとはまた違ったリズム感や譜割りがあって。「この音楽の映像に合うものにしよう」と考えているうちに、映像としても独自の発展を遂げた感じがあります。意識したわけではないんですけど、後から見ると僕の映像の質が変容してきてるようにも感じてますね。

――ずとまよさんの作品は他にも「脳裏上のクラッカー」、「ハゼ馳せる果てるまで」、「MILABO」も手掛けられていますが、先日、2019年に発表した「ハゼ馳せる果てるまで」が行われた第24回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門、ソーシャル・インパクト賞を受賞されたとのことで……! おめでとうございます! 新海 誠監督からもお祝いのコメントが届いていましたね。

Waboku:大変大きな賞をいただき、皆さんにもお祝いしていただき……震えています(笑)。「ハゼ馳せる果てるまで」も今までとは違う側面があったからそういう結果になったのかなと。より一層頑張らなきゃなと思っています。

 

「いつでも辞めてもいいかな、と」

――話が戻ってしまうんですが、Wabokuさんが初めてMVを手掛けられた「ハイタ」は、他にも大きな反響があったと思います。「この道で行く」といった確信はそこで生まれたんでしょうか?

Waboku:うれしいことにたくさん反響をいただいて。「ハイタ」をあげて2、3週間くらいでいろいろな案件をいただけるようになったんです。それで「これなら大丈夫かも」って。確信ではないんですけど、「今の生活水準だったらやっていけるかな」って。

――Wabokuさんのお話を聞いていて面白いなと思ったんですけど、飄々と大きな賭けに出るのに、すごく現実的ですよね。

Waboku:そうなんですよ。そこだけは自負があります(笑)。実はアニメーションに対してドライなところがあります。アニメーションを始めた時から、アニメーションを作るのが楽しくなくなったり、生活ができなくなったりしたら、いつでも辞めていいなと思っていて。

――バランスが悪くなったらアニメーションづくりをスパッと辞めても良いと?

Waboku:いや、アニメーションを作ること自体はやめないと思うんですけど、仕事としてのアニメーションはやらなくてもいいかなって感じです。

――なるほど。色々な生き方、関わり方があっていいですもんね。別に一本である必要はなくて。

Waboku:そうなんですよね。アニメーションを作っていて、ストレスが少なくて、十分に稼げて、ってことじゃなかったら仕事としてやらなくて良いと思っているんですよ。辛くなったら少し離れて、趣味でも良いんじゃないかなって。それはこの10年間ずっと思っています。

――といいつつ、Wabokuさんはものすごい枚数を書かれているじゃないですか。しかも一部は鉛筆書きですよね? 好きなこととは言え、めちゃくちゃ大変なことですし、実際命を削られて描かれていると思うんです。

Waboku:そうですね(笑)。動いているキャラクターはデジタルで描いているんですけど、背景は紙に鉛筆で描いています。例えば、これはアニメーションに直接関係のある絵ではないんですけど……(スケッチブックを取り出して)こんな感じで毎回描いているんですよ。

――……美しいですね! 読者の方には見せられないのですが、鉛筆でかなり細かく書き込まれているんですね。

Waboku:これは趣味で描いているものですけどね。いつもこんな感じで背景は描いています。

――この絵をパソコンに読み込まれているんですか?

Waboku:いや。専門的なお話になりますが、この絵を一眼レフで撮影して、フォトショップで読み込んで……という流れなんです。

――描いたあとに一眼レフで撮影って初めて聞いたんですが一般的な手法なんでしょうか?

Waboku:いえ、平面でやっている方は観たことないですね(笑)。どちらかというと立体アニメーションに着想を得たものです。

――この技法はずっとやられてるんです?

Waboku:卒業制作のときに思いついて、それ以降はずっとやっています。そこがこだわりというか。「スキャナーで良いじゃん」って声もあると思うですけど一眼の良さがあって。色の階調の細かさがスキャナーより断然上なんです。

あと奥行のある絵を描いたときに奥にピントを合わせる感じにしたいというときにピントを奥に合わせて自然な感じでぼやかすことができて。レンズによるんですけど、やり方によっては自然にできます。裏技的な感じですね(笑)。スキャナーではできないことが一眼レフにはありすぎるんですよね。

――この技法は今回のプロジェクト【BATEN KAITOS】にも活きているんですか?

Waboku:今回は活きてないです(笑)。どこかで活かしたいとは思いつつも、それをこの作品の軸に据えなくてもいいかなと思っているんです。この技法は僕の作家性の核ではないと思っているので。

――逆にWabokuさんの核はどこにあると、ご自身では分析されているのでしょうか。

Waboku:う~ん、難しいですね(笑)。実は最近A-1 Picturesのプロデューサーの方ともそういう話になったんです。背景の線なのか、キャラクターデザインなのか、映像の構成なのか……「どれなんだろう?」って。でもどれかが欠けて、どれかが一個だけになったとしても、僕が作ったものだとわかると思うんです。映像の構成だけが僕っぽくても「これはWabokuっぽい」って受け取られるんじゃないかなと。

――いや、でもそうですよね。映像構成の面でいえば、リップシンクが多かったり、カット割りが細かかったりという特徴はありますけど、Wabokuさんの作品の独特の匂い、温度感って当たり前ですけど他の方には出せないもので。

Waboku:ありがとうございます。だから少しぼやけた回答かもしれませんけど、僕が作るものは僕っぽくなるんだろうなと。つまり僕の作家性の核って“僕が作っている”ってことなんだと思うんです。

【後編に続く】

[インタビュー・逆井マリ]

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アニメーションMV制作プロジェクト「BATEN KAITOS(バテンカイトス)」

多くのアニメーションMVを制作し、総再生数1億回を優に超える比類なきアニメーション作家 Wabokuと数々の人気アニメ作品を生み出しているA-1 Pictures・アニプレックスが初タッグを組む、アニメーションMV制作プロジェクト「BATEN KAITOS(バテンカイトス)」。

強力なアニメ制作タッグに加え、人気急上昇中のアーテイスト Eveの協力を得て、新たな物語を創り出します。

【プロジェクトタイトル】
-Animated Music Video Project-
Waboku × A-1 Pictures
「BATEN KAITOS」+Eve

【“Waboku”とは?】
アニメーションMV制作やイラストレーションで活躍する新進気鋭のアニメーション作家。
彼からしか生まれない独特な世界観と、見るものを釘付けにする演出力で注目される。代表作としてEve『お気に召すまま』『トーキョーゲットー』、ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』などのMVを手掛け、いずれの動画も圧倒的な再生数を記録している。

【公式Twitter】
BATEN KAITOS公式Twitter(@Baten_Kaitos_MV)
Waboku公式Twitter(@waboku2015)

(C)BATEN KAITOS Project
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