声優・小野大輔さんがセガ・光吉猛修さんと『バーニングレンジャー』を熱く語り合う！『「ファンタシースターオンライン２　エピソード・オラクル」〜アークスシップの炎渦〜』発売記念対談

アッシュだからこその原曲キー

——光吉さんは今回、小野さんが歌唱された『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』をお聞きになって、いかがでしたか？

光吉：先ほど小野さんは「キャラクターソングもキャラクターとして歌う」と言っていましたが、今回もアッシュを演じながら歌われていましたよね。『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』って、僕でさえキーが高い部分は大変なんです。しかも今回、小野さんは原曲キーそのままで歌われていて。なので、メチャクチャ大変だったと思うのですが……？

小野：いやもう、大変でした（笑）。

光吉：しかもすごく上手い！　“FLY HIGH　飛び立て”のところ、裏声になるのもセクシーで良かったです。自分もそうしようかと思いました。

小野：うわぁ……うれしい……。大学時代の僕に聞かせてやりたいです。ファルセットでしかあのキーが出せないこともあり、アッシュが自分なりにアレンジしているという形です。そういったところに気づいていただいて、しかも光吉さんから直々に評価をいただいて、役者冥利に尽きます。

——きっとキーを下げることもできたと思うのですが、あえてそうしたのでしょうか？

小野：そうです。ディレクターさんにも「キーを下げたほうが良い」と提案されました。基本的に僕は声が低めなので、オリジナルソングではキーを調整させてもらうことも多いです。ただ、今回のドラマの中で、アッシュは“バーニングレンジャー”に憧れている、ということが語られているんです。つまり、アッシュはあの『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』を聞いて育ってきたはずです。

そこでキーを変えると、原曲とはニュアンスが変わってくる。あの『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』を聞いてきたんだからこそ、そのままの『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』をアッシュは歌いたいはず。彼なりのアレンジも入れつつ、一生懸命歌っている姿を演じたかった。もちろん下げたほうが楽だったのですが、それは違うと思って。

光吉：すごくその気持ちが伝わってきました。まさにアッシュだと思います。

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——今回のCDには、光吉さん歌唱バージョンも2種類収録され、まさに『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』を大フィーチャーした1枚となっていますが、光吉さんはどう感じていますか？

光吉：『バーニングレンジャー』は23年前のタイトルで、まさか僕も23年間この歌を歌い続けるなんて、もう想像もしていませんでした。さらに今は『PSO』シリーズのBGMや、セガの音ゲー各タイトルにも収録されたりしていて、すごい広がりをみせています。そして今回のCDが発売と、まさに開発者冥利に尽きます。

小野：23年経っても色褪せない名曲ってすごいですよ。そもそも『バーニングレンジャー』は随所にジャズが取り入れられていて、当時遊びながらに「なんてオトナなゲームなんだ！」って感激してました。熱いゲームに、オシャレなBGMを取り入れるってところがすごくて。普通はもっと激しい曲にしそうなのに。そこがセガらしいと言いますか。

光吉：セガは何事にも全力投球ですから。ちなみに歌のバックトラックの演奏は全部ニューヨークのミュージシャンで収録されています（笑）。

小野：ええ!?　それもセガらしい（笑）。

——たしかに（笑）。今回、光吉さんの歌といっしょに1枚のCDに歌が収録されることについて、小野さんはどんなお気持ちですか？

小野：光栄かつ恐縮すぎて、“バーニングレンジャー”に火照った顔を消火してほしいです。実は昔、キャラクターソング自体の存在意義を考えたことがありました。歌を歌わなそうなキャラもいるのに、って。でもいまはキャラクターソングって良いなと思うようになっていて。

というのも、アニメ作品ってじつはそんなに何回も見てもらえるわけじゃないんですよ。もちろん何百回だって見るという人も世の中にはいると思いますが。ただ、大半の人はそこまで全編くり返して見るわけではないと思うんです。ですが歌なら一回5分。いつでもどこでも何回でも聞いてもらえる。同じ曲でも飽きずに聞けてしまう。歌って、エンターテインメントとしてすごいなぁと改めて思います。

キャラクターソングというのは、何年経ってもいつまでもそのキャラクターのことを感じてもらえる、素晴らしい手段なんだと思うようになりました。ですから、このCDを今後何度も聞いてもらえるんだなと思うと、役者冥利に尽きますし、ソニックチームファン冥利に尽きますね！　

——なるほど！

小野：ソニックチームと言えば歌詞の“Sight of night I cheer to embrace a magic”の頭文字を取ると“SONIC TEAM”になるっていうネタ、僕好きなんですよ。歌うのは難しいですが。

光吉：わかります。僕、ちゃんと発音してないと思います（笑）。

小野：（笑）。僕の楽曲のひとつに『だいすき』という曲がありまして。僕が作詞したんですが、作詞をやったことがなかったのでかなり悩みました。あるときふと「そうだ、縦読みで“だいすき”って読めるようにしよう」って思いついて。今考えれば『Burning Hearts 〜炎のANGEL〜』から着想を得てるんですよね。

——そこまで影響を受けていたんですね……！　ちなみに、小野さんから光吉さんに聞いてみたいことってありますか？

小野：仕事を通して、光吉さんにとっての幸せって何なのか、聞いてみたいです。

光吉：歌でも曲でも何でもいいですが、自分から出たものが、ほかの人たちに何かしらの影響を与えて、自分のやったことは間違ってなかったんだなって、答え合わせができる瞬間ですね。それが歌なのかゲームなのか、それとも芝居なのか、いろいろあると思います。ライブで盛り上がってくれたとか、楽しかったって言われるとすごくうれしいです。

ゲームの仕事って、本当に世の中の役に立ってるんだろうか、と一時期考えたこともあるんです。ですが、小野さんが『バーニングレンジャー』に影響を受けたように、「ああ、僕のやったことは正しかったんだ」と思える日が、いちばん幸せですね。

小野：なるほど！　答え合わせ。素敵です。もう、今日はお腹いっぱい、胸いっぱいです。

——それでは最後に、CDをこれからお聞きになるファンの方々へメッセージをお願いします。

光吉：このCDは僕にとってのご褒美です。小野さんが熱い思いを持っていたからこそ実現したCDですので、それをぜひ堪能してください。

小野：『バーニングレンジャー』は20年以上経っても、大好きでいられる作品だったんだなと、いま改めて実感しました。このCDを聞いた方々が同じ気持ちになってくれていたら、すごくうれしいです。『バーニングレンジャー』が好きな人は絶対に各所でニヤリとすると思います。ぜひ楽しんで聴いてください！

[取材・文／西川くん]

光吉猛修（みつよし たけのぶ）とは

1990年、株式会社セガ・エンタープライゼスに入社。
現在は株式会社セガ ゲームコンテンツ＆サービス事業本部 第2事業部 第2サウンドセクションに所属。代表作としては「デイトナUSA」、「シェンムー 一章 横須賀」、「WCCF」シリーズ等。直近の担当は「CHUNITHM（チュウニズム）」「Maimai」「オンゲキ」の各音ゲータイトルに関わる。
また、「バーチャファイター」シリーズの忍者キャラクター、影丸の声(VF2を除く)を始め、声優としてセガのゲームタイトルへ声の出演も多い。
その傍ら、SST BAND、B-Univ、Sega Sound Unit [H.]を経て現在ソロ活動にてセガ関連プロジェクトでは各種音ゲー、PSO2での歌手としても活動も精力的に活動中。

Twitterアカウント：光吉猛修(Takenobu Mitsuyoshi)@SEGA（@Take_SegaCorp）

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PSO20周年記念CD「ファンタシースターオンライン２　エピソード・オラクル」～アークスシップの炎渦～

発売日：2021年4月28日(水)
品番：FFCP-0047
価格：2,200円（税込）
発売元 株式会社フロンティアワークス
販売元 株式会社フロンティアワークス

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＜収録内容＞
1.ドラマ「アークスシップの炎渦」
2.Burning Hearts ～炎のANGEL～/アッシュ（CV:小野大輔）
3.Angels With Burning Hearts/光吉猛修
4.Burning Hearts ～炎のANGEL～ 2021 Re-Edit/光吉猛修

＜出演＞
アッシュ（CV:小野大輔）
マトイ(CV:佐藤聡美)
アフィン（CV:下野 紘）
リード(CV:関 智一)
光吉猛修 ほか

【特別生産特典】
▼アイテムコード
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