音楽
声優・楠木ともり 2nd EP『Forced Shutdown』インタビュー

声優・楠木ともり 2nd EP『Forced Shutdown』インタビュー|サウンド面、そしてボーカルも聴きどころ満載

声優・楠木ともりさんによる、2nd EP『Forced Shutdown』が2021年4月28日(水)にリリースされる。今回の4曲は、すべて楠木さん自身が作詞・作曲(一部作詞は共作)をしていて、音の細部に至るまでこだわりにこだわって作り上げていることがよく分かる1枚だった。このサウンドをどうやって作り上げていったのか、サウンド面のアプローチを中心に語ってもらった。ぜひ収録されている4曲を続けて一気に聴いてみてほしい。その世界観にどっぷり浸れるはずだ。


 

ラジオのパーソナリティをやっていることで音楽にアンテナを張り続けることができている

――2020年は声優としての活躍も目覚ましかったので、少しだけ声優のお話を聞きたいと思います。TVアニメ『遊☆戯☆王SEVENS』は、長いクール続く作品ですので、また違う経験をしているのではないですか?

楠木ともり(以下、楠木):ひとつの役に長く向き合っていられるので、やりたいこともどんどん増えていくんです。1クール作品は、チーム感が出てきて慣れてきたなと思ったときに終わってしまうので。長く続くとキャラクターへの愛着も一層湧きますし、近所のお兄ちゃんや弟くんたちに囲まれて、楽しくやれているような感じがしています。

――TVアニメ『魔王学院の不適合者』や『デカダンス』もそうですが、良い先輩が周りにいて、演技の幅も広げていっているなという感じがしました。

楠木:デビュー時から素敵な現場に巡り合わせて頂いています。『魔王学院の不適合者』ではアノス役の鈴木達央さんが現場を率いてくださっているので、それについていくぞ!という感じでした。私の演じたミーシャは落ち着いた役で、周りのアプローチによってお芝居が変わることはあまりなかったのですが、それだけに繊細なところを求められるので、周りのお芝居をよく聞くようにしていました。

 

 

『デカダンス』では、カブラギ役の小西克幸さんが後ろから支えてくださっていた印象です。演じたナツメは感情表現が豊かで、カブラキ組長の言葉に対してどう応えるかが重要だったんです。一緒にアフレコをして、良いテイクを引き出してもらえました。

 

――やはり掛け合いできることは大きいですよね。家で一人で練習しているものとは違うものが出てきますし。

楠木:全然違いました! テストから練習していたものとは違う芝居が自分からできていたので、すごく楽しかったです。

――個人的に聞きたかったのは、TVアニメ『魔女の旅々』のセレナ役でした。こういう引き出しもあるのかと驚きました。

楠木:こういう振り切った役をずっとやりたいと話していたんです。それは声優になる前からの夢で、今回お話をいただいて、任せてもらえたという喜びと、目指していたからこそのプレッシャーがありました。家でチェックをしているときは不安でしたが、マイク前に立ったら、内山夕実さんをはじめとする周り先輩方の演技もあって、ガチッとスイッチが入って、正直あまり記憶がないんです(笑)。

気持ちを理解するのが難しいキャラクターなので、それを出すには自分を捨てるしかない!と思ってマイク前に立った結果、アドレナリンが大量に出て、台本を持つ手が緊張ではなく震るという……(笑)。膝もガクッガクになりながらやったのは、初めての経験でした。

 

 

――その結果、とても印象に残るエピソードになりました。

楠木:皆さんから、クレジットを見るまで分からなかった、印象が変わったなどとお褒めの言葉も頂けたので、がんばって良かったです。本当に昨年はいろんな役にアプローチができたし、幅も見せることができた1年で、周りの方からの反応の変化も感じられたのは嬉しい出来事でした。

――それが今年の出演作品にも繋がっている感じはします。そのほかの活動では、どんなことが印象に残っていますか?

楠木:たくさんありますが、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』で演じている宵崎 奏が、今までになかったテイストの重いキャラクターで、皆さんからの評判も良いんです。私自身もボカロが好きで、軽音楽部の時にボカロ曲をカヴァーしたこともあったので。自分自身の思い入れも相まって、演じていて、歌っていてとにかく楽しいです。

他の活動ではラジオ番組『楠木ともり The Music Reverie』と映像レギュラー番組『楠木ともりを灯せていますか?』です。『The Music Reverie』は私が音楽を好き、ということをちゃんと発信できていますし、自分が聴いたことのない音楽にも出会えます。自分でアーティストを探そうと音楽にアンテナを張り続けることができているんですよね。それが私にとっての良い影響になっていると思います。

――ラジオの『The Music Reverie』では、楠木さんのルーツだったり好きな音楽を知ることができますが、そのルーツが、今回の2nd EPにもつながっている感じがしました。

 

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