音楽
ささきいさおデビュー60周年記念SPインタビュー【第3回】

夢に酔いたい人が多いんじゃないかな。それもちょっと理屈がある夢に――ささきいさおさんが語る、年齢や性別を超えてみんなに夢を見せてくれるアニソンの魅力│デビュー60周年記念スペシャルインタビュー【第3回】

「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などアニソンの名曲や特撮ソングを数多く歌ってきたアニソン界のレジェンド、ささきいさおさんが2020年にデビュー60周年を迎えました。そんなアニバーサリーイヤーに、『ささきいさお デビュー60 周年記念スペシャルライブ』開催をはじめ、3月からスタートした『機界戦隊ゼンカイジャー』の挿入歌「全界合体!ジュラガオーン」を、「アニソン界の女王」こと堀江美都子さんとデユエットするなど精力的に活動されています。

ささきさんのデビュー60周年を祝して、アニメイトタイムズでは約100分に及ぶロングインタビューの模様を3回に亘ってお送りしています。

Part.3となる今回は、過去から現在に至るまでのアニソンシーンを振り返りつつ、多くの人に愛されるアニソンの魅力、アニソンシンガーを目指す方へのメッセージなどおうかがいしました。

▼バックナンバー
第1回 「アニソン界のレジェンド」が歩んできた軌跡と今、そして未来を語る!
第2回 『ヤマト』と共に浮上してきた“アニソン界のレジェンド”の隆盛!

当時は珍しかった、大人っぽいアニソンの『ヤマト』がヒット! 戦隊シリーズのプロデューサーとの意外な出会いとは!?

――第1・2回ではささきさんの活動について振り返っていただきましたが、今回は現在のアニソンシーンについてお聞きしたいと思います。ささきさんがアニソンを歌い始めた時から現在までのアニソンシーンで変化を感じた点や変わらないと思われたことは?

ささきいさおさん(以下、ささき):僕がアニソンを歌い始めた頃にはアニソンという言葉もまだなかったし、アニメもテレビまんがと言われて、子供向けのものと思われていました。

「宇宙戦艦ヤマト」はそれまでになかった大人っぽい歌なのにヒットして。ED曲の「真赤なスカーフ」だって子供に聞かせるような曲じゃないし(笑)。

――大人っぽい曲が増えた背景には大人っぽいアニメが増えたこともあるかと思います。『科学忍者隊ガッチャマン』や『破裏拳ポリマー』などタツノコプロ作品も子供には難しい作品だったような。

ささき:僕はむしろそういう理屈っぽい作品が好きだったし、ED曲はその作風がダイレクトに出ていたので、ED曲のほうが好きでした(笑)。

ただ『宇宙戦艦ヤマト』も視聴率的にはさっぱりで、打ち切りに近い状況だったけど、コアなファンの人たちが支えてくれて、いまだに続編がリリースされていて。ある種、マニアックで濃い部分がないといけないのかなとも思いました。

でも「宇宙戦艦ヤマト」が万人に受け入れられたことで大人っぽい曲が増えて、そうしたら子供がついてこなくなっちゃって。ゴールデンタイムの放送だったことで視聴率を気にしなくてはいけない部分もあっただろうし。

ちょっと話はそれるけど、『ウルトラセブン』、『怪奇大作戦』という当時の視聴率30%の人気作品の後番組の主役のオファーが来たことがありました。「不器用な人で、ゲーリー・クーパーみたいな役者にやってほしい」と。『妖術武芸帳』というドラマですごく難しい作品になってしまって、視聴率が18%に落ちてしまって、1クールで打ち切りになって。

でも、いまだに好きだと言ってくれるマニアの方は少なくないんです。ちなみにその作品のプロデューサーが『仮面ライダー』シリーズや『キカイダー』シリーズなど手掛けた平山 亨さんで、『秘密戦隊ゴレンジャー』も制作されています。

すごく責任を感じていたようで、後にお会いした時、「ささきさん、歌が当たってよかったね」と言っていただきました。

――すごい縁ですね。大人っぽい路線のアニソンからどう変われたのでしょうか?

ささき:大人っぽい路線から「また戻そう」となったのが「すきだッダンガードA」(『惑星ロボ ダンガードA』OP曲)。自分自身は大人っぽい歌を歌ってきたし、好きだったけど、何とか対応できたのは僕が子供っぽかったからかも(笑)。その頃からどう作ったらウケるかなと試行錯誤していた気がします。

そして影山(ヒロノブ)君みたいなロックタイプのシンガーが登場して。僕らは歌詞を歌い込んだけど、ロックの人たちは歌詞も音にしちゃうから全然違う表現なんですよね。アニメファンもコブシを振り上げたり、一緒に熱唱する人が増えて、時代が変わったなと。

それ以降になるとどんどんロック寄りになっていって、ライブのノリも変わっていったので、アニソンもライブを意識した曲作りになって、まったく傾向が変わった気がします。でも取り残されたという感覚ではなく、吉田 正先生も「今の時代は歌が変わって、僕には書けない。だから僕に書ける歌を書くんだ」とおっしゃっていましたが、僕も同じ心境で、「歌えない歌を無理に歌ってもしょうがないから歌える歌を歌おう」と。

そういう世代の変化を、今まで2回くらい感じました。エルヴィス後にビートルズが現れて、世界の音楽シーンがガラりと変わったし、むしろ変わらないとおかしいし。

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