「問答無用にアガる曲に」――ナナヲアカリの新章を色鮮やかに彩る、超高速HIPHOPチューン『平穏世代の韋駄天達』エンディング・テーマ「雷火」と、初めての王道恋愛ソング「魔法」をリリース！　4thシングル「雷火/魔法」インタビュー

「kouさんのイラストがカルチャー感を出してくれた」

――「雷火」で特に聴いてもらいたいポイントというのはどんなところでしょう。

ナナヲ：イノタクさんと録ってるときに「ここだろ」って話になったのが、2番のラップのテイクで。そこからラスサビにかけてはぶちアガっていくので、聴いていて飽きないんじゃないかなと。1番だけ聴いてもカッコいいんですけど全体を通して、目まぐるしい展開になるので、フルで聴いて欲しいです。

――聴いててテンションあがる部分もありつつ、歌詞カードを見るとグッとくるところもあって。しかもアニメで見たときとフルで聴いたときとでまったく違う印象がある。個人的にパッケージの意味というのも改めて感じさせました。

ナナヲ：そうなんですよね！　そこが二度美味しい部分なのかなって。しかも、よく読むと歌詞がいいなって違った見方もしてもらえるので。

――ナナヲさんの楽曲というとコミカル×ロックのような印象があったんですが、「雷火」はこれまでのナナヲさんのイメージを一新させるようなスタイリッシュさで。新しい方向性を示す楽曲でもあるのかなと思ったんですが、ナナヲさん的にはどのように考えられていたんでしょうか。

ナナヲ：歌詞には＜あっちゃー！＞＜あっかーん！＞とか、気が抜けるような言葉も散らばっているのでコミカルな要素も残っているとは思うんですけど、イノタクさんのEDM要素が入っているから、スタイリッシュな印象を受けてもらえるのかなと思います。それに加えて、今回初めてイラストを起用させていただいたkouさんの影響も大きいと思います。kouさんのイラストがカルチャー感のようなものを引っ張ってくれてるのかなと。ナナヲの新しい一面を表現するにあたって手助けしてもらったんだろうなと思います。

――MVについては後ほど詳しくおうかがいできればと思いますが、kouさんのイラスト、すごくカッコいいですよね。ナナヲさんからのオファーだったんですか？

ナナヲ：そうです。kouさんのイラストがすごく好きで。「雷火」というタイトルを見て、曲を聴いたとき「カッコいい女の子が主人公でしょ！」と思って。それでkouさんにオファーさせていただいたら快諾していただきました。

――今回“歌ってみた”も盛り上がると思うんですが……難しい曲ではありますけども。

ナナヲ：盛り上がるかなぁ！(笑)　挑戦してもらいたいです！　

――シングルにはベースレス、ギターレス、ドラムレスもそれぞれ収録されているので “弾いてみた”も期待したいですね。“歌ってみた”であれば、コツはありますか？

ナナヲ：リズムに乗るのが大前提で。あとはトップの音をどれだけ正確に出せるかというか、トップに辿り着けるかってところが勝負になるのかなと。男の子であれば1オクターブ下くらいでちょうどいい高さになるかもしれません。平均からすると高い曲だと思うので、女の子が原曲で歌う場合は「がんばって！」という感じです。

初の王道恋愛ソング「魔法」

――もうひとつのタイトル曲「魔法」は「雷火」とはまったく異なる印象の曲で。

ナナヲ：同じ漢字二文字のタイトルなんですけど、すごく対照的な印象を与える曲・言葉になったんじゃないかなと。

――では「魔法」について詳しくうかがえればと思います。「魔法」はマンガ『山田くんとLv999の恋をする』とのコラボレーションソングですが、どのような経緯で制作がはじまったんでしょうか？

ナナヲ：GANMA!さんから『山田くんとLv999の恋をする』とのコラボレーション企画のお話をいただいて、そこから制作をはじめた感じなんです。『山田くんとLv999の恋をする』はすっごく幸せな気持ちになる作品で……(ヒロインの)茜がめちゃくちゃいい子で……というか「どんなだけ良い子なんや！」って(笑)。茜と山田くんとの恋愛を描くにあたって「恋愛ソングといえば、DECO27先生」と思い、DECO27さんに作詞・作曲をお願いしました。

――さらにおふたりと親交が深いRockwellさんが編曲に加わり、「七転七起」などでもお馴染みのメンバーに。

ナナヲ：そうなんです。Rockwellさん、こんなにキラキラしたポップスもできるんだ！って驚きました。生のストリングスが入るのは初の試みなので、曲調としても新鮮でした。
最初にストリングスの入っていないバージョンを聴いていて。生ストリングスが加わった瞬間に「ゴージャス！」って叫びました(笑)。音に厚みが出て、煌びやかさに拍車が掛かった印象があります。

――キラキラしてますよね。ある意味王道感のある曲で、それがすごく新鮮でした。

ナナヲ：山田くんとのコラボじゃなかったら生まれなかった曲だと思います。せっかくコラボでこういった王道恋愛ソングを作れるのであれば、今までやってこなかったザ・J-POP感のあるものを作ってみたいなって。DECO*27さんもマンガを読んでくれたので、リンクする歌詞もたくさん登場しています。

――DECO*27さんもは作品についてなんとおっしゃっていましたか？

ナナヲ：「すごくためになる！」「すごく良い」って(笑)。マンガを読んでいく中で「ここのシーン入れようかな」って、絆創膏のシーンを入れたり、フィクションを混ぜたり。「雷火」は速さで曲で寄り添っていますが、「魔法」は、歌詞も含めて全て寄り添っているようなイメージです。

――歌い方やコーラスもすっごくかわいいですよね。初々しい雰囲気というか。

ナナヲ：歌い方に関しては「クセ少な目で」というディレクションを受けて。ナナヲ的には、自分の歌い方をクセとは思ってなくて(笑)。シャクったりとか、発音だったりが独特らしいんで、そこをあえて抑えてっていうのが難しかったです。

――そうした努力が実を結んだということもあるのかもしれないんですが、結果的に、一つ一つの言葉をより大切に歌っているイメージがあるんです。そのあたりはどうでしょうか。

ナナヲ：そうかもしれません。DECO*27さんのボーカルディレクションがすごく分かりやすくて。例えば＜一歩一歩大切にしなくちゃな　一歩一歩 大切にしなくちゃなちょっと焦って 距離間違えちゃうけど＞という出だしのところは「言葉を置いていく感じで、伸ばさなくていいよ」「もうちょっと跳ねる感じでもいいよ」って。