マーベル映画最新作『シャン・チー／テン・リングスの伝説』日本版声優 細谷佳正さん＆内田真礼さんが作品の魅力をご紹介！「マーベル・スタジオ作品のファンは絶対見た方がいい！　最後の最後まで席を立てない。劇場を後にできない展開になっています！」

お二人の今も胸に響く言葉

――本作では、父からの教えや葛藤、戦いなどが描かれている作品ですが、お二人が尊敬する人物や師匠的な人物から受けた教えや言葉で印象に残っていることはありますか？

内田：私は音楽活動もしてまして、その中で、ライブもするのですが、横浜アリーナという大きなステージへ複数人で出た時に、いつも一緒にいるスタッフさん、プロデューサーの方に言われた言葉が印象的でした。

当時、私はまだデビューしたてで、その時はステージからではなく、ファンのみなさんがいる場所から客席やステージを見渡しながら、プロデューサーの方が「君のファンは、このぐらい（エリアの一角）だから」と言われたんです。

横浜アリーナは、1万2000人ぐらい（最大収容人数1万7000人）入るのですが、100人ぐらいのエリアの一部のことを言われた時に、大きな場所に来たつもりだったのに、すごく孤独な感じがしました。

その言葉は私が音楽活動をしていく上で、とても大きなものになって、「いつの日か横浜アリーナで自分ひとりのワンマンライブをしたい」という目標になったんです。

1万2000人の中の100人というのは、ものすごく少ないですよね。私はその言葉が自分への励ましというか、「初心を忘れずに頑張ろう！」という意味で、心にすごく残っています。

――当時、その言葉を聞いた時はショックでしたよね？

内田：ショックだったので、その時に出たライブのMCでは「敵地に来てしまいましたが、怖いですけど、頑張ります！」って言っちゃったんですよ（笑）。

一同：（爆笑）。

細谷：何て純粋な……（笑）。信じてるじゃないですか！

内田：当初は本当に怖かったのですが、あの言葉をプロデューサーの方に言ってもらえて良かったなと思っています。

細谷：めちゃくちゃ良い話ですね。

――細谷さんはいかがですか？

細谷：僕の師匠と思っている人は、高校の世界史の先生です。その先生が演劇部に僕を誘ってくれたので、今僕はこの仕事をしていると思っています。

高校時代なので、舞台のビデオとか、今のようにネットで情報を得たりとかというのが難しい時代でした。ただでさえ田舎だったので、そういうものが手に入りにくかったんです。そんな中で、お手本にするのは演技経験者だった先生です。先生をずっと見ていて、「先生みたいになりたいな」という思いがありました。

そして高校を卒業する時に、僕がこの仕事をするというのも、その先生が応援してくれていて、演劇部の後輩たちが寄せ書きメッセージをくれたんです。その時に、みんなカラーペンで書いてくれたんですけど、先生だけ黒のペンを使って「弟子は師匠を超えるもの」と書いてあったんです。

そこから時間が経ち、陽に当たって、蛍光ペンなどで書かれた寄せ書きメッセージが全部消えていく中、先生が書いてくれた黒字のメッセージだけはくっきりと残っていて（笑）。それがずっと印象に強く残っていますね。

――最後まで素敵なお話でした。ありがとうございました！

［取材＆文・宋 莉淑（ソン・リスク）］

映画『シャン・チー／テン・リングスの伝説』作品情報

2021年9月3日（金）全国公開
原題：Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings

ストーリー

マーベル・スタジオの新時代の幕開けを担う、新たなヒーローが誕生。悪に染まった父から授かった最強の力を封印し、二度と戦わないと誓った男、シャン・チー。父が伝説の腕輪《テン・リングス》を操り世界を脅かす時、シャン・チーは自らの力を解放し、宿命の敵となった父に立ち向かえるのか？　自らの運命に葛藤しながらも過去と向き合い、運命を受け入れ、“本当の強さ”に目覚めていくシャン・チーを描いたドラマチック・アクション・エンターテイメント。

スタッフ

監督：デスティン・ダニエル・クレットン（『ショート・ターム』、『黒い司法 0%からの奇跡』他）
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン

キャスト

シム・リウ
トニー・レオン
オークワフィナ
ミシェル・ヨー

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