掘れば掘るほどいい曲が盛りだくさん！アニソンシーンでも勢いを増す「歌い手」の魅力とは？【歌い手を知ろう！・連載第1回】

アニメ主題歌も担当する「歌い手」を紹介

読者のみなさんとも関わりの深い「アニメ主題歌」を担当している歌い手も多くいます。調べてみると「え、この人も歌い手だったの！？」「今人気の歌い手、このアニメの主題歌を担当していたの！？」という驚きも。今回はそんな中から、5組の歌い手をピックアップしてみました。

藍井エイル

『Fate』シリーズや『ソードアート・オンライン』シリーズなど、数多くのアニメ主題歌を担当している藍井エイルさん、実は歌い手としての活動がはじまりでした。2010年10月に「Eir （エイル）」名義でニコニコ動画へ歌ってみた動画を投稿。力強い歌声と圧倒的な歌唱力で、「期待の新人」というタグがつけられるほど話題に。当時は顔を半分隠して活動をしていたことから、「顔全ては晒さない“謎の美少女ボーカル”」というキャッチフレーズがつけられていたそう。

そして、歌い手として活動を開始した2011年10月にアニメ『Fate/Zero』のエンディングテーマ「MEMORIA」でデビューを果たします。

Eve

アニメ『呪術廻戦』のオープニングテーマ「廻廻奇譚」がロングヒットとなり、一躍人気を博したEveさん。2009年10月にニコニコ動画へ歌ってみた動画を初投稿しています。2015年からは自身で作詞・作曲を手掛けるようになり、初めて自身がすべての楽曲を作詞・作曲したアルバム「文化」（2017年12月発売）はオリコンインディーズチャート1位を記録。独特の世界観が織りなす楽曲は中毒性が高く、歌い手時代から多くの人を魅了してきました。

2019年2月にメジャーデビューを果たし、同年6月に配信した「闇夜」はアニメ『どろろ』のエンディングテーマに。自身初のアニメ主題歌の担当になりました。

浦島坂田船

ニコニコ動画などで生放送を行う「生主」出身の歌い手、うらたぬきさん・志麻さん・となりの坂田。（あほの坂田。）さん・センラさんの4人組男性音楽ユニット浦島坂田船。2013年に結成し、歌ってみた動画をはじめ声真似やニコ生、ゲーム配信などマルチに活動しています。また、個々での活動を精力的に行いながら、グループでも活動をするという幅の広さ。一人ひとりの個性が強く、歌声も異なる“イケメンボイス”を持っています。

2016年3月にメジャーデビューし、2017年にはアニメ『スタミュ』のオープニングテーマ「SHOW MUST GO ON!!」をリリース。また、2019年にはメンバー自身が声を担当したショートアニメ『浦島坂田船』がTOKYO MX他で放送されるなど、デビュー後もマルチに活動を続けています。

そらる

2008年からニコニコ動画で歌い手として活動をはじめ、歌い手の中でも歴が長いそらるさん。VOCALOID楽曲の歌ってみた動画を中心に投稿するかたわら、数多くの楽曲のMIXを自身で手掛けています。包容力のある優しい歌声や楽曲のMIXセンスなど、多面的な才能から多くのファンを魅了しています。

そらるさんが最初にアニメ主題歌を担当したのは2013年。アニメ『ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生 The Animation』のエンディングテーマ「絶望性:ヒーロー治療薬」で、スズムfeat.そらるとして歌唱を担当しています。そらる名義での代表曲「銀の祈誓」は、アニメ『ゴブリンスレイヤー』のエンディングテーマに起用されました。

まふまふ

「第72回NHK紅白歌合戦」の出場が決まり、大きな話題となったまふまふさん。歌い手の中ではTwitterのフォロワー数がダントツに多く、その数なんと200万人超え（2021年12月時点）。2010年12月に歌ってみた動画を投稿し、まさに「両声類」とも呼ばれるハイトーンボイスで人気を博しました。2012年にはボカロPとしても活動をしており、歌唱・作詞・作曲・編曲・演奏・エンジニアリングを一人でこなすことも多いようです。アニメやゲーム作品、アーティストなどに楽曲提供を行うことも。

2019年リリースの「サクリファイス」は『かつて神だった獣たちへ』のオープニングテーマとして、単独名義では初のアニメタイアップ楽曲に。現在放送中のアニメ『takt op.Destiny』のオープニングテーマ「タクト」も歌い手のgakuさんとともに担当しています。

また、そらるさんとまふまふさんは「After the Rain」というユニットを組んでおり、そちらでも精力的に活動をしています。2019年には楽曲「1・2・3」がアニメ『ポケットモンスター』のオープニングテーマとなり、2020年には西川貴教さんとゴールデンボンバー・鬼龍院翔さんのコラボユニット「西川くんとキリショー」が、2021年には乃木坂46の生田絵梨花さんと松村沙友理さんのユニット「からあげ姉妹」が同曲の“歌い継ぎ”をしています。

「歌い手」は奥が深い！

知れば知るほど、とにかく奥が（沼が）深いのが歌い手です。今回ご紹介した歌い手もほんの一部でしかありません。今現在も新たな歌い手が誕生しています。数が多いという意味での奥の深さだけでなく、一人ひとりの多面的な活動内容や才能など「個性の濃さ」という奥の深さもあるのです。

そのため、楽しみ方も自由自在。例えるならば、ビュッフェのようなもので、好きなものを永遠に食べ続けるもよし、いろんなものを少しずつ食べるもよし。いろんな楽しみ方ができるジャンルだなぁと感じました。

今後も歌い手一人ひとりを学び、魅力を深堀りしていく予定ですので、ぜひ一緒に学んでいってください！　そして、歌い手上級者のみなさんからはそれぞれの楽しみ方や好物（好きな歌い手）をレクチャーしてもらい、学びを深めていきたいと思います。引き続き「歌い手を知ろう！」にお付き合いいただけたら嬉しいです。それでは！