音楽
熊田茜音1stアルバム「世界が晴れたら」リリース記念インタビュー

声優&アーティスト・熊田茜音さん1stアルバム「世界が晴れたら」リリース記念インタビュー|自分自身をさらけ出し、ストレートな気持ちを歌った楽曲が満載! バラエティ豊かな作家陣にも注目

初作詞の「くらげ」は曲調から浮かんだくらげと自身との共通点をイメージ。初失恋曲「濃い藍、油性の恋」は一般公募で決まった女子大生が作詞!?

――ご自身で作詞された「くらげ」はどんなテーマやイメージで制作されたのでしょうか?

熊田:作詞は初めてで、最初は思い浮かんだ言葉をただ書き記しているだけでしたが、作曲して下さった宮崎まゆさんに「初めて思ったことは大切にしたほうがいいよ」や「何を伝えたいのかを明確にすると違う角度から言葉が出てくるかも」といったアドバイスをいただいたり、音のハマりなど分からないことはスタッフさんに聞いたりしながら歌詞を作っていきました。

いただいた曲を聴いたら「くらげみたいだな」と感じたので、くらげの生態に調べたところ、泳ぐというよりも波に漂っていると知り、自分と似ているなと思いました。「私も自分で選びながら進んでいるというより、流されたら知らない場所にいるな」と感じたところから浮かんだのが「気づいたら(また違う)場所になぜかついてるんだ 変わりたい(変わるんだ)自分でえらんでいく未来」でした。

また、作詞に行き詰まった時、「どんな色の曲にしたいんだろう?」といろいろな写真を探していく中で、ある空の写真が見つかったんです。そこから雨上がりのぼやっとしたところから徐々に晴れてきて、最後は虹がかかって希望が見えてくる流れにしたいなと思い、結果的に色や温度感を大切にした歌詞になりました。

――サウンドはシティポップっぽく、今まで歌われたことがない曲調だったと思います。

熊田:こういうサウンド感の曲をいつか歌ってみたいなと思っていたので、私から歌いたい曲調の1つとして提案させていただきました。作詞と合わせて、初挑戦尽くしの曲でした。

――「濃い藍、油性の恋」は、ウダノゾミさんと 佐伯youthKさんによる青春恋愛MVプロジェクト第2弾で、一般公募で選ばれた現役女子大生が改めて作詞されたそうですね。

熊田:今まで歌ったことがない「失恋」がテーマになっています。私は、失恋する時って、余裕がなくて視野が狭くなっている時で、自分も相手も傷つけてしまう気がすると思っていて。大きな亀裂が別れのきっかけになってしまったら、望んでも戻れないし、やり直せないから苦しいんですよね。

また、「失恋」というのは振られた時でも別れた瞬間でもなく、相手の中で自分の存在が小さくなったり、逆に私の中で相手の存在が小さくなってしまった時だと思っています。そういったニュアンスをお伝えしたら、この歌詞が届いたのでぐっときました。

――「心に刻みついた油性の恋 水性みたいに滲んでいけばいいのに 塗り重ねた重い想い」などの表現は独特で、大人びた歌詞だなと思いました。

熊田:歌詞を読んでいるとどんどん胸が苦しくなっていくんですよね。「作詞をしてくださった3∀9(サク)さんはこんなにつらい想いをしたのかな?」と心配になってしまいました(笑)。3∀9さんは作詞が大好きで、ノート5冊分くらい書き溜めているとお聞きして熱量を感じました。言葉のチョイスも秀逸ですし、全力でぶつかってくる若さや瑞々しさもあって素敵ですよね。

レコーディング前(※取材時点)ですが、この歌詞を歌うのはきっと苦しいだろうなと、既に身構えています(笑)。

余談ですが、青春恋愛MVプロジェクト第1弾で作詞してくれた、当時高校1年生の伝書鳩さんはレコーディングにご両親と来ていて、「お姉さんっぽく、いいところ見せないと」と気負ってしまったんです。今回も3∀9さんが来てくださるようなので、泣かないようにしないと。初めて立ち会ったレコーディングで歌い手が号泣しているのを見たらトラウマになりそうですからね(笑)。

ZAQさん作「drizzling」はアルバム裏テーマの「もやもや」を発散。「Elpis」は過去や記憶との向き合い方を激しいロックで

――同じレーベルの先輩、ZAQさんが作詞・作曲した「drizzling」の曲名の意味は「霧雨」で、「ハッピーエンドは煙に巻かれて今は見えないよ でもすぐにほらきっとすぐに会えるさ」など希望を感じさせます。

熊田:ずっとZAQさんに曲を作ってほしいと望んでおり、遂に実現しました。ZAQさんと直接お会いして、「このアルバムの裏テーマはもやもやで、この曲で発散したいんです」とお伝えして。「言い訳ばかりしている自分を変えたいけど、どうしたらいいのかわからない」や「希望が見えているけど、それは願いかもしれない」など、今の自分についてお話しさせていただきました。

 
あとは、大学受験を控えた妹の学校見学に同行したら、校内に入れず、外観だけしか見られず、妹がかわいそうに思えたエピソードも話しました。私が学校見学した時は、目にするもの一つ一つに感動しましたし、「軽音部のギターの先輩がカッコよかったから入部しよう」と頑張れるモチベーションになったので。

他にも、「自分探しをしたくてもできない人もたくさんいると思うから、このアルバムを聴いて存分に自分探しをしてもらえたらいいな」といったお話や私の想いを上手にZAQさんがすくってくださって、素敵な歌詞にしてくれました。

――歌詞の表現だけではなく、ロックチューンなのに、途中でワルツっぽくなったりと、ZAQさんらしさが垣間見えます。

熊田:明るい中にある恐怖みたいなものがあるんですよね。歌詞もサウンドも素晴らしくて嬉しかったです。

――「Elpis」の曲名は、ギリシャ語で「希望」を表す言葉ですね。ロックチューンで、他の曲よりも歌い方やサウンドが激しく感じます。

熊田:激しいロックチューンだったので、吐き出す感じがいいなと思い、テーマを「記憶」にしました。

過去に友人関係がうまくいかなかった時はすごくつらかったですが、大人になり、「あの経験があったことも今に活きている」と思えるようになったんです。少々のことではめげないし、人との接し方もわかった気がしたのですが、実はそれは強がりで、つらい想いをしなくて済むならそのほうがいいし、記憶をどう処理するかは結局、その人の歩み方次第だと。

そんな私の過去や記憶との向き合い方と、児玉雨子さんの歌詞がすごくリンクして、「わかってあげるよ」ではなく、「私もそう」と共感してくれたんです。児玉さんと初めてお会いした時、同じ想いを抱いてきた人じゃないかなと思えて、嬉しかったです。純粋に友達になりたくて、制作が終わったらLINEを教えてもらおうと思っています(笑)。

過去の出来事から無理に強がっていた私とさよならして、つらい記憶とも一緒に生きていく覚悟をうまくロックに乗せて歌えました。

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