音楽
じん1stミニアルバム「アレゴリーズ」リリース記念インタビュー

アーティスト・クリエイター・じんさん1stミニアルバム「アレゴリーズ」リリース記念インタビュー|初となるご自身全曲歌唱のミニアルバムは“原点回帰かつ挑戦”の作品に

収録されている6編の歌の短編をじんさんが解説

――それでは、今回の収録曲のご紹介をお願いします。インストの「Avant」からの1曲目は「消えろ」ですが、「誰だ 誰だ」という問いかけや強めのフレーズが続くのに、アコギやピアノの音色によって軽快ささえ感じました。

じん:インストナンバーが3曲あり、それぞれに想いがありますが、それは聴いて想像していただくとしましょう。

まず「消えろ」は自殺願望の曲で、いきなり重いです(笑)。この10年間、努力では解決できない理不尽さを感じたり、つらいこともたくさんあり、死にたいと思う瞬間が何度となくありましたが……死ねないんです。「それが何なのか、なぜなのか考えるべきではないか」と自分に対して思い作り始めた、「何で生かすんだ?」、止めるのは「誰だ」という疑問を歌った曲になっています。

答えとしては、たぶん自分が止めているからで、心にいる自分が代わりに死ぬことで、また次の日を生きているんじゃないかなと思います。シャッターを切る感覚でその瞬間の自分の熱量を切り取って残したかったんでしょうね。

 

――「ZIGI」はエレキギターが効いたロックチューンで、途中にピアノが入るジャズっぽいアプローチもされた、クロスオーバーかつ攻撃的な曲ですね。

じん:「ZIGI」は、「児戯」という言葉から作った曲名で、作ったきっかけは以前、遊園地に友人と行った時の経験です。一番最初のアトラクションで三半規管をやられてしまって、その後6時間ずっとベンチで休んで、大道芸を見続けることになりまして。僕はひねくれものなので、みんながワンダーランドの中を楽しそうに、夢心地で歩いている様子を見て不気味さを覚えて、怖くなってしまったんですよね(笑)。「この世界に大人っているのかな? もしかして生き物はみんな子供なんじゃないか?」と。そんな作られた夢の不気味さを疑うことは、僕ら創作者にとっても大切なことじゃないかという想いを歌っています。

――「MERMAID」は、ピアノの音色とメロディラインが美しいミディアムナンバーです。

じん:カップルが新婚旅行のために乗った飛行機が墜落してしまったという歌詞になっていますが、お互いに好きと言っていても、将来的にケンカしたり、憎しみ合ったりする可能性もあるわけです。そう考えるとお互いが好き合っている絶頂期で一緒に人生を終えられることは、圧倒的な悲しさの中に最高の幸福があるのではないか、と思って書きました。

――「VANGUARD」は、打ち込みのエレクトロニックなサウンドはクラブ系っぽいけれど、シティポップのような懐かしさも感じられました。

じん:友人が亡くなった時に書いた曲です。亡くなった時に「早すぎる」とか「あの曲が大好きでした」と惜しむ声をたくさん見たのですが、「何で死ぬ前に伝えてあげないんだろう?」と思ってしまったんです。「死を惜しむ自分に酔っている人もいるかもしれない」と考えたりと、僕が大好きな方だったので、やりきれない感情や怒りが変な方向に向いてしまって。

でも、その人にはもう何も届かないから、結局同じなんだなと思いながらお葬式に行くという内容です。「人の生き死に」はなんて無情なものなんだろうという想いを歌っています。

――「FREAKS」はバンドサウンドのロックナンバーですね。

じん:この「FREAKS」までで本編が終わるイメージになっています。気持ちの悪い怪獣がサーカス団の中で人気者になりたいと思いながら踊っているさまを描いた曲ですが、これは自分自身に対しても思うことです。この10年で、僕が金になるのか、ならないのか、値踏みされていると感じたことが何度かありました。それは商売する人にとって当たり前のことですし、その中で僕がかつて思い描いたスーパースターにはなれないな、と諦めかけたこともありましたから。曲中では、怪獣が何かに気付いたり、方向を見つけて終わっていますが、そんな曲で締めたいと思いました。

この5曲は特異に感じられるかもしれませんが、なぜこういう5曲を作ったのかといえば、誰も書いていなかったからです。「みんなは思わないのかな?」とか「誰も言わないのかな? もしかして僕だけ?」と分からないから曲にした、というのがここまでの5曲です。

 

――ペンで書く音やペーパーノイズといった作家をイメージさせるインストから「後日譚」が始まり、不思議な感覚でした。

じん:ある意味、立体的なアルバムの見方をすると、ここまでの5編の作者の気持ちを書いた曲にも思えます。もしくは僕自身のことを歌っているのかもしれないし、この「後日譚」さえも僕の創作かもしれません。

曲中の「2004年8月に死んでいた少年に捧ぐ」は、僕の10年間のテーマで、かつての自分に捧ぐものであるということを歌詞にできました。そして同じ悩みを抱えた人にも捧げたい、そんな音楽を始めた動機を書き記した曲です。こうやって全曲振り返ってみると結構いい曲ですね(笑)。

 

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