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冬アニメ『オリエント』内田雄馬、斉藤壮馬、高橋李依 インタビュー【連載第8回】

“慎重武士団”の歪な関係性? お気に入りは現代人っぽさが表れた第6話! 冬アニメ『オリエント』武蔵役・内田雄馬さん、鐘巻小次郎役・斉藤壮馬さん、服部つぐみ役・高橋李依さんインタビュー

つぐみの加入は偶然の交わり

ーーこれから12話ということで、ここからは話数ごとに物語を振り返っていただければと思います。序盤については以前のインタビューでお話いただいているので、まずは第4~6話をご覧になった感想を教えてください。

高橋:小雨田武士団のお話は「つぐみ編」と言えるくらいたくさん描いていただきました。この話数の中で「つぐみってどういう子なんだろう?」と向き合わないといけなかったのですごく集中したなと。小雨田さんによって歪められてしまったつぐみの中から、本当のつぐみを見つけ出す作業と言いますか。つぐみの笑顔はどれが本物なんだ?ということを考えました。

鬼鉄騎で壁をぶち破ってくれたシーンなど、つぐみの心境をぶち破る行動や演出にもグッときましたね。

ーーおふたりは揺れ動くつぐみの心情をご覧になっていかがでしたか?

斉藤:つぐみの本当の心は“ナニイロ”なのかなって。

高橋:EDテーマ(のタイトル)を回収するじゃないですか(笑)。

斉藤:不憫…かなぁ……?

一同:(笑)

斉藤:でも真面目な話をすると、つぐみの物語はデフォルメされている部分もありますが、個人的にはすごく重い話だと思うんです。それを漫画という形式で描ける先生はやはりすごいなと率直に感じましたし、あまり安直に語れないと言いますか。

このエピソードをご覧になったみなさまは、きっと色々な感じ方をされるんだろうなと思います。その上で自分個人としては、さっき李依ちゃんも言っていたように、まだ解決しきってはいないんだなと。小雨田武士団とつぐみの関係性からもう一歩先に進んで、つぐみという人が世界や自分をどう捉えるのか、という話だと思うので、もう一回そこが描かれる時が来るのかもしれないなと。

今は、つぐみ自身の考え方が固まっているからこそ、どこかでもう一度向き合う機会が訪れそうです。

高橋:たしかに、まだ無意識下だったり、知らないことも多そう。

斉藤:きっともう一段階成長すると思いますので、先々の活躍に期待したいです。雄馬さんはどうですか?

内田:団長と同じ気持ちです。同上と書いておいてください(笑)。

高橋:わかりやすく武蔵と小次郎が救ってくれた……というわけでもなく。彼らからしてみると、鬼鉄騎を奪われて、五月雨城に取り返しに行き、鬼鉄騎や刀を探したり、自分たちに必要なことをやっている道の途中でつぐみが救われた、みたいな流れで。絶対にこいつを助けてやる!とかではなかったんですよね。

内田:我々は正義の味方ではないので。

斉藤:そこが良いのかもね。むしろ、つぐみになにかをしてあげようとした瞬間に、全く別のかたちの主人公たちになると思うんです。

内田:そうそう。自分たちの手で世の中を良くしていこう、ということではないんですよ。

斉藤:最強の武士団になることが彼らの夢であって、誰かのためということでもないからね。

内田:うんうん。それをずっと見ているからこそ、ロマンがあるし、ままならぬことに出会った時に、どうするかを考えることが大事なんだと思うんです。なんでも首を突っ込んで行くというより、自分として納得のいかないものを前にした時に選択していくみたいな。結局、その選んだ先がたまたま交わったからつぐみと一緒にいるという。

高橋:きっかけをくれたに過ぎないと言いますか。つぐみに「お前はどうしたいんだ?」と投げかけはしますけど、答えを言うわけではなくて。そんな偶然の交わりが素敵ですね。

内田:みんなが自分で選んで変わっていくのは大事だよね。

高橋:たしかに、みんな選んでいますね。

ついに始まった3人旅と思いきや……キャストお気に入りのギャグパート

ーー第6話中盤からは犬飼四郎や犬坂七緒との出会い、刀の試しが描かれました。

高橋:まさか鬼鉄刀が買えるなんて。

斉藤:たしかに!まあ、やはり刀の試しに受かった、選ばれし者としては……。

内田:選ばれし者(笑)。

斉藤:勝ち組というか、あれ、実質小次郎が主人公ですかね?(笑)

内田:おや、おかしいな(笑)。

斉藤:なんてたって鐘巻武士団ですから。名字を持っていますから。

内田:名字を与えたことを間違えたな~(笑)

斉藤:さっき雄馬君も仰っていましたけど、ふたりだけで広い世界に飛び出し、つぐみという世界を狭く歪められていた人と出会い、ともに外の世界へ本格的に旅をし始めたのが第6、7話です。ここからは世界の情報をどんどん入手していきました。個人的に印象的なのは、第6話前半のコメディ回ですね(笑)。

高橋:わたしも第6話好きです。収録が楽しかった思い出があります!

斉藤:モノローグの応酬でおなじみですね。楽しかったよね?

内田:あの収録は息ピッタリで、すごく楽しかったので思い出深いです。流れの掛け合いが大事だったよね。

斉藤:『オリエント』はユーモアもとても大事ですからね。

内田:1、2、3で乗せていかないといけないシーンが結構ありましたが、それはそれですごく楽しかったです。

斉藤:雄馬君は大変だなと思いました。天丼ネタにしていくから、最初からやり過ぎてもいけなくて。

内田:武蔵はスターターですから。

斉藤:2人目、3人目のバッファを残しておかないといけないからね。

内田:ふたりとも「なぜなら俺は……」と重ねるくだりがありましたが、そこでディレクションを結構もらった記憶がありますね。

斉藤:あそこのシーンは「ただ人に嫌われたくない」という一心ですからね。

高橋:そういった部分にも、現代人っぽさは感じますよね。

斉藤:これはホメロスの時代からそうだと思いますよ。

内田:ホメロス……?

斉藤:『オデュッセイア』にも書いてあると思います。

内田:ちょっと10分くらい放置してもらって……。

一同:(笑)

ーー第8話では武蔵の知られざる過去が明かされました。ご覧になっていかがでしたか?

高橋:もう、酷過ぎです。可哀想過ぎて、なんで深夜にこんなものを見させられているんだと(笑)。

一同:(笑)

高橋:アニメって娯楽でしょ?と思いながら見ていました。放送中にTwitterで反応を見ていましたが、みんな「辛過ぎ」と仰っていて。

内田:鐘巻自斎のショッキングなシーンもありましたが、辛い過去でした。

高橋:個人的に、武蔵に石を投げられた自斎さんの表情に切なさを感じるんですが、その過去を武蔵がまた振り返っていると思うと……。

斉藤:周囲の環境が悪いよね。

内田:でもああいう町の光景が描かれていましたけど、世の中では実際にあることだと思います。今はSNS文化があって、みんなが軽率に石を投げられる世の中でもあって。昔は竜山町のような村や町の中で起こりえたことかもしれませんけど、今は周りからの圧と言いますか。違うことを「悪」とされる風習のようなものを自分が受けた時、それに抗うことはかなり難しいと思うんです。

武蔵に関しては、ひとりで生きていくことを強いられた子供でもありますし、その空気感を感じるのはすごく恐怖だと思います。だから自斎さんに対してあんなことをしながらも、その後一緒に暮らしてくれたのは……。

自斎さんは武蔵にとって、自分の生きている世界以外への入り口なんですよ。やはりその大きさは感じましたし、改めてあんな経験をすれば武蔵みたいになるよなと。アニメで見ても辛かったです。

斉藤:李依ちゃんがお話してくれたように、各々に苦しい過去があり、その3人が集まって。そこから、それぞれの問題に向き合うというよりは、不意に幼少期の呪縛から解き放たれるのがこの旅と言いますか。物語の素敵なところのひとつだと思います。

(C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会
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