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春アニメ『阿波連さんははかれない』水瀬いのりインタビュー

春アニメ『阿波連さんははかれない』阿波連れいな役・水瀬いのりさんインタビュー|演じる中で「この子は“はかれない”」と実感!? 不器用で人間らしい登場人物が織りなす関係性に注目

阿波連さんに共感する部分や、相手役・ライドウくんの印象は?

――阿波連さんに共感する部分などはありましたか?

水瀬:私も“人見知り”という部分ではけっこう一緒です。でも、れいなちゃんのように踏み出す勇気はなく、脳内会議の結果、話しかけるのをやめてしまう、すぐ諦めてしまうタイプでした。なので、私から見るとれいなちゃんは小心者には見えません。

れいなちゃんはすごく頑張り屋さんで、人の心が分かる人なんです。自分の気持ちも繊細に汲み取りながら言葉を選ぶというのは、自分自身を守るのももちろんありますが、それ以上に「人を傷つけない」という優しさだと思います。

言葉を選んだ結果、時間が経ってしまって、結局伝えたかったことの少ししか言葉にできなくて……という不器用なところがあるので、れいなちゃんはすごく優しい女の子だな、と思って見ています。

ここまで無口だけど愛されるってすごく特別ですよね。大城さん(※)という存在がそれを物語っていますが、「れいなちゃんのために何かしたい」と思われるような女の子なんです。しかもそれを狙ってやっているのではなく、彼女らしくいることで周りが自然と手を差し伸べていて。

さらにそこから、だんだん手を差し伸べなくてもひとりで歩けるようになっていきますし「私もあんな女の子になりたかった」と過去形になってしまいますが、すごく憧れます(笑)。もし、れいなちゃんが同じクラスにいたら、話しかけに行きたいです。

※大城みつき:阿波連さんの幼馴染で、彼女をいつも気にかけている極度の恥ずかしがり屋の女の子。CVはM・A・Oさんが担当。

――本作は、阿波連さんとライドウくんのふたりが中心となって物語が進んでいきます。ライドウ役の寺島拓篤さんとの収録はいかがでしたか?

水瀬:ライドウくんは、脳内で声が想像できるようでできないキャラクターだなあ、と思っていました。「低いのか、高いのか、声に芯はあるのか、ダウナーなのか」と、どうあってもあの表情には当てはまると思うので、もし自分が男性で、ライドウくんのオーディションを受けるとしたら、どんな風にやるか悩んだと思います。

ライドウくんらしさを声で表現するのはすごく難しいな、と思っていたので、自分がれいなちゃん役に合格したお話を聞いたときに、真っ先にライドウくんのキャスティングが気になりました。この作品は、ほぼふたりの成長物語で会話劇なので「どんなお芝居でれいなちゃんにツッコんでくれたり、妄想の世界に連れて行ってくれるんだろう?」と思ったんです。

後日、寺島さんだと聞いて「なるほど!」と思いましたし、私の中で寺島さんは、熱血キャラも、クールキャラも、中性的な役も、少年役もできる方なので、「一体どの寺島さんで来るんだろう?」と思いながら初回のアフレコを迎えましたね。

片方が決まっても、両方が噛み合わないと始まらない作品だったので、初回のアフレコは、キャラ決めやAパートのテストを複数回行ったりと、お互い探り探りで始まり、キャラクターを掴む第一歩を垣間見たようなアフレコだったと思います。

れいなちゃんとのバランスなども考え、最終的に決まったライドウくんの声は、ちょっとダウナーかつ、妄想の部分では熱くなるような、寺島さんの良いとこ取り、“寺島さんミックス”のような感じになっていて素敵でした。あの低音の雰囲気は私には新鮮に感じましたね。

逆に寺島さんからは「ダウナーで口数が少ないキャラといったら水瀬だよね」と言っていただけて、嬉しいのと同時に謎のプレッシャーを感じました(笑)。

――第1話でガッチリとキャラクターは決まったのでしょうか? それともその後数話はキャラクターをまだ模索していたのでしょうか?

水瀬:れいなちゃんもライドウくんもすごく元気なキャラではないので、第3話くらいまではお互いに「ずっとこんな感じで大丈夫かな?」「これは成立しているんだよね……?」みたいな空気がありました。

アフレコブースはただでさえ遮音性があって静かなので、お互いのお芝居やページをめくる音だけが聞こえますし、終わったあとのスタッフさんの「はい、じゃあちょっと待っててくださーい」の後も本当に静寂で、まるで待合室のようでした(笑)。

れいなちゃんは、ライドウくんから受け取った言葉に返事をしていくので、事前にあまり練習するものでもなかったのでなおさら静かでしたね。

――ライドウくんの人としての魅力はどんなところだと思いますか? また、共感できる部分などはありましたか?

水瀬:私自身の性格はどちらかというとライドウくん寄りなのかな、と思っています。私も高校時代、特に目立つことのない学校生活だけれど充実していて、自分としては「まあまあ楽しいかな」と考えていました。一番になる、センターになるということにはあまり興味がないというか、自分としての生き方を模索中で、そのあたりが高校生の頃の自分にちょっと似ていると思います。

あとは、お話が進んでいくと分かりますが、ライドウくんって、けっこうヤバい人なんですよ(笑)。れいなちゃんが不思議な子かと思いきや、ライドウくんもなかなかにすさまじい妄想力を持っていて。私もけっこう頭の中でいろんなシミュレーションというか、いろんなパターンを考えるので、勢いでなにかをやる人ではないんです。「今、私がこれを言ったら、こう思う人、こう思う人がいる」と統計して、自分の中で「こう思われてもいいから言おうかな」という気持ちが勝ったら言う、みたいなことをしています。

逆にれいなちゃんは、ワナワナしつつもけっこう勢いもある女の子だと思うのですが、私にはそれができないです。なので、ライドウくんは「分かるな」と思う部分がありますし、ライドウくんのような生き方をすごく楽しいと感じます。

――阿波連さんはライドウくんのどういった部分に惹かれて、コミュニケーションを取っていくようになったと思いますか?

水瀬:ライドウくんはネガティブでもポジティブでもなく、フラットなんですよね。彼が彼らしくいると安心するというか、「きっとこの人は変わらないものを持っているんだろうな」と思わせてくれる存在だからこそ、れいなちゃんにとっては特別に見える人なんだと思います。

「この特訓に何の意味が!?」みたいなことにもめちゃくちゃ真面目に付き合ってくれたりと、れいなちゃんを特別扱いするわけではなく、ひとりの人間として向き合ってくれるんです。そのひたむきさというか、“真面目におバカ”な感じが、ただムードメーカーな人とはまた違った、唯一無二の魅力に見えます。

ライドウくんみたいな人はそうそういないタイプの人間なので、それに気付いたれいなちゃんもすごいし、そんなふたりが隣り合わせというのが奇跡だな、と思ってほっこりします。

(C)水あさと/集英社・BILIBILI
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