
アニメ『ULTRAMAN』SEASON2 神山健治&荒牧伸志監督インタビュー|原作のエッセンスを残しつつ物語を構築するために『ウルトラセブン』から取り入れられたアイディアとは!?
エンディングにダンスを取り入れることには葛藤があった!?
――特撮的なバトルシーンもそうなのですが、アクションではエンディングのダンスにも驚かされました。こちらのこだわりや制作秘話もお聞きしたいです。
神山:あれは内山シリーズ監督のこだわりで、実は僕としてはあまり好きじゃなかったり……。なぜなら、僕らはオープニングとかエンディングって、本編と連動していなきゃいけないと思っちゃう世代なんです。だからそこは別枠として考えています。
敵も味方も入り乱れてダンスするってカタルシスがあるのは理解できるんだけれど、もはや古典的すぎると思われるかもしれないけれど、僕はそれを禁じ手としてやってはいけないものだとしていて。正直なことを言うと最初は反対していました。
だけど、それをやりたいという想いや、視聴者にウケるだろうなというのが理解できてしまう自分もいて。だってダンスって、そんなに好きじゃない人でも魅入られていくし、ほっといても素敵じゃないですか。だから結果的にはやって良かったと思っています。
内山君の巧いところにキメや外連味があると思っていて、ただだらっとダンスを撮っただけでなく上手に編集していたし、「ここでとめるのか!」と驚かされたこともありました。実写でいうとカメラマン出身みたいなところもあるので、カメラワークにも舌を巻きましたね。
僕らが演出をしている時にこれをこうして欲しいと説明しても、相手がそこまで行けないことが多かったんです。でも彼は、自分でやるとしたらこうやって実現するというビジョンが頭にあるので、カメラマンが監督をしたような映像に仕上がっています。
アクションに関しては最初こそちょっと言ったけれどほぼお任せしていて、むしろそこからすごく良くなりました。
荒牧:彼がSEASON1の地上波版のオープニングとエンディングをひとりで全部制作してくれたのですが、その時の仕事も踏まえています。
実は今回のエンディングをやる前に、僕のところに来て「何かネタないですか?」と苦しんでいるところを見ていました。なのでかなり上手にまとめたと思うけど、ダンスというのは彼にとっても最後の手段だったのかもしれません。
神山:モーションキャプチャーが一番活きてくるのもダンスなんだよね。だってフィジカルでやっていることがダイレクトに出るから、文句が出ないんです。実際にはプロのお芝居って凄いんだけど、小説家と一緒で文字さえ書ければできる……みたいに甘く見られてしまう。アクションにしても、どうせCGで盛っているとまだ舐められがちなんです。けれどダンスって、踊れる人にしか踊れないじゃないですか。だから、唯一誰も文句を言わない使い方だと思える部分があって。
だから、僕が作品を作る上で持っている哲学や「さっきまで敵として戦っていた奴らが、一緒になって踊ってるってどういうこと!?」みたいなストーリーと別物な部分は気になりましたが、完成した映像を見たらやって良かったと思えたんです。今はそういうものが求められているとわかったし、いかに自分が古典的かと思い知らされました。
――そろそろまとめに入ります。おふたりの作品というと本作のSEASON1や『攻殻機動隊 SAC_2045』と続いてきたと思います。これまで作品作りを共にしてきて、お互いに尊敬できる部分や魅力などはありましたか?
荒牧:それが無いと一緒にはやらないと思います。僕もこの業界で意外と真面目にやる方だと思っていたのですが、神山さんは仕事熱心過ぎるなと思うくらいですし。そこだけでは無いのですが、驚きとともに尊敬しているところです。
神山:モーションキャプチャーやCGの先駆者だった荒牧さんの経験値とやり方に、当初からとても興味がありました。その先見の明や新しい技術を吸収して現場に取り入れようとするところが、荒牧さんがこの道を先に走っていた凄さだと思います。そして、そこを極めようとしているところも尊敬できます。
――最後に、4月からの配信に期待しているファンのみなさんへメッセージをお願いします。
荒牧:2年もの時間をかけ制作してきましたが、その時間がギュッと凝縮された全6話になっています。ぜひ楽しんでください!
神山:面白い作品になったので、早く観て欲しいなと思っています!
――以上になります。ありがとうございました!
アニメ『ULTRAMAN』シーズン2作品情報
2022年4月14日(木)、Netflixにて世界配信決定 話数:全6話

イントロダクション
新章開幕! アニメ『ULTRAMAN』のシーズン2がいよいよ登場!
“6戦士”が集結し物語はさらにヒートアップ!
神山健治×荒牧伸志 両監督によるウルトラ世界は未知のゾーンへ!
2019年にNETFLIXで公開され、世界的な大ヒットを記録、国内外の数々の賞を受賞したアニメ『ULTRAMAN』(原作 円谷プロダクション・清水栄一×下口智裕)。そのシーズン2が2022年4月にNETFLIXで全世界配信が決定した。
本作では《ウルトラマンの息子》早田進次郎を中心に、伝説の「ウルトラ6兄弟」のイメージを継ぐ「六傑」(ULTRAMAN、SEVEN、ACE、ZOFFY、JACK、TARO)が大集結。宇宙スケールの異星人の陰謀に立ち向かう。
謎の“人間消失事件”に遭遇した若きカメラマン、東光太郎(ひがし・こうたろう)は、事件が異星人によるものだという証拠を写真に収め、恋人のイズミとともに科学特捜隊に接触するが……彼はある事件によって絶大な炎の超能力を持つ超人になってしまう。
そして、等身大のULTRAMANたちの前に、巨大な「あの」宇宙兵器がたちはだかる……。
あらすじ
世界中で地球人の大量消滅事件が発生──。レナと進次郎も、同時に消失してしまう。
そんな中、フリージャーナリストの東光太郎は恋人のイズミとともに「消失事件」の謎を追い始める。
異星人の正体はテロ組織「暗黒の星」。彼らは世界に向けて声明を出す。「人類の半分を消滅させるか、地球の半分を割譲するか……どちらかを選べ」その頃、消えた進次郎とレナは衛星軌道の異星人の船に転送されていた。
「暗黒の星」と科特隊の闘いに巻き込まれ、知りすぎた光太郎は、命を失いそうになるが……。
決戦の相手は巨大兵器「黄金の城塞」。街を破壊し尽くす巨大メカを相手に、ULTRAMAN、セブン、タロウに加え、ゾフィー・ジャック・エースも参戦。ついにULTRAMAN6ヒーローが集結する!
スタッフ
原作:円谷プロダクション、清水栄一×下口智裕(「コミプレ/ヒーローズ」)
監督:神山健治×荒牧伸志
音楽:戸田信子×陣内一真
制作:Production I.G×SOLA DIGITAL ARTS
オープニング主題歌:NOILION「3」
エンディング主題歌:Void_Chords「Transcending Time」
キャスト
早田進次郎:木村良平
諸星弾:江口拓也
北斗星司:潘めぐみ
早田進:田中秀幸
ジャック:竹内良太
東光太郎:前野智昭
佐山レナ:諸星すみれ
井手光弘:魚建
エド:牛山茂
アダド:津田健次郎
ベムラー:曽世海司
イズミ:坂本真綾
マーヤ:佐倉綾音
ペダント星人:諏訪部順一
★アニメ『ULTRAMAN』シーズン1(全13話)
Netflixにて世界独占配信中
『ULTRAMAN』公式サイト
『ULTRAMAN』アニメ公式サイト
『ULTRAMAN』漫画&アニメ公式ツイッター(@heros_ultraman)














































