音楽
スピラ・スピカ『ナガレボシトレイン』ロングインタビュー

『着せ恋』『シグルリ』など話題のタイアップ曲満載のスピラ・スピカ 2ndアルバム『ナガレボシトレイン』完成! デビュー以降“ポップ・ステップ・ジャンプ!”と、一歩一歩着実に駆け上がってきたスピスピ。今だからこそ伝えられるメッセージと見えた景色

天真爛漫な元気少女・幹葉さん、ギターの寺西裕二さん、ベースのますださんから成るピュア・ポップ・ロックバンド、スピラ・スピカの2ndフルアルバム『ナガレボシトレイン』がリリースされました。

本作には、TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』OPテーマ「燦々デイズ」、『戦翼のシグルドリーヴァ』挿入歌・EDテーマの「ほしのかけら」「サヨナラナミダ」、『俺だけ入れる隠しダンジョン』OPテーマ「ピラミッド大逆転」、『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』2nd Season EDテーマ「Twinkle -album ver.-」など話題のタイアップ曲に加えて、ピカピカの新曲もパッケージ。いわく、「少し大人になった」今のスピラ・スピカだからこそ伝えられるメッセージが詰まっています。

インタビューは雑談から、和やかな雰囲気でスタートしました。笑顔の3人を想像しながら、読んでもらえたらと思います。

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アルバムのスペシャルゲストは猫?

――アニメイトタイムズでスピラ・スピカに作品にまつわる取材するのは1stシングルの「スタートダッシュ」振りと、かなり久しぶりなんです。その間にライブを見たり、お話をする機会はあったりしましたが……寺西さん、当時から雰囲気がいちばん変わった気がします!

寺西裕二さん(以下、寺西):えっ、そうですか?

幹葉さん(以下、幹葉):変わった! 寺くんは1番変わったよね!

ますださん(以下、ますだ): (笑)

幹葉:(作品資料の紙にある、初期の写真を指差して)だって、最初はこれよ!? 髪型が違う。  

寺西:そう、髪型が変わったんですよね。「Re:RISE -e.p.-」(2019年)の時かな? センター分けにして。ずっとアシンメトリーだったんですけど、リハーサルをしているときに「邪魔だな」と思って(笑)。それでふざけてセンター分けにしたら「意外と良いじゃん!」と。そこからですね (笑)。

幹葉:ずっと一緒におるとわからんけど、髪色も明るくなったしね。話が変わるんですけど、(筆者の持ってた猫のバッグを見て)バッグ可愛いですね!

――ありがとうございます! 猫と言えば、インディーズ時代に演奏していた「だらんごろん」をリメイクしたという「にゃらんごろん」(M-7)、すごく可愛かったです。

幹葉:ありがとうございます! 実はレコーディングの前日に「猫にしようかな!」と思ったんですよ。歌詞で<にゃ>になっているところは、もともと<な>とか、普通の言葉だったんです。

――例えば<にゃにもしたくにゃーい>ってところは<なにもしたくなーい>だったということですか?

幹葉:そうです! それで直前まで練習していたんですが、猫な気分になってしまって(笑)。

寺西:あれはびっくりしたね(笑)。

幹葉:アルバムの中に埋もれさせたくなかったというか。パンチのある曲にしたいなと思って猫語にしてみたいなと。猫に憧れがあるんですよ。実家に飼っていたのも犬だったし、周りのお友だちも犬を飼っていて。猫に触れることのない人生だったので、あの自由気ままな感じがすごく可愛いなぁ、憧れるなぁって。今までスピラ・スピカの曲でも何回か猫が登場していて。今回は思い切って猫視点で!と。

――寺西さん、ますださんは猫を飼われたご経験はありますか?

寺西:僕自身は飼ってないんですけど、家の前の塀が猫ちゃんずロードみたいな感じになってて、猫がものすごく通るんですよ。日当たりが良いからか猫たちが集まってて、見るたびに違うメンツが揃ってるっていう。一階に住んでいるのでその猫たちを見ながら、アコギを弾いたり、録音してたりすると、外から喧嘩の声が聴こえてきて……。

幹葉:一回猫の声が入ったボイスメモを送ってもらったんですが、結構な音量なんですよ(笑)。

寺西:猫の声がメインみたいな感じになっちゃって(笑)。猫たちも僕に慣れてきたのか、作業しているときに視線を感じてパッと見たらこっちを見てて(笑)。

ますだ:いいなぁ。僕は猫を飼いたいとは思っているんですけど、まったく関わることがなくて。近所にそんな面白い猫がいるなんて羨ましい。

――(笑)。曲の中に猫の声が入ってますよね。それはもしかして……。

幹葉:あ、あれはキーボードの重永亮介さん、タレントの林ゆめちゃんや、私のまわりの友だちの方々の猫たちの鳴き声をもらったんです。意外と「私の家の猫、鳴かないんだよ〜」って子もいて。「鳴くよ!」って言ってくれる方の声を使わせてもらいました。猫の写真ももらっているので、いつかTwitterなどでアー写として紹介していきたいです(笑)。

――今回のアルバムのゲストとして(笑)。

幹葉:そうなんです! 「ボーカルレコーディングしてもらいました!」と、一匹ずつ紹介したいなと思っています。本当はアルバムジャケットの最後のスペシャルサンクスに入れたかったんですが、猫の鳴き声を入れることをギリギリで思い付いたので、間に合わずでした。

――かなりバタバタだったんですか?

幹葉:そうですね。2月に「燦々デイズ」(アニメ『その着せ替え人形は恋をする』OP)のリリースもあったので、プロモーション活動とアルバム制作が重なっていて。後半はバタバタとしてしまったので「間に合ってよかったー!」と(笑)。

「コロナの影響は大きかった」

――では改めて、アルバムのお話をおうかがいさせてください。2ndアルバム自体はずっと前から考えられていたんでしょうか。

幹葉:そうですね、いつか出したいとこの2年間思っていて。1stアルバムからシングルのリリースも重ねてきたので、ここいらで!って。まずはタイトルから決めていったんだよね。

寺西:はい。

――じゃあタイトルとコンセプトを先に決めたんです?

幹葉:そうですね。枠組みを先に作ってからじゃないと……メンバーあるあるというか、先に目指す先を決めてから進んでいかないと、バラバラの意見になってしまってまとまらないので。

寺西:認識のすり合わせというかね。

幹葉:そう、そんな中で『ナガレボシトレイン』というタイトルを寺くんが持ってきてくれたんです。

――すごく良いタイトルですよね。星というワードが入った曲もありますし、スピラ・スピカというバンド名の由来にもピッタリですし。みんなと一緒にこれから先のミライに進んでいくという気概も感じます。

寺西:ありがとうございます。結構悩んだんですよ。僕らは聴いてくれている方と一緒に、自分たちの夢に向かって進んでいきたいという気持ちがあって。それを例えるのに「乗り物がいいな」ってとこから、トレインが出てきて。それと、スピラ・スピカの“スピカ”は星のことなので、希望という意味を込めて、流れ星と付けたいなと。これをがっちゃんこしたら『ナガレボシトレイン』になる。

流れ星とトレイン、それぞれの言葉自体は聞き馴染みのあるものですけど、『ナガレボシトレイン』って聞いたことないなって。「これだ!」と思って、自信ありげにメンバーに持っていきました(笑)。

――スピラ・スピカというバンド名も、それこそがっちゃんこしたものですしね。

寺西:確かに! がっちゃんこバンドなのかもしれない(笑)。

幹葉:もうちょっとお洒落な言い方がいいなぁ(笑)。でもがっちゃんこバンドって可愛いかも。

寺西:口にしたときの可愛さみたいなものはいつも意識していて。最初はもう少しクール目のワードにしてみようかな、って書き出してみたんですよ。『スターゲイザー』とか。でもスピスピっぽくないなって。『ナガレボシトレイン』がしっくりくるなと思いました。

――星空に電車ってロマンティックな感じもありますよね。

寺西:イメージ的には『銀河鉄道999』ですね。

ますだ:イメージがしやすいですよね。ナガレボシ、トレイン、というふたつのワードから、情景が思い浮かんで。

幹葉:うんうん。可愛さもありつつ、ナガレボシって願いを込めるものではあるけど消えちゃうものじゃないですか。そういう儚さも感じられるのが良いなって。1stアルバムは『ポップ・ステップ・ジャンプ!』っていう、明るく、はじけるようなタイトルでしたけど、この2年間で私たちも少し成長して、大人になった部分もあるので。それを表すのにピッタリだなって思いました。

――大人になったというのはどういうところで感じられていますか?

幹葉:楽曲制作やレコーディングで、これまでは盛り盛りに足し算していってたんです。というか、それしかできなかった。「これどうなんだろう?」って思ったときに、「じゃあこれやってみよう」って足していって。でもこの2年間でちょっとずつちょっとずつ、引く勇気ができたというか。特にラストの「春は待っている」では、歌い方を引き算しつつ、ほどよい優しさが表現できたかなと思います。でも引くのって勇気がいるんですよね!(笑)「これでいいのかな」って不安が募るときもあるけど、勇気を持ってできるようになった気がします。

――それはサウンドアプローチでも言えることでしょうか。

寺西:そうですね。曲作りの面でも、展開、音数を足して盛ってってことが多かったんです。でも一個引いた結果、「寂しくなっちゃった」じゃなく「スッキリしたな」と感じられるようになって。それが大人になったことにつながるかは分からないんですけど(笑)、成長したのかなとは思います。

――経験を重ねたからこそ。特にこの2年はコロナ禍で、いろいろなことを考えられたと思います。

幹葉:コロナの影響が大きかったのは、やはりライブですね。ライブを計画しても延期からの中止になり、私たちもお客さんもみんなモヤモヤしてしまうという状況でしたよね。

――誰も悪くないですからね。

幹葉:コロナ禍になって1年目は自分たちでも落ち込んでしまうことがあったんです。「私たちが活動してる意味ってなんなんだろう?」って考えるところまできちゃって。苦しかったですね。メンバーにも会えなかったですし。

寺西:定期的にリモートで話すようにはしていて、「この1週間何してた?」「◯◯って映画見てた!」とか。そういう些細な事も大事だったのかなと。

ますだ:うんうん。

幹葉:それにすごく助けられた!

ますだ:ライブができないのが自分にとってはつらくて。ライブをできる日を夢見て、そこに向けて準備をしながら耐え忍んでいた感じでしたね。

寺西:僕自身の制作の話で言うと、マイナスな曲になってしまいがちだったんですね。なので、いかにマイナスなエネルギーをプラスに変換していくのか、スピラ・スピカの明るさにどうやってアプローチしようか考えていました。でもその中で、悲しみに寄り添うという今までにないこともできたので、新しいスキルアップの時間になったのかなとも思ってます。

幹葉:もちろん、無いほうがよかったですけど……今となっては「落ち込んでてもしゃーない!」とプラスに捉えるようにしています。

――ライブでは声が出せなくなってしまって。アルバムの中には「みんなで盛り上がろう!」っていう曲も中にはあるんですけど、みんなというより“君”に届けているような感じがして。

幹葉:うれしい! コロナ禍にリリースした「Twinkle」「サヨナラナミダ」「ほしのかけら」あたりは特にそうかもしれません。今までは「とにかく背中を押して!」「明るく引っ張っていく!」とか、そういうことしかできなかった私たちが、はじめて悲しみというテーマで曲にして。勢いよく押すだけじゃなく、そばに寄り添うだけでも応援になるんだって身を以て知ることができたというか。そういう部分が音に乗ったのかなと思います。

――そういったこともあって、バラエティ豊かな作品になりましたよね。

幹葉:そうなんですよね! さっき寺くんが言ってた、銀河鉄道に乗ってるかのように、1曲目、2曲目っていうよりも、1駅目、2駅目っていう感じもあるなって。

――うんうん。各駅停車で楽しんでもらえる作品というか。

幹葉:(前のめり気味に)各駅停車……! 良い言葉! 私たち自身も本当に各駅停車のようなんですよ。急行、特急に乗ってるような勢いがある方に憧れることもあるんですけど、各駅は各駅ならではの良さがあるなって。一歩ずつ、着実に、みんなと同じ景色を見ながら進んできたなと今回のアルバムでより感じました。

寺西:ああ、たしかにね。1曲、1曲、いろいろなエピソードがあるので、旅感があるなと思います。

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