『メリトあいきゅうごっど』コミックス1巻7月20日発売記念! 作品の魅力から制作秘話まで語る酒井ゆかり先生&津山冬先生インタビュー!!
『花とゆめ』にて現在連載中、酒井ゆかり先生(まんが)と津山冬先生(ストーリー構成)のタッグが贈る“エジプト神話逆ハーレムラブコメ”『メリトあいきゅうごっど』。
7月20日のコミックス1巻発売を記念して、酒井ゆかり先生と津山冬先生にインタビューを実施! 作品への思い入れたっぷりに、本作の見どころやこだわりポイントを語ってもらいました!!
エジプト神話の世界観を活かし、多彩な神様にスポットを当てる逆ハーレムもの
――本作が誕生した経緯をお聞かせください。
酒井ゆかり先生(以下、酒井):担当の方から「アラビアンファンタジーもので描きませんか?」というご提案をいただいて、私もいいなと思ったのがスタートです。調べていくうちに、エジプトは世界観が独特でおもしろそうだなと興味を持って、エジプトのお話を描くことにしました。
ストーリーなどを詰めていくうちに、津山先生のお力をお借りできたらと思って、相談させていただきました。
津山冬先生(以下、津山):ちょうど『花とゆめ』の編集長さんから「何か新作をやりましょう」とお話をいただいていたところに、酒井先生が「神様ものをやりたいと思っているんです」と声をかけてくださったんです。
酒井先生の描いたキャラを見て、このキャラたちが動くところを見たいなと思って、関わらせていただくことになりました。
――キャラクターやストーリーはどのように構築されているのでしょうか?
酒井:まず私と津山先生と担当さんと3人で打ち合わせして、どういうお話にするのかを決めます。それを津山先生がプロットと脚本化してくださり、キャラクターについては私がイメージ画を描いて、それを皆さんと共有して、再度打ち合わせて形にしていきます。
――ヒロインのメリトに、アヌビスなど魅力的な神様たちが絡んでいく逆ハーレム的な要素の発想はどこから?
酒井:編集部の方々から、多彩な男性キャラにスポットを当てるのはどうか、というお話をいただいて、私もそれはおもしろそうだなと思ったんです。
――今作は登場するキャラクターがすべて日本人ではないので、描き方も普段と違ったのでは?
酒井:エジプト神話をモチーフにしているので、基本的にはそこを元にして考えていますが、私の趣味や好みを入れたり、“このタイプのキャラがいないから、入れてもいいかな”と関係性から考えることもあります。
また、エジプト監修の橋本ゆきみさんが丁寧にチェックしてくださるので、メリトの巻髪など、さまざまな部分で作品に反映されています。
――本作でこだわられた点や、難しかった点を教えてください。
酒井:エジプトが舞台のファンタジーものなので、キャラの衣装や装飾品にはこだわって、ページやカットを見た時に映えること、満足感があることを意識して描いています。ストーリーは津山先生と相談して、なるべく明るく、キャラを楽しめる作品にできるように心掛けています。
津山:特にこだわっているのはキャラ作りです。酒井先生が最初に描いてくださるラフ画の時点で素敵なキャラクターたちですが、共感できる点がありつつ、人間とは尺度が違う、神様ならではのスケール感をなくさないよう心掛けています。
そこをキープしながらも、マンガのキャラとしての魅力と、神話へのリスペクトの両立が、難しい部分でありこだわりポイントでもあります。
――男性キャラは神様としての威厳がありつつ、かわいかったり、おもしろかったり、人間嫌いのアヌビスみたいにこじらせたキャラもいて、多彩な個性をみせてくれます。
酒井:モチーフの神話に登場する神様自体が親しみやすかったり、個性的だったので、そこを踏襲しています。読んでいてなるべく共感しやすい性格付けを意識しながら、津山先生が書くセリフ回しも素敵なので、魅力を感じてもらえていたらいいですね。
津山:セリフの言い回しは、最終的には酒井先生にお任せしているので、酒井先生発のものも多いんです。