マンガ・ラノベ
十文字 青×BUNBUN 『恋は暗黒。』発売記念インタビュー

人気ラノベ『薔薇のマリア』のタッグ再び! 十文字 青×BUNBUN 新作『恋は暗黒。』発売記念インタビュー

全27巻に及ぶロングシリーズとなった『薔薇のマリア』や『灰と幻想のグリムガル』などで知られる小説家の十文字 青さんと、『勇者である』シリーズや『ソードアート・オンライン』(abec名義)など人気ラノベのイラストを手掛けるBUNBUNさんの強力タッグによる注目の新刊『恋は暗黒。』が2022年8月25日にKADOKAWA MF文庫Jより発売!

『恋は暗黒。』は高校生でありながら暗殺者の高良縊想星(たからいそうせい)と、彼に恋して付き合うようになった同級生の白森明日美、同じクラスで目立たない女子、羊本くちなの3人の奇妙な関係、そしてせつなくも美しい「恋愛暗黒譚」を描いた作品で、十文字先生いわく「普通ではないラブコメ」になっています。

『恋は暗黒。』の発売を記念して、十文字先生とBUNBUNさんの対談が実現! 気になる本作のテーマや内容のご紹介に加え、お二人が初めてタッグを組んだ『薔薇のマリア』の時の想い出や、お互いの印象など語っていただきました。

十文字先生のデビュー作『薔薇のマリア』で初タッグ! 先生がBUNBUNさんにお願いした理由とは?

――お二人が初めてご一緒した作品とタッグを組むことになった経緯をお聞かせください。

十文字 青先生(以下、十文字):デビュー作となった『薔薇のマリア』です。

BUNBUNさん(以下、BUNBUN):僕もイラストレーターを始めてからデビューしたてくらいの頃でした。

十文字:イラストを誰にお願いしようかなと編集長や担当編集の方とネットなどで探していた中で見つけた中のお一人でした。僕と当時の編集長は最初からBUNBUNさんを推していて、担当編集の方は別の方を推していましたが、僕が「どうしてもBUNBUNさんがいいです」とワガママを通させていただきました。そしてBUNBUNさんにお願いしたら快諾していただいて、シリーズが終わるまでご一緒させていただきました。

BUNBUN:『薔薇のマリア』のお仕事が始まった時はまだ大学一年生でした。

十文字:描いていた絵も今とはだいぶ違う感じでしたよね?

BUNBUN:そうですね。当時は黒ベタな線で強弱を付けたり、彩度も低めで。当時の担当編集者さんと打ち合わせのたびにバトルしていたのを覚えています。「彩度を上げて」「いや、低いほうがカッコいいんですよ」みたいな(笑)。

十文字:僕は当時のBUNBUNさんが描いていた絵がいいなと思っていたけど、編集者さんの目線ではもっと明るく、目を引くような色のほうがいいという考え方だったんでしょうね。描いていただいたラフを見た時点で「やっぱりBUNBUNさんでよかった」と思いました。

BUNBUN:そういえば、僕を選んだ理由として挙げた絵の彩度もかなり低かったですよね。

十文字:イラストを描いていただく会議の時、各イラストレーターさんが描いた絵を印刷して見ながら話したんですけど、実はその前からBUNBUNさんの絵を見たことがあって。イラストレーターさんのサイトを収集しているサイトがあって、僕もよくチェックしていたので。BUNBUNさんは他のイラストレーターさんと違う感じだったので、印象に残っていました。

BUNBUN:ありがたい(笑)。

十文字:でも『薔薇のマリア』以外にも、同時期に複数の作品で描かれていましたよね?

BUNBUN:1カ月の間で、ラノベの4シリーズの絵を描くお話をいただいた時もあって。おいしすぎるから「全部受けます!」とお返事しましたが、さすが4つ目はやめたほうがいいと言われて、やめました。それでも大学に行く時間がなくなったり大変でしたけど(笑)。
 

『薔薇のマリア』は絵の変化や成長が見られるBUNBUNヒストリーそのもの

――お互いの作風や人柄についての印象をお聞かせください。

十文字:だいたいは間に編集の方を挟む形だったので、直接お話しする機会はほとんどなかったんですけど。。

BUNBUN:忘年会や新年会の時くらいかも。

十文字:そういえば、webラジオ(『ラジオ・薔薇のマリア』)の時、一緒に収録に立ち合いましたよね。

BUNBUN:我ながら若かったなと思うので、あまり語りたくないです(笑)。

十文字:僕には年齢が離れた弟がいるので、ちょっと弟みたいな感覚もありました。イラストレーターさんとしてたくさんお仕事をされているし、不安を感じることは一切なく。毎回描くごとに変化していく印象もあって、上がってくる絵を見るのがいつも楽しみでした。

BUNBUN:『薔薇のマリア』を全巻並べさせていただくと、まるでBUNBUNヒストリーみたいで。「この巻あたりで今の僕の感じが出来上がったな」とかわかりやすいとよく言われます。

十文字:BUNBUNさんは目の大きさや体のバランスなんかも結構違っていたりして、そういう揺らぎとか幅のある不安定さも魅力かなと思います。だからこそ、今回のように新しいシリーズが始まる時はまた違うBUNBUNさんが見えてくるし、チャレンジしている部分も感じられるので楽しみなんです。僕も小説を書いていると毎回違う書き方をしちゃうので、共感するところもあります。

BUNBUN:『薔薇のマリア』の頃は青さんの文章を読んで、「どう描けばいいんだ!?」と悩むことが結構あって。普通のファンタジーではなかったので、めちゃめちゃ鍛えられたなと。

十文字:BUNBUNさんなら、どんな文章を書いてもちゃんと絵にしてくれるだろうと。ただ、たしかにかなりめちゃめちゃなことをやっていたので、大変だったんだろうなとは思いますが(笑)、それでもしっかり絵にしてくれるので、絶大な信頼感があります。

十文字先生作品は各キャラが活き活きしつつ、辛さと希望が!?

BUNBUN:大元の文章に破綻している設定がまったくなくて、ちゃんとした世界観を作っていただいていたので、知らなくても想像することができたんです。

十文字:上がってきた絵を見たら、「すごいの書いたな」というものも結構ありましたよ。「そこまで面倒くさいものを描かなくてもいいのに」とか「これ動いたら大変だよ」みたいな。でも一緒に仕事をしてきた中で、こちらから特に要求しなくてもそういう絵をどんどん描いてくれるので、細かく言う必要もなく、お任せできるんですよね。「BUNBUNさんが上げてきた絵なら、これでいいな」と。

BUNBUN:でも『薔薇のマリア』時代から作品内のファッションブランドの設定とかありましたよね。今では珍しいことではないけど、当時は僕自身もまだファッションもよくわかっていなかったので、「理解度が高くなった今だったらもっと上手に描けたのに」と思ったりして(笑)。

十文字:今はおしゃれになりましたよね。久しぶりに会った時、キラキラした、すごくいい服着ているからビックリしちゃって。

BUNBUN:東京の風に染まったので(笑)。京都にいた時は夏には甚平を着ていればよかったけど、東京では着る服がなくて。また会社に就職した時、同僚が履いていた有名ブランドのスニーカーを手に取って見させてもらって、「これがハイブランドか」と(笑)。

十文字:最初の1、2回はファッションショーとかの写真を出して、コスチュームの指定とかしたことがありました。BUNBUNさんは吸収力も高くて。

BUNBUN:それっぽく描くのは得意かも。またマニアックすぎず、読者の方がわかるラインという部分でも、僕の知識でちょうどよかったのかもしれません(笑)。

――逆にBUNBUNさんから見た十文字先生の作風の印象は?

BUNBUN:僕にとって十文字先生といえば『薔薇のマリア』の印象が強くて。当時は王道のファンタジー作品が多い中、知らない世界なのに実在するように感じられるリアルさがあって。キャラクターも記号化されず、一人ひとりが生きていて。でもみんな、辛いなと(笑)。

十文字:そうなりがちなところはあるかも。

BUNBUN:でも辛さに屈するのではなく、それぞれ希望を持っているというイメージがあります。

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