
『天幕のジャードゥーガル』第4話「炉の主(オッチギン)」を振り返り|ヤギをさばくシタラの「手」が物語る、モンゴルで過ごした8年
2026年7月4日(土)より放送がスタートしたTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』。トマトスープ先生による人気漫画を原作に、総監督・山田尚子さん、監督・Abel Gongoraさん、アニメーション制作・サイエンスSARUという豪華スタッフで描かれる歴史ドラマです。
シタラが、ソルコクタニの指南役となってから8年。モンゴル帝国で暮らすシタラは、復讐を胸に秘めながらも、その文化や暮らしにすっかり馴染んでいました。今回は、ヤギを解体するシーンをはじめ、モンゴルで生活者として生きるシタラの姿に注目しながら、第4話を振り返ります。
ついにソルコクタニの目的を知る
第4話前半では、ソルコクタニのもとで『原論』の指南役を務めるシタラの姿が描かれました。ソルコクタニが知を求める理由は、自らの夫・トルイ、そしてモンゴル帝国の未来のため。「世界は草原よりも広い」という考えのもと、西方の知識を取り入れ、より豊かな国を築こうとしていたようです。
シタラは、ソルコクタニの側近として指南役を務めていくものの、自国の未来を真っすぐ語る彼女の姿に強い憎しみを抱かずにはいられない。同じ『原論』を求めながらも、その目的はまったく異なる、そんなふたりの対比が印象的に描かれたシーンになっていました。
生活者の大きな手
指南役になってから8年後、皇帝であるチンギス・カンが崩御。新たな皇帝を決める「総会議(クリルタイ)」が開かれる中、シタラはヤギの解体を任されていました。
イスラム教徒だった頃とは異なる方法で手際よくヤギをさばく姿から、モンゴルで過ごした8年という歳月が感じられます。『原論』を取り戻すと決意しながらも、現実には何ひとつ行動を起こせないまま時間だけが流れていく。そんな焦りを抱えながらも、彼女の身体にはすでにモンゴルでの生活が染み付いているようです。どれだけ強い憎しみを抱えていても、人間は環境に「慣れる」ものなのだと改めて感じさせられるシーンでした。それは残酷でもありますが、生きていくために必要な機能でもあるのでしょう。
そして、この解体シーンで注目したいのは、シタラをはじめとする女性たちの「手」です。原作からそうですが、本作のキャラクターは手足が大きく描かれています。キャラクターの等身に合わせたデザインなのか、それともトマトスープ先生ならではの特徴なのかは定かではありませんが、この表現は物語にも影響を与えているように思えます。ヤギを解体するその大きな手は、力強く、生活者らしい逞しさにあふれていて、思わずグッときてしまいました。そしてシタラは、ヤギの内臓からあるものを見つけ出します。
新皇帝は……
「総会議」開始から41日目。ついに新たな皇帝が決まります。皇帝に選ばれたのは、トルイではなく、その兄・オゴタイでした。慣習ではなく、父・チンギス・カンの遺言によって、賢者として知られるオゴタイが指名されたようです。
トルイもまた兄の即位を受け入れ、「自分一人ではなく、兄弟たちで力を合わせて国を強くしていく」と語ります。その姿からは、兄弟同士の信頼関係もうかがえました。
しかし、その夜。ソルコクタニはシタラへ「密偵になってちょうだい」と衝撃的な命令を下します。ソルコクタニの狙いとは何なのか。そして『原論』のそばまでたどり着いたシタラは、この命令を受けてどう動くのでしょうか。
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作品概要
あらすじ
復讐の絆で結ばれた二人が、地上最強の帝国に嵐を起こす――。
母を亡くし、故郷からも遠く引き離された幼い少女・シタラは、
学者一家の心優しい奥方・ファーティマに拾われる。
「勉強して賢くなれば、どんなに困ったことが起きたって何をすれば一番いいのかわかるんだ」――
ファーティマの息子・ムハンマドの言葉に心を揺さぶられたシタラは、
"知"の可能性と大切さを知り、教養を深めていく。
いつの日にか、ムハンマドに追いつくことを夢見て……。
その頃、皇帝チンギス・カンによる地上最強の「モンゴル帝国」が日に日に勢力を拡大していた。
その歴史のうねりは、ついにシタラの住む街をも巻き込んでいく。
帝国の第四皇子トルイによってすべてを奪われ捕虜となったシタラは、
ただ一つ残った“知恵”を駆使して王族に取り入り、帝国を内側から崩壊させようと決意する。
奥方から受け継いだ"ファーティマ"を名乗って。
心に復讐の炎を宿しつつ、表向きは帝国に仕える身となったシタラはある日、第三皇子オゴタイの第六妃ドレゲネと運命的な出逢いを果たす。彼女もまた壮絶な過去を抱え、心の内に帝国への深い恨みを秘めていた。
シタラとドレゲネ。
出逢うはずのなかった二人が手を取り合うとき、運命が大きく動き始める
キャスト
(C)トマトスープ(秋田書店)/天幕のジャードゥーガル製作委員会































