アニメ

2022-10-07 16:00

悪魔の心臓を持つデビルハンター「チェンソーマン」降臨！ TVアニメ『チェンソーマン』戸谷菊之介さんインタビュー｜主人公のデンジ役を演じる戸谷菊之介さんいわく「心を揺さぶられながら読んだ作品」

収録で求められたのは「アニメ感を抜くこと」!?

──アニメでの初の主人公キャラを演じるのが『チェンソーマン』だったことにプレッシャーは感じましたか？

戸谷：もちろん感じました！　1話の収録が始まるまでは「どうしよう？」とドキドキや不安でいっぱいでした。

ですが、音響監督の小泉（紀介）さんが作品の方向性を丁寧に説明してくださったり、優しくお話ししてくださったおかげで、安心して収録に臨むことができました。

また共演させていただく皆さんも優しくて、温かい現場だったので集中できましたし、緊張もやわらいでいきました。

──収録の時に音響監督に言われたことやディレクションで印象に残っていることは？

戸谷：常々、言われたのは「アニメ感を抜いてください」と。抑揚をつけ過ぎず、自分が普通にしゃべっている感じでやってくださいと言われました。

それは僕だけではなく、他のキャストさんにも求められていて、「今までのアニメの現場とは違うな」という印象がありました。

──ちなみに藤本先生とはお会いされましたか？

戸谷：1話と2話のアフレコに来てくださって、1話の収録前にごあいさつをさせていただきました。

──演じるデンジの印象と魅力を感じる点、ご自身との相違点をお聞かせください。

　
戸谷：デンジは素直なところが魅力かなと思います。良くも悪くも。胸をもみたいとか、マキマさんとエッチなことをしたいとか（笑）。

欲望に正直なのはいいけど、ブレーキが利かないどころか無いんですよね。思いついたことは考えないですぐにやるし、それが例え倫理に反することでも実行してしまって。

僕とデンジとの相違点は、僕も思いついたら、すぐに実行してしまうことはありますが、ブレーキはちゃんとあるので、デンジほどはむちゃくちゃなことはできません（笑）。

──デンジは平穏な生活を求めている割には、言動は破天荒なのがおもしろいですね。

戸谷：もしかしたら彼の育ってきた環境がそうさせるのかなと思っています。それゆえに生まれる発想や行動じゃないかなって。悪魔を思いもよらない方法で倒したり。その何をするのかわからないところがデンジの長所であり、怖さでもあるんでしょうね。悪魔からさえも恐れられるほどの。

──デンジ以外で好きなキャラを挙げるとすれば？

戸谷：やっぱりマキマさんが大好きです。原作を読んでいる時からずっと好きで、デンジとの接し方が優しいし、デンジが求めているすべてをしてくれたり、与えてくれて。

「こんな人がそばにいたら好きになっちゃうよな」と僕も共感できました。収録でも「マキマさんはいい人だな」とか「ドキドキするな」と思いながら演じていました（笑）。

──キャスト発表の時、皆さん仲が良さそうで、収録現場もいい雰囲気なのかなと。

戸谷：休憩や待ち時間では、みんなでしゃべっています。主にファイちゃん（パワー役のファイルーズあいさん）が、話題を出してくれて。

みんな、年齢が近いから話も合うし、おしゃべりしていても楽しくて。「今のここ、よかったね」とアニメや収録について話すこともあれば、他愛もない雑談をしたり。

──その中で戸谷さんはどんなポジションなんですか？

戸谷：変なことを言って、みんなから「元気だね」と言われるポジション（笑）。僕はおもしろいと思ってやっているのに、あまりウケないんですよね。ファイちゃんも同じ立ち位置だと思うけど、彼女はおもしろいことを言ってウケる。

今でも記憶に残っているのは、まだキャスト発表がされる前の収録で、僕が変なことを言った時、「まだ役を下ろせるから」みたいなことを冗談で言われて、すごくビビりました（笑）。

──ほかのキャストさんで、「キャラと似ているな」と思った人は？

戸谷：さかしょくん（早川アキ役を演じる坂田将吾さん）もアキと同じくらい、まじめです。お芝居に対する姿勢はアキがデビルハンターになって銃の悪魔と戦う姿と重なる部分を感じます。

あとファイちゃんとパワーはエネルギー値が高いところとか、楠木（ともり）さんとマキマはどちらも優しいし。楠木さんは同じ事務所の先輩で、憧れの存在でしたし、デンジにとってもマキマは憧れなので、通じるものがある気がします。

──デンジとマキマは掛け合いすることが多いですが、事務所の先輩と一緒に演じてみていかがでしたか？

戸谷：先輩と同じ現場にいられることがまず信じられなくて。でも同じ事務所の先輩、後輩だからこそ出せるものもあったし、結果的に良い方向に作用したと思います。

楠木さんとはアフレコ前にお話しする機会があって、アフレコ用語や流れなど基本的なことを教えていただいたり、現場でもテクニックをたくさん教えていただけて、本当に感謝しています。

MAPPAさんのスピード感と迫力あふれる映像、音楽、演出の素晴らしさにワクワク。1話を見て心を揺さぶられてください！

──ティザーの映像やキービジュアル等をご覧になった感想は？

戸谷：僕も皆さんと同じタイミングでキービジュアルを見ましたが、1枚で世界観が見事に表現されているし、飛び散る血と空の青さのコントラストに美しさを感じました。

ティザーPVもアクション作品に定評があるMAPPAさんがアニメ制作をされているということで、キャラの動きの速さや迫力もすごかったし、演出や音楽にもこだわりが感じられて。

あの短い映像を見ただけでもワクワクしたし、いちファンとしても早く完成したアニメを見たくなりました。

──放送開始まであと少しとなりました。今の心境はいかがでしょうか。

戸谷：ドキドキしていますが、アフレコでは全力を出し切ったし、ほかのキャストさんやスタッフの皆さんと一緒に作り上げたので自信がありますし、今は楽しみな気持ちのほうが大きいです。

──本作の見どころや注目ポイントをお聞かせください。

戸谷：原作の魅力を存分に活かしたMAPPAさんによる素晴らしい映像はもちろんですが、我々キャスト陣も、キャラクターたちが現実に存在しているように感じてもらえる芝居感にこだわって演じているのでそこも楽しんでいただきたいです。

デンジ的には、初めてチェンソーマンになる前のポチタとの掛け合いとモノローグは気持ちの変化を出し切れたなと実感できるシーンだったので、注目してみてください。

──皆さんへメッセージをお願いします。

戸谷：原作ファンの方やアニメファンの方だけではなく、アニメを普段見ない方にも見てほしいです。

中山（竜）監督もおっしゃっていましたが、絵がリアル寄り、写実的になっているし、それに合わせて芝居や声も作っているので、普段アニメを見ていない方でも見やすくなっていると思います。

魅力的なキャラクターが多いので、キャラ推しで見るのもいいかなと。僕はデンジを推してもらえたら嬉しいです（笑）。誰が見ても心を揺さぶられる作品になっていますので、まずは1話を見て、心を揺さぶられまくってください。

TVアニメ『チェンソーマン』作品情報

10月11日(火)24:00よりテレビ東京他にて放送、25:00よりPrime Videoにて最速配信

イントロダクション

『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの『チェンソーマン』として蘇る ── 。

スタッフ

原作：藤本タツキ（集英社ジャンプコミックス刊）
監督：中山竜
脚本：瀬古浩司
キャラクターデザイン：杉山和隆
アクションディレクター：吉原達矢
チーフ演出：中園真登
悪魔デザイン：押山清高
美術監督：竹田悠介
色彩設計：中野尚美
画面設計：宮原洋平
音楽：牛尾憲輔
アニメーションプロデューサー：瀬下恵介
制作：MAPPA