映画
北川理恵&Machico 対談で明かされる『プリキュア』への思い

『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』同時上映作『わたしだけのお子さまランチ』を彩った北川理恵さんとMachicoさんとロングインタビュー「私たちだからこそできる歌に」

 

歌で少しでもみんなのことを元気づけられたら

©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

 

──映画では最後に流れるそうですね。本編を挟んで、絆がつながっていくかのように最後に流れるっていう。

北川:(インタビューは映画試写・公開前だったため)詳しいことは今知りました! イメージにピッタリですね。

Machico:試写会にもお邪魔させてもらう予定なのですが、その後、映画館でも見たいなと思っています。楽しみ!

北川:子どもたちを見るために映画館に行ってるよね(笑)。

Machico:でも私が参加させていただいたときには、もう(子どもたちがプリキュアを声で応援するシーンが)もうなかったんですよね。

北川:ああ、そうか! ライブもそうだね。「一緒に歌ってね」ってことができなかったんだ。

Machico:だからそれを経験しているのがすごく羨ましいです。私はどちらかというと「静かに応援してね」ってアナウンスすることが多くて……。

皆さんが我慢している姿しか見ていないんです。プリキュアを応援してくれる方たちにお会いできたのも数えるくらいしかなくて。

私はプリキュアの(ランチ・)ディナーショーも1回もやったことがないんですよ。開催の予定はあったんですけど、コロナ禍の影響で全部飛んでしまったんです。

北川:嘘でしょ!? ……このさき、素晴らしいことがいっぱいあるよ!!!!! たぶんね、子どもたちが声を上げてる姿を見たら大号泣すると思うよ!

Machico:きっと泣いちゃうと思います(笑)。でも理恵さんたちが「あの時はね」と、当時の様子を教えてくれるので嬉しいです。いつか、できることを楽しみにしています。

でもせめて子どもたちだけでも変わっていけたらいいなと思うんですけど……難しいですよね。最近の子どもたちは本当に大変な時代だ、と思います。

──我慢が当たり前の時代になってしまいましたよね。

Machico:話が変わってしまうんですが、コロナ禍に入ってもう3年が経つんですよね。中学に入学した子が卒業する時期になる。学校生活の中で修学旅行をできていない子もいるだろうなと考えたら、ものすごく悲しい気持ちになりました。

子どもたちの3年間ってとても大きなものだと思うんです。仕方がない状況ではありますが、子どもたちがなんでこんなにも我慢しなければいけないんだろうって。

北川:リモート授業ばかりだから友だちができないまま就活になる大学生もいるとうかがいました。友だちが作りにくい環境になってしまったなと。

──『デパプリ』のリレーインタビューで、茅野愛衣さんから「給食だって机をつけて食べたいけど難しい。今は難しいかもしれないけど、その楽しさを忘れてほしくない。そして、世の中が以前のようになったら、笑顔でご飯を食べてほしい。そういった願いがこの作品には込められていると制作陣の方からうかがいました」といったお話を聞いて、「ああ、なるほど」と。

北川:……今、その話を聞いて泣きそうです。どうか、楽しくみんながご飯を食べられる世の中になりますように……。子どもたちが幸せになれる世の中を作りたい。

Machico:「レッツ! fun fun time!」には歴代のプリキュアのつながりが描かれていますが、それは私たち人間同士のつながりにも置き換えることができると思うんです。歌で少しでもみんなのことを元気づけられたらいいなって思います。

北川:本当にそうだね。

 

北川さんにとっての「プリキュア」

──北川さんにとって、プリキュアの存在を言葉にするとどうでしょうか? Machicoさんには同様の質問をさせていただく機会があったのですが、北川さんに直接お会いしたら聞いてみたくて。

北川:私はプリキュアで人生が変わったと言っても過言ではありません。それまでは舞台でのお仕事しかしたことがなかったので、(テレビシリーズのアニメ番組で)主題歌を歌わせていただくのは初めてだったんです。

私は『おジャ魔女どれみ』世代だったので、子どものときに『プリキュア』シリーズを通っていなくて。2015年にはじめて歌わせていただいたときに、『プリキュア』シリーズ、アニメの世界を知りました。

©ABC-A・東映アニメーション

©ABC-A・東映アニメーション

 
歌わせていただくにあたって、制作陣の方々からプリキュアに込められた思いや考え方、メッセージをうかがいました。

その時に「子どもたちに対して、大人がこれだけの熱量を持って作っているものなんだ」とすっごく感動したんです。

そこから1年間かけて『プリキュア』シリーズを見ていく中で、プリキュアたちの成長はもちろん、「大人たちの伝えたかったメッセージがここに入っている」と思うと、それだけで涙が出てしまう……というか、今、こうやって話しながら、実際に泣いてしまっているんですけども(苦笑)。来年は20周年。いったいどれだけの人の思いがつながってきたんだろうって。

『プリキュア』シリーズには、主題歌、挿入歌、イメージソング、映画主題歌……と、さまざまな曲があります。

そこには歌手だけではなく、作詞家・作曲家さんがいて、楽器を弾かれる方、まとめられる方、それを視聴者の方につなげてくださる方がいて。私はそこにただのっかっているだけじゃダメだと。

「その人たちの思いも歌に込められないなら、私はこれから歌の仕事はしちゃだめだ!」と覚悟を決めたのがプリキュアでした。

今こうやって言葉にすると怖くて震えが止まらなくなるんです。

でもそれだけ、思いが詰まっているアニメだからこそ、20年つながってきたんだと思います。きちんと話すつもりが泣いてごめんなさい。

──ごはんを作る工程じゃないんですけど、クレジットには名前がない方たちもたくさん協力して、思いをつなげて、1曲ができあがっているんだなと思うと、改めてグッとくるものがあります。決して当たり前ではないんですよね。

北川:ごはんで例えるとわかりやすいかもしれません。その材料を作る人がいて、材料を調理する方がいて、食べる方がいて。ものすごい人たちのエネルギーが込められているんだなと思うと、いろいろなことを勉強した上で、全身全霊を込めて歌っていきたいなと。

それだけの思いを持ったプリキュアたちがいるから、大人たちも身を粉にして作品を送り出している。

そして、子どもたちもその熱量やメッセージを感じているからこそ、きっと好きになってくれるんだろうなって。本当にすごい作品だなと思います。

──『プリキュア』シリーズでその覚悟を決めたことで、北川さんのシンガーとしての在り方というのも変わっていったのでしょうか。

北川:変わったと思います。それに気づけたことは大きかったです。私は普段ミュージカルに出演させていただくことが多いので、作品内でどういう心の流れがあるのか、作品が生まれるまでの過程などをなるべくうかがうようになりました。

人に対して敬意を払って、尊重する気持ちを持った上で作品に向き合いたいなと思っています。

──Machicoさんがずっとうなずかれながら話を聞かれていて。

Machico:そういうことを言葉にできるのがすごいなって。私も意識はしているつもりなんですけど、自分の心情を言葉にするのが苦手なんです。しかも、理恵さんはその覚悟を表現で作品に返していることを近くで見ていても感じるので。

プリキュアシンガーの先輩たち、第一線で活躍している方々は、常に謙虚で、探究心がすごいし、細部まで気を使われている印象があります。普段の会話でこういうお話は聞けないので、インタビューの場ってすごく貴重だなと改めて思っていました。

北川:普段はこういう話、絶対にしないもんね(笑)。

──「レッツ! fun fun time!」にはおふたりのユニゾンで<ムガムチュウ!です!>という言葉があります。制作陣、シンガーの皆さんもまさに<ムガムチュウ!>に作品に取り組んでいるんだなと改めて思いました。

北川:そうですね。本当に無我夢中。

Machico:本当にそうです。そして、その一方で、さらに視野を広げていかなければいけないなとも思いました。

 

「このマインドを次の世代にもつなげていきたい」

──インタビュー時点では、映画公開がまもなくというタイミングです。

北川:私たちの歌がどんな感じで最後につながるんだろうってところも楽しみなんですけど……後本萌葉さんが歌われている、映画本編の主題歌の「ようこそ、お子さま♡ドリーミア」がすっごく気になっているんです! 特報や予告を見る限り、全部の曲調が違うから「どうなってるんだろう!」って楽しみにしています。

 

──8分の超大作なんですよね。組曲のようにつながっていて。

北川:8分!?

Machico:はじめてきたプリキュアの曲が8分超えってすごいですよね。

北川:そうか、初めての曲が!

──しかも初レコーディングで、初ライブなんですよね。

Machico:しかも初レコーディング時はまだ10代だったんですよね?

北川:すごい! すごい経験をしてる! 

Machico:シングルのリリースイベントのときに挨拶しにきてくれて。すっごく華奢で透明感のある方という印象でした。

北川:あなたも透明感があるよ!(笑)

──でもこの「レッツ! fun fun time!」もギュッと凝縮していますけど、まるで組曲のようにつながっている印象があります。

北川:言われて気づきましたけど、確かにそうかもしれないですね! いろいろなテイスト、音楽の歴史が混ざってますしね。

──あっという間に終わりのお時間になってしまって。

北川:あら、本当だ! あ〜! 泣く予定じゃなかったのに〜!(笑)

──でもプリキュアの話題って、お話を聞いている私も涙腺がゆるんでしまうことが多くて。さきほども涙をこらえていました。曲も同じことが言えるんですけど、すごく楽しいメロディーでも気持ちが高ぶってしまうんです。

北川:わかります。私も曲を聴いていると泣いちゃいます!

Machico:そうなんですよね! すごく語ってるわけではない、柔らかい言葉でもグッとくるものがあって。だからこそ、子どもたちにも伝わるものがあるんだと思います。大人になっていろいろなことを経験すると「この言葉の裏にはこんな気持ちが込められている」と想像してしまうんです。

今日、理恵さんのお話を聞いて、改めて、今以上に曲の理解を深めて歌っていきたいなと思いました。そして、理恵さんのマインドを私も受け継いでいきたいし、次の世代にもつなげていきたいなって思いました。

北川:Machicoちゃんの背中を見てるから大丈夫だよ。十分やってるよ! そこは自分で自分を認めてあげてほしい!

Machico:プリキュアたちもいつも言ってますもんね(笑)。

  
[取材・文/逆井マリ]

 

『 映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ! 』同時上映『わたしだけのお子さまランチ』主題歌シングル CD情報

CD+DVD

価格:2,200円(税込)

 

通常盤

価格:1,320円(税込)

『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』作品情報

タイトル『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』
同時上映『わたしだけのお子さまランチ』
2022年9月23日(金・祝)全国公開
配給:東映

©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

 

ストーリー

みんなー!あたし、和実ゆい!食べるの大好き中学2年生!

あたしたちの住むおいしーなタウンに、「お子さまランチのテーマパーク<ドリーミア>」が突然現れたんだ!

あそび放題、たべ放題なんだって!わあー!はらペコった~!みんなで行ってみよー!♪

デリシャスマイル~!なアトラクションがたくさん♡
コメコメたちは、園長のケットシーさんにお子さまランチをごちそうしてもらったみたい。

みんなで楽しくあそんでいたんだけど…、ええ!?大変!!マリちゃんがぬいぐるみになっちゃった!?

<ドリーミア>にはなにかヒミツがあるの…!?
お子さまランチみたいに、想いをあつめたらコメコメが奇跡を起こしちゃう!?

 

スタッフ

原作:東堂いづみ
監督:座古明史
脚本:田中仁
音楽:寺田志保
総作画監督・キャラクターデザイン:松浦仁美
作画監督:廣中美佳
美術監督:渡辺佳人
色彩設計:清田直美
撮影監督:髙橋賢司
製作担当:星郁也
映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会:東映アニメーション、東映、ABCアニメーション、バンダイ、ADKエモーションズ、マーベラス

映画主題歌:「ようこそ、お子さま♡ドリーミア」
歌:後本萌葉、作詞:大森祥子、作曲・編曲:森いづみ

 

声の出演

菱川花菜
清水理沙
井口裕香
茅野愛衣
高森奈津美
日岡なつみ
半場友恵
前野智昭
内田雄馬
花江夏樹
和牛(水田信二・川西賢志郎)

 
映画公式サイト
映画公式ツイッター(@precure_movie)

 
©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

 

TVアニメ『デリシャスパーティ♡プリキュア』番組情報

『ごはんは笑顔♡みんなあつまれ!いただきます!!』

 

放送情報

ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットにて2022年2月6日(日)朝8時30分よりスタート

※BSS山陰放送では2月13日(日)朝6時15分よりスタート

 
★各見放題サービスにて、毎週水曜日より見逃し配信中!
配信サービスの詳細はコチラから

 

あらすじ

この世のおりょうりをつかさどるふしぎなおいしい世界・クッキングダム。ある日、クッキングダムが大切に守ってきた全てのおりょうりの作り方が書かれたレシピボンが、怪盗ブンドル団にぬすまれたからさあ大変!すべてのおりょうりをひとりじめしようとたくらむブンドル団が、つぎに狙うのはおりょうりの妖精【レシピッピ】…!!

レシピボンを探しに人間界のおいしーなタウンにやってきたエナジー妖精たちのちからを借りて、ひょんなことから、3人の普通の女の子がプリキュアに変身!レシピボンを取り戻し、みんなのおいしいえがおを守るため、ブンドル団に立ち向かう!

 

キャスト

和実ゆい/キュアプレシャス:菱川花菜
芙羽ここね/キュアスパイシー:清水理沙
華満らん/キュアヤムヤム:井口裕香
キュアフィナーレ/菓彩あまね:茅野愛衣
コメコメ:高森奈津美
パムパム:日岡なつみ
メンメン:半場友恵

 

スタッフ

原作:東堂いづみ
シリーズディレクター:深澤敏則
シリーズ構成:平林佐和子
キャラクターデザイン:油布京子
美術:増田竜太郎
色彩設計:清田直美
音楽:寺田志保

 
番組公式サイト
番組公式ツイッター(@TVanime_precure)
番組公式Instagram
公式ツイッター(@precure_marv)

 
 
©ABC-A・東映アニメーション

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