映画
『GAMERA -Rebirth-』に備えて「平成ガメラ三部作」の魅力を振り返る

ガメラ復活! 『GAMERA -Rebirth-』に備え、いま改めて振り返っておきたい「平成ガメラ三部作」の魅力!

2022年11月17日。昭和から平成にかけて、世界の怪獣ファンに愛されてきた大怪獣ガメラ。その新作の製作が決定したというニュースが、Twitterで「ガメラ、復活──」の文字とともに公開されました。

タイトルは『GAMERA -Rebirth-』。

Netflixでの世界配信が決定し、特報映像やティザービジュアル2種も公開。さらに、「平成ガメラ三部作」で監督を務めた金子修介氏からの応援コメントも到着しました。

Twitterでは「ガメラ新作」「ガメラ復活」などのワードがトレンド入り。とくに、「平成ガメラ三部作」のファンは大いに盛り上がり、早くもどんな物語になるのか、令和のガメラはどんな姿をしているのかと期待が高まっています。

しかし、今回初めてガメラを見るという方からすると、なぜガメラ復活が盛り上がっているのか、そもそも「平成ガメラ三部作」とは何かがわからないかもしれません。

そこで今回は、令和のガメラ復活に備えて、ガメラシリーズでもとくに人気の高い「平成ガメラ三部作」の魅力をお伝えし、さらには『GAMERA -Rebirth-』のティザービジュアルに見られる「平成ガメラ三部作」との共通点を探っていきたいと思います。

 

目次

ガメラとは?

 
ガメラは、『ゴジラ』のヒットを受け到来した怪獣映画ブーム時に登場した怪獣で、1965年に『大怪獣ガメラ』でスクリーンデビューを果たしました。

どのシリーズにおいても共通して、下あごから生えた一対の牙、そして何といっても背中の甲羅が特徴的。そして、口からは火を吐き、発達した両腕による格闘も得意。相手をつかんで投げ飛ばすのはもちろんパンチも強烈です。

さらに、移動方法も非常に独特。なんとカメよろしく手足・頭・尾も引っ込め、引っ込めた先からジェット噴射! その勢いを利用して高速回転し空を飛べるだけでなく、そのまま体当たりをすることも。

 

「平成ガメラ三部作」とは?

 
「平成ガメラ三部作」とは文字通り平成初期に製作されたガメラの映画三作のことであり、第一作目から順に『ガメラ 大怪獣空中決戦(以下、GⅠ)』『ガメラ2 レギオン襲来(以下、GⅡ)』『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒(以下、GⅢ)』の三作を指します。

ちなみに、1965年~1980年に公開されたものを「昭和ガメラ」。1995年~1999年に公開されたものを「平成ガメラ三部作」。2006年に公開されたものを「新生版」と大きく三つに分類され、それぞれのシリーズで設定などが大きく異なります。

 

平成ガメラ三部作の魅力を紹介

ここからは、「昭和ガメラ」「平成ガメラ三部作」「新生版」の中でもなぜ「平成ガメラ三部作」が人気なのかを、「設定」「映像技術」「主題歌」に分けてお話しするとともに、そこから見えてくる『GAMERA -Rebirth-』についても考察したいと思います。

 

魅力①緻密でシリアスな設定

「平成ガメラ三部作」のストーリーや設定は非常にシリアスで、大人でも楽しめる映画となっています。

ガメラをはじめ敵として登場する怪獣たちの設定も非常に細部まで練られており、さらには登場人物たちも非常に魅力的。

まるでもう一つの現実を見ているかのような没入感を味わうことができます。

 

生態系の守護神「ガメラ」

 
ガメラは先述の通りカメのような姿をした巨大な怪獣であり、プラズマ火球を口から放出するなど攻撃力が非常に高くなっています。

通常の生物とは思えない能力を有するガメラですが、それもそのはず。なぜならガメラは、地球・生態系を守るために造られた古代の生体兵器なのです。

進化のスピードは異様であり、映画に登場するガメラは三部作通して同一個体にも関わらず、その姿は大きく変容してより戦闘に適した体となっていきます。

『GⅠ』、『GⅡ』では人類の味方であるかのような描写もされましたが、それは「人間に対して友好的」なのではなく、あくまで生態系を破壊する怪獣から現存する生物を守った結果によるもの。

そのため必ずしも人間に無害というわけではなく、『GⅢ』では周囲への犠牲は考えずに渋谷のど真ん中でプラズマ火球を放ち、1万人以上の犠牲者を生み出しました。

その結果、『GⅡ』ではガメラと共闘していた自衛隊も『GⅢ』ではガメラを敵として認識して対処するようになります。

この自衛隊の現実的な対応も物語の魅力の一つであり、撮影には自衛隊の全面的な協力も得ていてSFとはまた違ったリアルさが描かれています。

ちなみに、平成三部作の世界ではカメという生物は存在していません。そのため、劇中ではガメラのことを「カメの怪獣」と呼称することもなければ、「カメ」というワードも出てきません。そういった細かい設定にも注目してみるとおもしろいかもしれませんね。

 

人類を滅ぼす存在「ギャオス」

 
ギャオスは昭和ガメラから登場している鳥型の人気怪獣で、巨大な翼による飛行戦を得意としており武器はどんな硬いものでも切り裂いてしまう超音波メス。

『GⅠ』では3匹の個体が登場し、3匹ともに人間を執拗に襲う習性があります。2匹はガメラにより倒されてしまうのですが、生き残った1匹はさらに成長し、再び人間を襲いだします。

その正体は古代アトランティスにより造られた生体兵器であり、多くの生物の優秀な遺伝子が組み込まれた生物として完璧すぎる存在。

しかも単体生殖が可能で放っておけば際限なく増え続けると非常に厄介です。「人間は滅ぶべき」という古代人の考えのもと生み出されたという推察もされるほど徹底的に人間を狙います。

街中で走る電車に並走し、そのまま強靭な脚で車両を持ち上げてしまうという非常に恐ろしいシーンも。

また、頭脳も発達しており自衛隊の追尾ミサイルを誘導して東京タワーを破壊させ、そこに堂々と営巣するなど悪役怪獣にふさわしい活躍をしています。

また、『GⅢ』ではさらに進化した「ギャオス・ハイパー」が大量発生。ギャオス・ハイパーの大群がガメラに向かって飛来し、それを迎え撃とうとするガメラの姿で「平成ガメラ三部作」は幕を閉じます。

戦闘能力ではガメラに一歩及ばないものの、人間を執拗に襲うギャオスは『ガメラ』シリーズの中でも非常に恐れられている怪獣です。

 

宇宙から飛来した「レギオン」

 
レギオンはガメラやギャオスのように地球で誕生した生物ではなく、マザーレギオン(本体)とマザーから無数に生み出されるソルジャーレギオン、そして繁殖のためのプラントとまるで軍隊のような構成をしています。

電磁波によるコミュニケーションを行っており、その電磁波を阻害する携帯電話などの電波を発するものは敵とみなし一斉に襲い掛かる習性を持ちます。

その統率の取れた姿を見た自衛隊員により、「軍」「多勢」を意味する「レギオン」と名付けられました。

地球に飛来した目的は繁殖であり、人類を滅ぼすためではありません。

しかし、ガラスなどに含まれる二酸化ケイ素を摂取して大量の酸素を生み出し環境を激変させる、大爆発を起こして卵を宇宙に射出するという繁殖方法に加え、携帯電話などを所持する人間を襲うなどの習性ゆえに人類・地球との共存は不可能。

完全なる「地球の敵」として描かれます。とくに地下鉄でソルジャーレギオンに襲われるシーンはトラウマ級とファンの間でも語り草となっています。

劇中でガメラや自衛隊により再三繁殖の妨害をされたレギオンは、総力を挙げて東京に進軍。

最終防衛ラインである栃木県足利市でガメラと自衛隊との最終決戦に臨みます。このガメラと自衛隊のシーンが非常に熱く、それでも終盤まで有利に戦いを進めるレギオンの強さは圧巻です。

ガメラも自分の力では倒しきることはできず、自衛隊の協力に加えて地球上のエネルギー(マナ)をかき集め、それをお腹から一気に放出する「ウルティメイト・プラズマ」によりどうにか倒せました。

一度はガメラを倒し、最終戦でもガメラ単体では勝てなかったことからガメラシリーズの中でも屈指の強さを誇る怪獣です。

 

際限なく進化する「イリス」

 
イリスは日本のとある田舎の祠に封印されていたギャオスの変異体。レギオンを倒すためにガメラが地球上のマナを大量に消費したことで封印からよみがえりました。

生まれたばかりのイリスは人間より大きい動物くらいのサイズであり、カタツムリのような甲殻と長く伸びる複数の職種が特徴的です。

瞳は大きくつぶらですが、頭脳は非常に発達しており性格は狡猾。

『GⅠ』にてガメラとギャオスの戦いに巻き込まれて両親を失い、ガメラを憎んでいる少女を利用して自分を育てさせ、裏では他の生物の遺伝子を吸収して成長。

さらにはその少女すらも取り込み融合を果たそうとします。

融合は失敗に終わるものの、その後は人間を中心に捕食して急成長し、自衛隊が駆けつけた頃には巨大化し人型の成体に変貌。

少女と今度こそ融合するために京都へと飛来します。

ラストバトルは怪獣映画史上初ともいえる京都駅の中。ガメラとイリスのタイマン勝負は圧巻の一言です。

同情を誘い人間すら利用し、その裏では残酷なことを平気でやってのける。さらには遺伝子を取り込んで自在に進化するなどガメラシリーズの中でも凶悪さがにじみ出ていますが、その姿は非常に美しくギャップも大きい怪獣です。

 

警察からホームレスへ「大迫力」

 
「平成ガメラ三部作」にはガメラと唯一心を通わせた草薙浅黄、鳥類学者の長峰真弓、ガメラを憎む比良坂綾奈など魅力的な登場人物が多くいます。

ここでは、怪獣によって人生を狂わされてしまった大迫力(おおさこつとむ)をご紹介。

大迫は『GⅠ』では長崎県で警部補をしており、長峰とともにギャオスに遭遇しました。『GⅡ』ではギャオスに襲われた恐怖から警察を辞め北海道へ。酪農家から警備員へと職を移ります。

しかし、夜の見回りで二酸化ケイ素を求めてやって来たソルジャーレギオンに遭遇。またもや恐ろしい体験をすることに……。

そして『GⅢ』ではホームレスとなり再登場するも、今度はギャオスの墜落に仲間が押しつぶされてしまうなどどんどん追い込まれてしまいます。

それでも再会した長峰に励まされて奮起し、比良坂綾奈に想いを寄せる少年の背中を押すなどの活躍も。「平成ガメラ三部作」すべてに登場し、映画を見る私たち視聴者ともっとも立場が近い重要な人物です。

 

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