冬アニメ『最強陰陽師の異世界転生記』セイカ役 花守ゆみりさん×ユキ役 小倉唯さんインタビュー｜セイカにとってユキは「自分に帰れる場所」。いなければ早々に物語が終わっていたかもしれない!?

小鈴危一先生の小説を原作とし、2023年1月7日(土)よりTOKYO MXほかにて放送開始となるTVアニメ『最強陰陽師の異世界転生記』。

力を持ちすぎたゆえに朝廷の裏切りにあい、命を落とした天才陰陽師・玖峨晴嘉(くがのはるよし)が、自身の編み出した「転生の呪い(まじない)」によって、異世界に転生する、新しい切り口の異世界ファンタジー作品となっています。

アニメイトタイムズでは、アニメ放送に合わせ、出演声優陣へインタビューを実施！

晴嘉が転生した姿であり、本作の主人公となる「セイカ・ランプローグ」役の花守ゆみりさんと、前世の頃から彼を補佐してきた管狐の妖(あやかし)「ユキ」役の小倉唯さんに、本作の魅力を語っていただきました。

お互いから見たキャラクター、お芝居の印象は？

――原作や作品資料を読んだ際の、キャラクターの印象をお聞かせください。

セイカ役・花守ゆみりさん(以下、花守)：オーディションに際し資料を読ませていただいたときから、セイカくんはすごく風変わりな子だと感じていました。また、セイカは指名オーディションでいただいたのですが、こういう立ち位置の男の子は男性の方が演じられることが多い印象があったので、「女性キャストが受けていいんだ」という驚きもありましたね。

強力な陰陽術を「魔法だよ」とごまかしながら使いますし、資料にもちょっと見下しているような表情があったので、「どこまで悪役っぽい顔が似合う子にしようか」と考え、オーディションではけっこう悪めな顔をイメージして臨みました。

――花守さんは、ボーイッシュなキャラクターや少年役はこれまでも担当されているとは思いますが、こういった悪役然としたキャラクターは珍しいように感じました。

花守：「本当にこれで主人公、大丈夫かな？」とマネージャーさんと相談しながら出させてもらった記憶があります(笑)。

――その結果、見事合格ということで。

花守：「どうしよう!?」と思いました(笑)。その後、監督陣とお話しして、セイカくんを成形していったので、オーディションの段階とは全然違う子になったと思います。

――小倉さんはいかがですか？

ユキ役・小倉唯さん(以下、小倉)：ユキは、実はテープオーディションで進んだ役柄だったので、「決まりました！」と急に連絡が来た時はすごくビックリしました。

原作やユキのキャラクター性を見たときにフィーリングを感じたキャラクターで、「演じたいな！」と思って挑みました。テープを録ったとき、事務所の方が「バッチリですね！」と言ってくださったのをよく覚えています。

役作りはスムーズに進んだこともあり、自分の中で楽しくお芝居させてもらったので、「こんなありがたいことってあるんだな」と思いました。アフレコが進んでいく中でも、「テープのままの感じでお願いします」と言っていただけてすごく嬉しかったです。

――最初に、どういったところに魅力を感じたのでしょうか？

小倉：ビジュアルももちろんなんですが、それ以上に、天真爛漫な性格で、コロコロ表情が変わる、ちょっと気分屋さんなところがある、ほっとけない感じの女の子というのが、すごく演じがいのあるキャラクターだなと思いました。

――続いて、お互いから見たキャラクター、お芝居の印象をお聞かせください。

小倉：セイカは、見た目は少年ですが、陰陽師だった前世の記憶を持っていて、その分とても高貴でませているし、冷静で最強と、これでもかというくらいいろいろな要素を持っている子なので、すごく難しいキャラクターだと思いました。

陰陽師ならではの難しい言葉並びも多いので、「本当にゆみりちゃん、すごいな」と思いましたし、声質含め、すごくカッコよかったです。ゆみりちゃんが演じることによって、セイカの良さがより素敵なものに昇華されている印象がありますね。

花守：めちゃくちゃ照れますね(笑)。本当にセイカは難しいキャラクターで、「周りのヒロインに支えられながら私は生きている！」と思いながら演じさせてもらいました。

その中でも、唯さん演じるユキちゃんは、セイカの前世を知っていますし、一番にセイカのことを考えてくれていて、献身的で。だからこそ、時々本当にちゃんと叱ってくれる部分も持ち合わせているんですよね。

小倉：すごくいいコンビだよね。バランスが取れているというか、ちょっと夫婦(めおと)感があるというか。

花守：そう！(笑)　ユキが「(そんな無茶な行動は)ダメですよ！」と言ってくれるんですが、セイカは「そんなこと分かってるよ」と。

小倉：ユキといると、セイカが素でいられるような感じがするのがいいよね。普段は最強なのに、ユキといるとちょっと弱い部分が見えるところがかわいいんです。

花守：表情がゆるくなったり、語尾が伸びてめんどくさそうに話しているところに、気の知れた感じがあって。ユキちゃんの立ち位置って、ペットとかでは全然なく、セイカが使役はしているけれど、もっと近しい関係だと思っています。だからこそユキも、ちゃんとセイカにものを言ってくれるんだろうなと。そういう関係性をセイカが今世も持てたことって、すごく大きなことなんだろうなと思います。

私個人としては、唯さんが演じるユキちゃんが可愛すぎて、口元がゆるまないように必死です(笑)。自分の中の甘やかしたい気持ちと戦いながら演じていますね。出てくるシーンも本当にかわいくて。セイカの髪の毛からひょこっと出てくるんですが、サイズ感にときめいちゃいます。ユキちゃんにはめちゃくちゃ癒されています。

――お互いに癒されているんですね(笑)。作品の世界観やストーリーについての印象もお聞かせください。

花守：セイカ(晴嘉)とユキちゃんが生きていた世界は純和風に近い世界で、転生先の世界とは魔術のあり方や気の流れみたいなものが違うところが面白いですね。「和と洋の魔術をどうやって共存させるんだろう？」と思うところを、(原作者・小鈴危一)先生がうまい具合に「あくまでこれは魔法なんですよ」とごまかして使っているところが、「うまいな」と思いました。陰陽術を魔法のように見せる方法が毎回「こんな抜け道があったんだ！」と驚くものばかりで、先生の考えに感動しています。

妖を呼ぶときの描写も、決め台詞的なものになっていてすごくカッコいいので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。ちょっとカッコよくなりすぎないようにしなきゃと演じていました(笑)。

――カッコよくなりすぎないように、というのはセイカの性格を考えてのことでしょうか？

花守：彼は言い慣れているのもありますし、決めすぎるとセイカくんっぽくないかなとも思って演じました。「ここはカッコつけるか、カッコつけないか問題」は常にせめぎ合っていますね。カッコよくやりすぎて、「ここはもうちょっとカッコよくなくて(抑えめで)いいです」というディレクションをいただいたりもするので。

洋の世界に突然和の要素が出てくるので、そういったときにカッコよく言うか、自然とサラっと言うか、といった塩梅は監督さんと話しながらやらせてもらいました。文章で読んでいたものを映像に落としたときは、印象も変わってくると思うので、そこのアプローチは考えて、「ちゃんとシーンに合ったものにしていけたらな」と思いながら演じさせていただきました。

小倉：物語の初めは陰陽師の世界観が強いんですが、蓋を開けると「最強学園もの」みたいなテイストもあって。そこに魔法を使う設定が織り混ざっていたり、複雑な要素がうまく絡み合ってこの世界観が成立していますよね。

登場人物もみんな魅力的で、すごく素敵だなと思いました。私たちが担当するキャラクターはもちろん、話数が進むにつれて新キャラクターが登場して、妖も増えていきます。いろいろな要素を楽しめるのがこの作品の魅力だと思いました。