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『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』声優・林原めぐみインタビュー

『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』林原めぐみさんが語る、周りの人から愛され灰原「哀」から灰原「愛」へ変わる気持ちの変化/インタビュー

技術の粋と黒ずくめの組織の存在が灰原哀を追い込む

――今作の灰原哀のシーンの中で印象に残っているシーンを教えてください。

林原:『名探偵コナン』を見る時、ちょっとアニメであるという安心感が私の中ではあるんですよね。例えば「渋谷の街があんな巨大なサッカーボールで救われるんか~い!」(劇場版25作目『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』)みたいなのとか。

一同:(笑)。

林原:でもそれを、作品として受け入れてしまう。「あんなのあるわけないだろ」と叩く必要すらない(笑)。

一同:(笑)。

林原:他にも、「シンガポールのホテル壊すんか~い!」(劇場版23作目『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』)とか。

一同:(笑)。

林原:「いろいろやりすぎだろ」というところもあるんですけど、今回の、『パシフィック・ブイ』のシステムそのものが、八丈島に本当にあるんじゃないかと思えるほど、現実味を帯びていましたよね。未来って、ちょっと空を飛べるタケコプターとか、「できないから憧れて」、「できないから面白がれる」ところがあるんですけど、顔認証システムそのものがあまりに現実に近すぎて、実際普通のカメラのアプリでもそういうことが今できますしね。

写真をアニメの画に変えたり、老人や赤ちゃんに変えたり、日常的にアプリで手軽にできる時代。たとえそれが、楽しみや有効利用としての技術だとしても、技術そのものは常に正と負が隣り合わせ。潜んでいる犯罪者を見つけ出すため、行方不明になっている子どもを見つけ出すためなど、多くのメリットがある「技術そのものが、哀ちゃんを追い込む」というまさかの展開。世の中が進化していって、良い方向に、社会のために使っていこうという、プラスのシステムによって追い込まれるなんて、皮肉なものですよね。

黒ずくめの組織であり、APTX4869(宮野志保が両親から受け継ぎ、開発した毒薬。工藤新一や宮野志保を幼児化させた)に関わることのない人生だったら、その技術を単純に喜べるわけじゃないですか。技術の粋と組織の存在が彼女を追いこんでいるというWな設定は、見どころでもありますよね。社会そのものが彼女を追いこんでいるというところは、大きいと思います。

――予告にもありますが、コナンが海中で泳ぐ(潜る)シーンがアナログっぽくて印象的でした。今作で林原さんがお好きなシーンを教えてください。

林原:博士のシーン!! 「ぶつけてでも止めたるわい」は思い出すだけで泣けてきます。いつも博士は影のMVPなんですよね。渋谷を止めたのだって、アイテムを作ったのは博士ですからね。今作で海に潜ることができたのだって、アイテムを作った博士のおかげですし! ただのダジャレおじさん、クイズおじさんじゃないんですよ。

あとは、蘭姉ちゃんにいっそ組織を潰していただきたい!

一同:(笑)。

林原:「そこから飛ぶんだ! 裸足で! 蘭姉ちゃんが一番強い!」次のお話からは、「江戸川くんの背中ではなく、蘭姉ちゃんの背中を見て生きていきたい!」というのは、ウソですけど……(笑)。

一同:(笑)。

林原:それぐらい蘭姉ちゃんがかっこよかったです。だって、スナイパーの射撃が当たらないですからね。何があるんでしょう……彼女のオーラに(笑)。それも含めて、「愛されているなぁ」と思いました。

――蘭から灰原哀への愛情というものも見えていましたよね。

林原:そうですね。だから、蘭ちゃんに恩を感じて、感謝して…、大切にされればされるほど、言えないこと含めて罪悪感は増しますよね。

――今作では黒ずくめの組織のメンバーもそれぞれの思惑で動き、それが言動によく出ています。この作品で新しい扉が開かれたなと感じました。

林原:組織の中に、ここまでカメラが入ったことは劇場版ではなかったんじゃないかなと。それと同時に新しい扉が開けば開くほど、「終わりに近づいているんじゃないかな」という気になってしまうんですよね。

ベールに包まれているほど、「まだそこは開けないでいる(から物語は続くんだ)」という感じですが、「開けるということは、(黒ずくめの組織との)対決にいっちゃうのかな」という気持ちもあったりします。そうなると、江戸川コナンくん、灰原哀ちゃんもいなくなっちゃうんでね。「何かもうちょっと、どうなんでしょう、続いて欲しいような、解決して欲しいような」という感じです。

――2度目、3度目と劇場へ足を運ぶファンが見て、こういう注目の仕方をしたら、より面白い部分が見えると感じるところはどんなところだと思いますか?

林原:『名探偵コナン』というのは、派手なアクションもありますけど、静かな推理というものもしっかりと描かれている作品だと思います。最初のシーンから伏線は張られていますし、「ここでそれだったんだ」ということもあります。

それこそベルモット(CV:小山茉美)、キール(CV:三石琴乃)、ピンガといったそれぞれのキャラクターたちがいい動きを見せている部分を細かく見ていただくのもいいかなと思います。

 

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