アニメ

2023-06-30 16:00

“思いを伝える大切さ”を体現した椿ちゃんに共感「時間をかけて人を好きになる温かさを茜が見せてくれた」アニメ『山田くんとLv999の恋をする』木之下茜役・水瀬いのりさんインタビュー

風邪を引いた時にみせた大人な弱みがお気に入り！

──第1話から第12話までの中でお気に入りシーンをお教えください。

水瀬：いっぱいあって選べないんですけど……。風邪で体調を崩している時に山田が現れて、都合の良い夢を見ているなと思う茜に大人っぽさを感じました。

普段の様に「山田〜！」と抱きつくのではなく、茜は謝るんです。都合の良い夢と客観視できているのは、意識朦朧としているからこそかなと思います。

いつものように元気でいるなら取り繕うことが出来たと思いますが、高熱で苦しい時だから見せた弱さは、今まで演じてきた中で新しい一面でした。

茜は常に毅然と振る舞って、大丈夫と言う癖がある子なので、風邪を引いて高熱まで出さないとあの弱さは見せない子なんだと思うと「ひとりで泣いていることもあったのかな？」と茜を守ってあげたくなりました。

　
今までは瑠奈ちゃんのような年下の女の子を守ったり引っ張ってくれる存在でしたが、風邪を引いたときの茜は助けてあげたくなって、より女の子らしさを感じました。普段はガサツだったりお酒をいっぱい飲んだりしていますけど（笑）。

なぜか山田に安心感があったことも含め、山田への恋心と仲間として見ているせめぎ合いを感じました。茜がやっぱり山田は異性だと思うシーンにドキッとして急にラブコメを感じたので印象に残っています。

──大人の弱みを表現するのは難しそうですが、どのように演じられましたか？

水瀬：山田と瑠奈ちゃんが年下だから茜はお姉さん的なポジションで「私は大丈夫」となりがちですが、だんだんと年齢関係とか男子高校生と女子大学生というレッテルなしで山田と近づけたと思います。

“プロゲーマーの男子高校生”の山田から話数を重ねていくと、本当の山田を知りたいという茜の思いを考えて演じました。

──ここまであらすじを振り返りましたが、演じている水瀬さんだから感じる、物語後半の茜の魅力とは？

水瀬：茜は人に尽くすタイプなので、色々と背負いすぎて自分を後回しにしてしまうこともあります。ひとり暮らしをして自分で全部やらなきゃとなっていましたが、山田や瑛太くんなどギルドメンバーと出会ってから頼って良いんだと気付けたと思うので、より自由になれました。

桃ちゃんといる時はダメダメな部分もありますが、コミカルなシーンもギルドメンバーに見せられるようになったのが魅力です。

恋愛面で言うと、取り乱し方が乙女だなと思います。第10話の、山田がベットに落ちたスプーンを取ったり、足が攣ってほぐしてもらう時とか、今までならヘラヘラしていましたが、真面目に話す姿を見て本当に余裕ないんだろうなと感じます（笑）。

勘違いを心配するのではなく、好きなのがバレちゃうのを気にする様に変わったなと。見ている側からは（茜が山田を好きなことが）バレていますが、茜が認めていないところがかわいいなと思います。

──茜に甘えられる存在が出来て良かったなと思います。

水瀬：ゲームと現実世界で性別が違ったり、瑠奈ちゃんの思惑で瑠璃姫の大ファンを名乗る男性がトイレまで来て怖い思いをしたり、第一印象的にはあまり（ギルドメンバーの印象は）良くなかったんですけど（笑）。だからこそ、ここまで良い関係性が築けたのがすごいと思います。

オンラインゲームは難しくて怖いのかなと思う状況でも、諦めずに関係を続けられたのは山田がいたからだと思います。その辺りから山田の存在はだいぶ大きくなっていて。

恋と気が付くのはだいぶ後の話なのですが、時間をかけて人を好きになる温かさを茜が見せてくれたと思います。

──見た目やスペックではなく、素の山田が好きなのが素敵ですよね。

水瀬：一目惚れしてしまいそうなルックスですが、茜はたくまくんと別れたばかりだったのでそれどころではなく、ときめいてもおかしくないのに酔っ払ってしまいました。

そんな茜だから山田も心を許したのかなと思います。ふたりの出会いが今となっては懐かしいなと感じています。

脅威のスピードでお互い大きな存在に進展しましたね。短い間に色々なイベントが凝縮されていて、見ていて楽しいです。

“思いを伝える大切さ”を体現した椿ちゃんに共感

──前回のインタビューにて「椿ちゃんが抱えている感情にも共感できます」と話されていましたが、椿のどこに共感していますか？

水瀬：似たような経験はないですが、読み手としてずっと山田を見てきた椿ちゃんを応援したくなる気持ちが大きいんです。もちろん演じているので茜の気持ちも分かりますが、椿ちゃんの状況はあまりにも切ないですよね。

椿ちゃんは「私の方がずっと好きだった」という気持ちがあるのですが、好きな気持ちを言葉にする意味や、感情を表す意味を茜が教えてくれたのかなと思います。

恋愛なのでフィーリングもありますが、自分らしくいれなかったことと恐れて出せなかった恋心が、取り戻せない時間を流してしまったんだなと。

これは、恋愛だけでなく色んなことに繋がるので椿ちゃんに共感できるなと思いました。思ったことをすぐに伝える意味とか、会わない間にお互い環境が変わってしまったり、一緒にいたのに進めなかった関係性とか。

椿ちゃんは涙しながら色々な感情を吐露していましたが、気持ちを伝える大切さを椿ちゃんが体現してくれました。椿ちゃんには幸せになってほしいと思います。

──幸せになってほしいですね。椿は第二の主人公的なポジションでもあると思います。

水瀬：ほんとにそうですね。椿ちゃんがいなかったら山田も自分の感情に気付けなかったでしょうし。山田に振られてしまいますが、椿ちゃんのこれからを応援したくなるような描き方がすごいなと思いつつ読みました。

──最終回の見どころや注目してほしいポイントをお願いします。

水瀬：茜の、山田を好きな気持ちは視聴者の皆さんにも届いているかと思います。山田も茜に出会って、茜への気持ちが少しずつ変化していて、今ふたりの出会いの意味を感じています。

第13話ではふたりの気持ちや距離感、山田が今まで表に出していなかった気持ちに茜が触れられるのかに注目してください。

Lv999の恋は成立するのかも含めてオンエアを見ていただければと思います。アニメとしては素晴らしい終わり方ですが、個人的には続きを漫画にて読んでいただきたいです。

引き続き応援したくなる最後となりますので、ふたりの行方をご視聴いただけたらと思います。

　
【取材・文・撮影／杉村美奈】

TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」作品情報

INTRODUCTION

予期せぬ失恋に落ち込む女子大生・茜と、ゲーマー男子高校生・山田との「難攻不落」の恋を描いたネトゲ×ラブコメストーリー『山田くんとLv999の恋をする』が、待望のアニメーション化！

原作は、マンガアプリ「GANMA!」にて連載中、ましろによる同名コミック。

単行本と電子書籍の累計発行部数が２００万部（紙・電子版合算）を突破したほか、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』も過去受賞した「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で第6回大賞に選ばれるなど、口コミから火がついたその人気はますます加速中！

アニメーション制作は、『オーバーロードⅣ』や『宇宙よりも遠い場所』など、重厚なファンタジーからバトル・アクション、日常・お仕事モノまで幅広く手掛ける「マッドハウス」が担当。

監督は、『ちはやふる』、『カードキャプターさくら』でキャラクターの機微を描くことに定評のある浅香守生が務める。

ネットワークゲームとリアルの世界を行き来しながら、徐々にレベルアップしていく茜と山田の関係性を、周囲の個性豊かな友人たちも含めてエモーショナルに紡いでいく。

レベル１にも満たない状況からスタートした茜と山田の恋、果たしてその行方は!?

STORY

彼氏がネトゲで知り合った女性と浮気し、そのまま別れを告げられてしまうというサイアクな出来事に直面した女子大生の木之下茜。

話を合わせるためにネトゲをはじめていた茜の元に残ったのは、彼氏との愛と共に育んでいたはずのキャラだけだった……。

ストレス発散のため、ネトゲの狩り場で暴れていた茜は、たまたま遭遇した同じギルドの「山田」に失恋の愚痴をこぼすものの、「興味はないすね」と、そっけなく返されてしまう。

だが、キレイになって元彼を見返そうと参加したオフラインイベントで、再びその言葉を耳にする。

それが“山田”との、運命的な出会いだった――！

放送情報

4/1(土)～TOKYO MX、BS11ほかにて毎週土曜24:30放送
※6/24(土)最終話放送

配信情報

各配信サービスにて大好評配信中！

・dアニメストア　　　　　　　　　　4月1日より毎週土曜24:30～
・dアニメストアニコニコ支店　　　 4月1日より毎週土曜24:30～
・dアニメストア for Prime Video　　4月1日より毎週土曜24:30～
・ABEMA 　　　　　　　　　　　　　 4月1日より毎週土曜24:30～
・U-NEXT 　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・アニメ放題　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・バンダイチャンネル　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・Hulu 　　　　　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・DMM TV 　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・FOD 　　　　　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜12:00～
・Amazon Prime Video 　　　　4月4日より毎週火曜12:00～
・ニコニコ　　　　　　　　　　4月4日より毎週火曜12:00～
・TELASA（見放題プラン）　　4月4日より毎週火曜24:00～
・J:COMオンデマンドメガパック　　4月4日より毎週火曜24:00～
・auスマートパスプレミアム　　4月4日より毎週火曜24:00～
・milplus見放題パックプライム　　　　4月4日より毎週火曜24:00～
・Netflix　　　　　　　　　　　　　 4月4日より毎週火曜24:00～

スタッフ

原作：ましろ（コミックスマート「GANMA!」連載）
監督：浅香守生
シリーズ構成：中西やすひろ
キャラクターデザイン：濱田邦彦
美術監督：清水友幸
色彩設計：大野春恵
3D監督：新垣隼
撮影監督：酒井淳子
編集：木村佳史子
音響監督：明田川仁
音響効果：安藤由衣
音楽：ミト（クラムボン）ｘDÉ DÉ MOUSE
オープニングテーマ：「ぐらでーしょん feat. 北澤ゆうほ」KANA-BOON
エンディングテーマ：「トリック・アート」清竜人
プロデュース：EGG FIRM
アニメーション制作：マッドハウス