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夏アニメ『ダークギャザリング』篠原 侑×島﨑信長インタビュー

夏アニメ『ダークギャザリング』寶月夜宵役・篠原 侑さん×幻燈河螢多朗役・島﨑信長さんインタビュー|キャスト&スタッフ陣の愛が詰め込まれた、みんなが同じベクトルを向いた作品

ミステリアスな夜宵と、善良な一般人・螢多朗。演じる上でお二人が意識したことは?

――ご自身が演じるキャラクターについての印象や、共感できる点などをお聞かせください。

篠原:見た目は小さくてかわいいのですが、瞳の中に(ドクロのような)瞳が2つずつあったりと、何かしらの事情や抱えているものがある、ミステリアスな子だなと思いました。

夜宵ちゃんとの共通点は怖いものが好きなことでしょうか? 夜宵ちゃんがラスボスめいているという話題の後で、似ているというのはちょっと言いにくいですね(笑)。夜宵ちゃんは合理主義で、あまり他人に興味を持っていないように見えますが、仲間と思っている人に対しては、ピンチになった時に、なりふり構わず助けようとするので、そういうところは似ているかもしれません。私も大切にしていることと、そうじゃないことの枠組が割とハッキリしているので。テンション感は似ていないかもしれません(笑)。

島﨑:螢多朗は善良な一般人という感じですね。どんな時でも善良であることが彼の良さで、自分がピンチになりそうな時でさえもブレなくて、本当にいいヤツだなと。一方で、ダメなところや弱さもちゃんと描かれていたので、螢多朗のリアクションや行動は割と理解しやすいし、誰でも似ている点や共感する点を見つけやすいキャラクターかなと思います。

――螢多朗はまさに巻き込まれ型のキャラクターだなと思いました。

島﨑:確かに。でも自分から巻き込まれに行っているところもありますよね。霊を引き付けやすい体質だから霊がいそうな場所なんて行きたくないし、怖い想いもしたくない。でも夜宵ちゃんたちが気になって助けに行ってしまうんです。危険が待っているのがわかっていながら自分の意志で巻き込まれに行ってしまうタイプなのかなと思います。

――演じる時に意識された点をお聞かせください。

篠原:謎めいた子ではあるのですが、初めて見た瞬間から夜宵ちゃんの声や話し方などのイメージが明確に浮かんできて。それが伝わるといいなと思いながらオーディションを受けさせていただきました。

夜宵ちゃんは作品において、主人公でありながらマスコット的な存在でもあり、個性も強くて。たぶんこんな小学生は実際にはいないと思うので(笑)、リアルな小学生とアニメのキャラクターとのバランスを考えて演じさせていただきました。

――IQが160を超えていて、普段はあっけらかんとしているけれど、寂しそうな表情を見せたり、優しさもあったりと、子供なのにいろいろな面を持っているので、演じるのが難しかったのでは?

篠原:そうですね。無理のない範囲で、キャラクター性を保ちつつ、でも無感情ではないので、シーンごとに「夜宵ちゃんはこのセリフをどう言うかな?」と考えながらやっていました。

島﨑:螢多朗はとてもわかりやすいので、自然体の螢多朗として反応できればいいなと思いました。ただ、人間は怖い目にあっても、その経験を重ねていくと耐性ができたり、慣れていくものですが、螢多朗は毎回新鮮に驚くんですよね(笑)。夜宵ちゃんや詠子に何度振り回されても怖がるし、叫ぶし、ツッコむんです。だからこそ、詠子もおもしろがって振り回しているところもあるでしょうし。とにかく、螢多朗は慣れません! ずっと怖がっています(笑)。

――螢多朗は視聴者と同じ目線のキャラクターとも言えますよね。

島﨑:それを意識しているわけではありませんが、毎回新鮮にリアクションをすることによって、見てくださる方が共感しやすくなると思うし、先にリアクションしてくれることで怖さが少しやわらぐ効果もあるのかなと思います。

――螢多朗は叫ぶシーンが多いので、「喉の負担が大きそうだな」と心配にもなりました。

篠原:私もすごいなって思いました。

島﨑:実は、叫ぶシーンに関してはそれほど大変だとは思っていなくて。むしろキメないことのほうがキツいです。螢多朗は必殺技を叫んだり、口上を言ったりと、カッコよくキメに行く必要がないので。

篠原:カッコいいシーンもありましたよ。

島﨑:そこでもキメに行かないようにしていて。背伸びせず、自然体のリアクションなので、叫ぶシーンも楽しみながらやっていました。

篠原:詠子を含めた3人の中では螢多朗が一番人間味がありますね。

島﨑:というか、リアクション要員はほぼ螢多朗しかいないから。夜宵ちゃんはクレイジーオカルトキッズだし、詠子はちょっとアレだし(笑)。

篠原:アレじゃない人が螢多朗しかいないですよね。

島﨑:みんな、前のめりだったら成立しませんよね。全員が「心霊スポット行こうぜ!」「イエー!」「来たぜ来たぜ!」みたいなテンションだったら。

篠原:それはヤバいですね(笑)。

島﨑:その場合はギャグマンガしかないね。ホラーのお約束をことごとく破っていく『ダークギャグリング』みたいな。

篠原:スピンオフショートアニメとして見てみたいです!

キャスト、スタッフ、みんなが同じベクトルに向かって進んでいった作品。島﨑さんが考える、ものづくりにおいて大事なこととは?

――収録はほとんどお二人一緒にできたそうですが、お互いのお芝居についての感想は?

篠原:螢多朗はやることが多いキャラクターですし、『ダークギャザリング』において必要な部分を担ってくださっていて、すごいなと思いました。キャラクターとしてだけでなく、現場でも引っ張ってくださってありがたいです。夜宵ちゃんが螢多朗に全幅の信頼を置いているように、島﨑さんは私から見て、とても頼もしく思える存在です。

あとは、叫び声が素晴らしいです(笑)。叫ぶシーンは、何回もやると音が似てしまったりすることがあって難しいのですが、島﨑さんは、対峙する霊やシチュエーションごとに変えられて、そのレパートリーや引き出しの多さもすごいなと思いました。

島﨑:いやいや、似ていることもあるから(笑)。

篠原:そうですか? 私はホラー好きなので、叫び声はすごく大切だと思っていて、島﨑さんの叫び声を聴くたびに「今のかすれ具合、さすがだな」といつも感心しています。

島﨑:ありがとうございます(笑)。最近思うのは、お芝居のうまさや技術よりも、作品やキャラクターについての想いの強さや、愛があるかが大切だと思っていて。そういう意味で、篠原さんはここまで読んでくださっている方にはわかっていただけると思いますが、作品やキャラクターについて一生懸命考えて、一生懸命演じられているので、その熱意や想いが一緒に収録していても伝わるので、すごくいいなと思います。今後、別の現場で会った時も、きっと想いや姿勢が変わらないまま、素敵な役者さんになっていくんだろうなと。

篠原:本当ですか!? すごく嬉しいです! 島﨑さんは毎回収録でお悩み相談にものってくださって、とても素敵な先輩です。これからもよろしくお願いします。

島﨑:こちらこそ。

――初回の収録前など、博史池畠監督や原作の近藤憲一先生から何かお話はありましたか?

篠原:お二人やスタッフさんとお話しする機会は多かった気がしますが、作品やディレクションについてよりも、楽しい雑談ばかりだった気がします。監督は甘いものが好きだとおっしゃっていて、かわいいなと思いました(笑)。

島﨑:初回の収録で、監督やスタッフ陣の、作品への熱や想いがあふれる雰囲気や空気感が感じられたし、僕らも大切な役を任されたことへの喜びや実感が増して、いっそう気が引き締まりました。近藤先生のあいさつは、社会人の方も使えるような、しっかりした内容でした。

篠原:「読まないと変なことを言ってしまうので」と、原稿を用意されていて。すごくまじめな方なんだなと思いました。私たち、キャスト一人ひとりにも声をかけてくださって、しかも素直に感情を出してくださったので、現場の士気も上がりましたし、「この役、頑張ろう!」と思いました。

島﨑:収録が進んでいくと、先生や監督、スタッフさんたちとどんどん打ち解けていって。

篠原:お話ししている時の笑顔が増えていった気がしました。

島﨑:収録の終盤なんて、僕が出演している別作品の話題で盛り上がって。『ジャンプ』作品でもなく(笑)。きっと先生は、キャストやスタッフが一丸になって『ダークギャザリング』をいいアニメにしようという想いを感じて、信頼してくださったからなのかなと。

篠原:みんなが同じベクトルに向かっているんだと感じられたのが嬉しかったですし、やりがいも感じられて、とてもいい現場だなと心から思いました。

――池畠監督はホラー作品を手掛けるのが初めてとおっしゃっていたので、作品へのチャレンジスピリッツが感じられたことも現場がひとつにまとまった理由の1つでは?

島﨑:ホラーであり、トガッた作品なのに老若男女が楽しめる作品になっているのは原作の魅力に加えて、監督の手腕も大きいのかなと思います。

――実際に完成したアニメをご覧になった感想は?

島﨑:もともとホラーやオカルト作品は音と親和性が高いし、最近はホラーのバイノーラルコンテンツも流行っているのでわかる通り、音は大切な要素だと思っています。この作品も5.1ch&ドルビーアトモス仕様で、音にすごくこだわっていると聞いていました。

実際、完成した第1話を見たら、映像のクオリティの高さに音の存在感が負けていなくて。しかもホラーシーンだけでなく、ポップな日常シーンも音と相まって、子供の頃に見ていた王道のアニメっぽさを感じられました。なので、ホラーやシリアスなシーンに変わった時、さっきまでお茶の間にいたのに、急に劇場でホラー映画を見ているような感覚になって、絵と音で五感を揺さぶられました。アクが強いキャラばかりで、しかも緩急がついた作品にふさわしい音で、見ていて怖いけれど心地良かったです。

篠原:絵も素晴らしくて、原作の絵をちゃんと踏襲しながらアニメとして表現されているのがすごくて。見た中で特に印象に残っているのが、詠子の唇がぷるぷるのツヤツヤで、女子がなりたい理想の唇でした。

島﨑:こだわりや愛って大切なんだよ。想いや情念がアニメに乗るから、人を引き付けると思うし。例えばアイドルアニメでも、そのキャラクターを愛しているとすごくかわいくなるし。でも詠子は、あんなにかわいい唇をしているのに、黒い三日月みたいなとんでも怖い口にもなったりして(笑)。

篠原:どんなシーンでも、何を、どう見せたいのかが明確で、わかりやすく伝えてくれるところが愛だなと思いました。

島﨑:怖いホラーシーンや激しいアクションシーンが目立ちますが、垣間見える人間ドラマも心に染みるんですよね。夜宵ちゃんがいないところで、螢多朗と詠子が話していて、それを聴いている夜宵ちゃんとか。そういうドラマや、夜宵ちゃん、螢多朗、詠子たちの成長や関係性がどう変わっていくのかも楽しみです。

篠原:恋愛要素もあるのがまたいいんですよね。螢多朗と詠子は幼なじみでお互いを理解しているのに、恋人同士になっていないのがもどかしかったり、キュンキュンしたり(笑)。

島﨑:応援したくなるような感じだよね。

――原作の1巻分にあたる序盤だけでも、話が進むにつれて発見や驚かされることばかりですよね。

島﨑:夜宵ちゃん、螢多朗、詠子の過去やそれぞれが抱えていることなど、どんどん紐解かれて明かされていきますからね。

(C)近藤憲一/集英社・ダークギャザリング製作委員会
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