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『16bitセンセーション』若木民喜(原作)×佐久間貴史(監督)×中山信宏(プロデューサー)インタビュー後編【連載第10回】

『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第9話放送後インタビュー:若木民喜さん(原作)×佐久間貴史さん(監督)×中山信宏さん(プロデューサー)|コノハのゲームがついに完成! 完全オリジナルとなる第10話以降はコノハと守の関係値に注目【連載第10回】

若木民喜さん、みつみ美里さん(アクアプラス)、甘露樹さん(アクアプラス)が原作の同人誌『16bitセンセーション』をベースにオリジナル要素を加え、新たな物語にしたTVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。アニメイトタイムズでは、現代と過去が入り交じるSF要素が加わり、生まれ変わった本作について語るインタビュー連載を実施中!

第10回となる今回は前回に引き続き、原作の若木民喜先生、TVアニメの佐久間貴史監督、そしてプロデューサーの中山信宏さんの座談会をお届けします。後編となる今回は、物語の一つの区切りとなった第9話の感想や、今後の見どころについて語っていただきました。

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16bitセンセーション ANOTHER LAYER
秋里コノハは美少女&美少女ゲームが大好きなイラストレーター。超人気絵師になることを夢見て美少女ゲーム制作会社で奮闘しているものの現実はうまくいかず……、ソシャゲ全盛期の現代に会社は傾き、コノハはサブのイラストレーターとしてモブキャラの後ろ姿を塗る日々を過ごしていた。ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージを開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――『じゃ、始めるね!』作品名16bitセンセーションANOTHERLAYER放送形態TVアニメスケジュール2023年10月4日(水)〜2023年12月27日(水)TOKYOMXほか話数全13話キャスト秋里コノハ:古賀葵六田守:阿部敦下田かおり:川澄綾子上原メイ子:堀江由衣六田勝(てんちょー):伊藤健太郎五味川清(キョンシー):福島潤山田冬夜(やまだ・とうや):...

さまざまなクリエイターの協力があって実現した主題歌&エンドカード

――インタビュー後編では、最初にOPテーマ「65535」とEDテーマ「リンク~past and future~」についてのお話から伺いたいのですが。

中山:オープニングについては、アーティストをどうしようかという話があったときに、レーベルから中川翔子さんの名前が挙がったんです。作品とのマッチングという意味でも中川さんであれば、もうお願いしましょう!と。

楽曲の「65535」ですが、作ってくださったSohbanaさんって、すごく若い方なんですよね。でも大元には美少女ゲーム的な音楽とかもあって、そこからニコ動であったり、最近の流れになっていったものもあると思うので、その延長線上にいる方なのかなと思ったんです。

曲を書くに当たって、お話を聞きたいということで、実際に作品のことをいろいろお話しさせていただいて、美少女ゲームは当時どういうものだったのか、その時代の途中から中川翔子さんが出てきて、オタク文化にどのような役割を果たしたのかなどを伝えていきました。

よく話したのは、「しょこたん(中川翔子さん)は、僕らオタクをすべて肯定してくれたんだ! バンザイ」ということだったのですが、Sohbanaさんも、「おじさんがすごく熱く語ってくれたことを覚えています」とXにも書いていて。(伝わった)よしよしよし!と思っていました(笑)。非常に面白い、いい曲を上げていただきました。

中川さんも、アニメタイアップが久しぶりだったこともあって、すごく喜んでいただけていて嬉しかったです。

――EDテーマは、美少女ゲームに関わりが深いクリエイターが集まりました。

中山:エンディングはキャラクターソングでいきたいという話があったというか、作品にフィーチャーした楽曲でやりたいというのがまずあったんですね。で、誰に歌ってもらうのかという話になったんですが、回り回って、コノハのキャラソンにすることになりました。

OPのような、系譜の先にあるものではなく源流。大元をやっていた方にEDテーマはお願いしたいというのがあったので、作曲を折戸伸治さんにお願いし、作詞をKOTOKOさん、編曲を中沢伴行さんにお願いする形で、当時からバリバリやっていらした方に集まってもらいました。

EDアニメーションに関しては、若木さんたっての希望で、渡辺明夫さんにどうしてもやっていただきたかったので、これはもう若木さんから直接渡辺さんにお声がけいただき、ご快諾いただいたという流れです。なので渡辺さんに絵を描いていただき、それをドット絵にしていく感じでした。

――歌詞は、かなり作品に寄り添っていて、美少女ゲームとはなんぞやを歌っている感じでしたね。

中山:KOTOKOさんが、これでもかというほど作品に寄り添う内容で書いてくださったんですよ。ちょっとこれは寄り添いすぎているのではないかという議論も実はあったんですが、「この作品は、やり切ったほうがいいよね」となって、そのまま仕上げていった感じです。

若木:渡辺さんに関しては、時間が少なかったので申し訳なかったんですが、すごくやる気でいらっしゃったのでお願いしました。実際に届いたものを見て、「やっぱりすごいな、渡辺さん!」と思いました。

――完成映像はドット絵になっていますが、元の絵も見たい感じがします。

若木:(監督に)その原画があったら、僕、もらうよ?

佐久間:確かレイアウトラフ原は残っていたはずです(笑)。

中山:ドット絵は、ちぷししさんという方がいらっしゃったことが大きかったです。それで、ああいう処理の仕方ができたので。この方も、まだ全然お若い方なんです。

若木:OPの話に戻りますが、OPを見たときに、「これは何のアニメだ?」と思うくらい、カッコよすぎて、マジかよ!って思いました。

佐久間:自分が普段作業をしているスタジオで隣の席にいる仲のいい中重俊祐さんにオープニングをお願いしているんです。曲や作品内容から外してくるような人ではないので、好きにやっていいよとお願いしたら、ノリノリでやってくれて。ただ、OPで触れざるを得ないのが、自分の名前のテロップが大きいということですよね(笑)。

若木:キラッ!ってなってたよね。

佐久間:絵コンテ段階からなんか光ってるな〜と思いつつ、任せると言ったから何も手は入れなかったんですが、僕が自己主張をしたみたいになってしまいましたね(笑)。

――アニプレックスでしたら『かみちゅ!』や『R.O.D』のような、名前と絵柄が一体となった感じも有名ですし。

佐久間:確か打ち合わせのときも、石浜真史さんの名前は出ていて、テロップで遊びたいよねという話はしていたんです。中重さんの好きにやっていいよと伝えていたので、ああいう感じになったのだと思います。

中山:中重さんはセンスがいいんですよね。

――『kanon』をオマージュしたビジュアルやエンドカードも反響があったのではないですか?

中山:エンドカードは公開するたびに盛り上がっていただけているのでありがたいですね。これもst.シルバーの高荷恭子さんが伝手で、いろいろなメーカーにお願いしていただいたおかげで、いろんな方に描いていただけたんです。なので『下級生』(第2話)とか『Natural ~身も心も~』(第5話)とかが上がると、あー!ってなるし、本当に(視聴者に)毎話数拾っていただけるのでありがたいです(笑)。

若木:『神のみぞ知るセカイ』のときはエンドカードとは言っていなかったかもしれないですが、そこで絵師のオールスターゲームをやったので、今回はst.シルバーさんに任せている部分もあって、自分も楽しみにしているんです。今回はゲームのキャラと16bitのキャラクターが組み合わさったりしているのが面白いですよね。懐かしい昔のキャラクターも出てくるから、『下級生』(イラストには結城瑞穂、神山みこと、秋里コノハが描かれていた)とかは本当に感激しました。イラストの門井亜矢さんは『神のみ』のときにお願いできなかったので二重に嬉しかったです。でも、一応僕もリクエストは出していたりするんですよ。まだその方は出てきてはいないんですけど。

――そういうところからも感じますが、やはり昔の美少女ゲームファンからの反響は大きいですか?

中山:業界の人が反応してくれているのは嬉しいですね。ジョイまっくすさんが反応してくれていたり、シナリオライターの方だったりが毎回反応してくれたりしているのも嬉しいです。まぁ当時のリアルタイム世代が、Xとかでつぶやく世代なのかどうかという事も少しある気はするんですが、それでも結構リアクションは見られるので、このジャンルを通ってきた人は多いのかなと感じています。

若木:リアルタイムで体験している人って50歳以上なので、深夜の12時半は遅すぎるんですよ(笑)。多分眠いんじゃないかと思います。自分もいつもうつらうつらしているので。

中山:メディアに近い人は、若木先生含めて、X等を使ったりはすると思うんですが、普通はあまりやらないんじゃないかなってちょっと思っています。

若木:飲み会とかで周りに聞くとやっぱり観ているので、当時美少女ゲームに関わっていた人は、100%見てると思っています。だからコアの視聴率はすごいと思います(笑)。

 

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