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『魔道祖師』清河聶氏特集|聶明玦と聶懐桑の兄弟の絆&『乱魄』をご紹介

【シリーズ五大世家③】『魔道祖師』清河聶氏特集|刀を修練する聶家の刀霊の秘密、とある人物をめぐる怨恨に迫る──『陳情令』スピンオフ映画『乱魄』で描かれる聶明玦&聶懐桑の兄弟の絆も必見!

人気作家・墨香銅臭先生が綴る中国BLファンタジー小説『魔道祖師』。アニメや実写ドラマ『陳情令』、ラジオドラマ、漫画などのメディアミックスも展開し、世界が熱狂するメガヒット作品です。

本作は、妖魔や邪気などが人々の生活を脅かしていた架空の古代中国を舞台に、主人公・魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)の激動の運命を描く物語。五つの仙門世家が大きな勢力を誇るなか、暴虐の限りを尽くしていた岐山温氏を討伐すべく、雲夢江氏、姑蘇藍氏、蘭陵金氏、清河聶氏の四大世家は一致団結します。

本稿では、前宗主である聶明玦(ニエ・ミンジュエ)が勢力を強め、現在は弟・聶懐桑(ニエ・ホワイサン)が宗主の座に就く名門「清河聶氏」をご紹介。聶家の刀に関する秘密や、とある人物をめぐる怨恨に迫ります。また『陳情令』スピンオフ映画『乱魄(らんはく)』で描かれる兄弟の絆も覗いてみましょう。

※本稿には『魔道祖師』『陳情令』のネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

刀を修練して栄えてきた清河聶氏

仙府:不浄世(ふじょうせい)

 

清河聶氏(せいかニエし)の先祖は屠殺人であるため、他家では剣を修練するのに対して彼らは代々、刀を武器として修練しています。家紋は獣頭紋。

聶氏の先代宗主は赤鋒尊こと聶明玦。彼の父親である先々代宗主は温若寒(ウェン・ルオハン)によって憤死させられており、まだ成人に達していない聶明玦が清河聶氏を背負うことに。彼は剛直で強靱、非常に厳格で、何事も迅速に行うことでその威名を轟かせていました。

 

 

聶明玦は温氏討伐の「射日の征戦」で功績を残し、聶家の勢力は彼の采配のもと成長して一時期は蘭陵金氏を脅かすほどに。その経歴や功績は見事なものですが、聶明玦は若くして絶命。修練の末に乱心して自我をなくし、大衆の面前で吐血して急死しており、刀霊に蝕まれ発狂したとされています。

 

岐山温氏との深い遺恨

清河聶氏と岐山温氏の間には深い遺恨があり、射日の征戦が始まるなり双方とも抑えこんでいたものが爆発。聶明玦は温家宗主の長男・温旭(ウェン・シュー)を討ち取っています。

聶兄弟の父親はかつて、傍若無人な温若寒によって刀を数回叩かれた影響で、夜狩の最中に刀が折れたためにそのまま妖獣に襲われて重傷を負いました。その後、父の傷は治らず長い間体調を崩したまま他界。聶明玦はじめ、清河聶氏が岐山温氏を激しく憎むようになった原因はそこにあり、温若寒は父の仇でもあります。

 

 

現在は聶懐桑が清河聶氏の宗主に

現在、聶明玦の跡を継いで聶家の宗主の座に就いているのは腹違いの弟で「一問三不知」と呼ばれる聶懐桑。「一問三不知」の意味はまさしく知らぬ存ぜぬ。聶懐桑のその呼び名の所以は、誰に何を聞かれても、いつも知らないことは言えない、知っていても怖くて言わないというところにあり、「知らない、知らない、本当に知らないんだ!」と泣きながら訴えることも。

 

 

勉強が苦手で仙術の修練も好まない聶懐桑がなんとか立派な人間になれるよう聶明玦は苦心していました。弟の教育に厳しく、特に勉強の進み具合を気にかけていましたが、当の聶懐桑は遊び惚けており、ふたりは正反対ともいえる性格ゆえ衝突も。しかし聶兄弟の絆は深く、弟は恐れながらも兄を尊敬していることが窺えます。

兄の死後、清河聶氏は聶懐桑の指揮のもと日に日に衰えていくばかり。あちこち人頼みをしており、特に聶明玦と義兄弟の姑蘇藍氏の現宗主・藍曦臣(ラン・シーチェン)、蘭陵金氏の現宗主・金光瑤(ジン・グアンヤオ)には頼りきっています。

とはいえ、実は切れ者でもあることが垣間見える聶懐桑。そんな聶氏の宗主は、今後の数年間、もしくは数十年間で頭角を現し始めるやもしれません。

 

 

清河聶氏の刀と行路嶺の「人喰い砦」にまつわる秘密

清河には行路嶺という高い山々があり、「人喰い嶺」という別名があります。噂によると、その嶺の山林には「人喰い砦」があって、そこへ迷い込んだ者は戻ってくることが叶わず、怪物に食べられて死体の痕跡も一切残らないといいます。その噂の真相は、聶懐桑が魏無羨と藍忘機に明かしています。

 

 

刀霊に邪祟を捧げて鎮めている

聶家の歴代宗主たちの刀はどれも怨念と殺気が強く、ほとんどの宗主が修練を極めるうちに最終的には乱心して自我をなくし、全身の血管が破裂して急死しています。もともと彼らが激情家だったことも関係しており、聶明玦もまたそうでした。

宗主たちが生きている間は自らの刀の暴動を抑圧できるものの、主人が死ぬと制御できる人がいなくなってしまいます。刀に宿る霊は生涯一人の主人しか認めず、妖魔鬼怪などを斬り殺してきた刀は、急に斬れるものがなくなり凶器と化してしまうことに。歴代宗主たちの修練は次の代にいくほど進歩しており、問題は深刻化していました。

そんなとき、六代目宗主が父親と祖父の刀のために二つの棺を作らせて墓を掘り、刀霊を鎮めるためその墓にはもうすぐ屍変する死体数百体を一緒に埋葬。つまり、刀霊が邪祟と戦いたいなら邪祟を与えてやり、絶え間なく戦わせておけばいいと考えたのです。

 

「人喰い砦」の噂の真相

刀霊は死体の屍変を抑制し、死体で刀霊の狂気を緩和できるので均衡を保つことができ、以降何代もの子孫たちは無事に過ごせていました。しかし、およそ五十年前に墓荒らしの一味によって掘り起こされるという事件が発生。

十数体の死体が屍変して凶暴化し、墓荒らしの一味がその彷屍たちをバラバラに切り裂いてしまったことで刀墓の均衡は崩れることとなり、彼らは墓に食べられてしまいます。刀霊が自ら墓を塞いで、彼らを生きたまま中に閉じ込め、壊した死体の数を自身で補わせたのでした。

刀墓が壊されたことで、当時の宗主は新たに行路嶺に「祭刀堂」を建て、死体を石室の壁の中に埋め込むことに。墓荒らしの一味が戻って来なかったので「人喰い砦」と噂されるようになり、聶家も脚色を加えて、さらには迷陣を張るなどして人が寄りつかないようにしています。

ちなみに現世で蘭陵金氏の公子・金凌(ジン・リン)が石室の壁を破ったことで再び異変が……! 金凌は壁のなかの白骨体も一緒に壊してしまい、その死体の代わりとして壁の中に吸い込まれてしまうという事態に。魏無羨と藍忘機が救出に来てくれたので、なんとか難を逃れることができました。

 

刀を持ちたがらない聶懐桑

聶家は代々、刀を修練してその道を極めることで栄えて功績を残してきた歴史があり、刀霊はその凶暴さと殺傷力が取り柄とも言えます。それは聶家が仙門世家のなかで卓越している理由でもあり、先祖代々の教えに背いて新たな道を切り開くのは至難の業とも言えそうです。

しかし、修練を極めることによって、聶明玦や先祖代々の宗主は日に日に短気になり乱心して悲惨な最期を迎えています。加えて己の刀が祟りを起こし続けて子孫の安寧を脅かすことになるのならばと、聶懐桑はどんなに笑われようとも決して修練に励むことはしませんでした。

 

 

『陳情令』スピンオフ映画『乱魄』で描かれる聶氏兄弟の絆は必見!

 

『陳情令』本編の前日譚となるエピソードとして、聶氏兄弟の関係や祭刀堂の秘密が描かれるスピンオフ映画『乱魄』(原題は『陳情令之乱魄』)。花月を愛する風流人・聶懐桑の内側に秘めた思いの原点がここに。

物語の舞台は清河。聶氏の霊廟である祭刀堂が盜賊に荒らされ、その調査のために宗主の聶明玦は弟・聶懐桑のほか門下生たちと共に行路嶺の祭刀堂へと出立します。

ろくに刀の修業をしない聶懷桑に聶氏の第二公子としての自覚を持たせようとする兄と、強引に連れ出される弟は衝突。さらには、初めて刀霊のことや一族に代々伝わる秘密を教えられた聶懷桑は刀霊の均衡を図る方法に憤り、仲間を犠牲にする兄に対して激しく抗議します。

しかし次々と危機が迫るなかで改めて聶明玦と聶懐桑は絆を深めていき、唯一の兄弟である二人のその姿は感涙必至。また、宗主と運命を共にすると誓う仲間たちにも熱いものがこみ上げてきます。注目人物は、本作オリジナルキャラクターでもある聶氏の副将・聶宗輝(ニエ・ゾンホイ)。聶明玦を兄弟のように思い、忠義を尽くす姿も必見です。

若くして宗主となった聶明玦。宗主は苦渋の決断ばかりであること、先祖代々築き上げてきたものへの思いは痛切です。歴代の宗主同様に気が暴走して変わりゆく兄を前に、聶懐桑が「聶氏には刀しか道はないのか?」と訴える場面も。

聶明玦が指揮をとり出立する聶氏一行が勇ましく格好良く、また、支え合う兄弟の貴重な姿など聶家推しの方にはたまらないシーンが詰まっていますので、気になっている方はぜひご覧くださいね。

『陳情令』本編でも描かれているとおり、その後も金光瑤が「清心音」で治療するも聶明玦は死亡。悲しみに暮れるなか、聶懐桑はとある秘密に気づくのです。

 

 

『乱魄』あらすじ

聶氏の霊廟である洞窟・祭刀堂が盜賊に荒らされた。当主の聶明玦は、書画や音楽ばかりでろくに刀の修業をしない弟の聶懷桑に聶氏としての自覚を促すべく強引に連れ出して祭刀堂へと向かう。だが堂内が荒らされたことで封印が破れ、周囲には魔物が出現していた。

危険な洞窟の中で封印の修復に奔走する兄弟と門下生たち。その中で懐桑は、初めて"刀霊"について、そして一族に代々伝わる秘密を教えられることに……。

 

『乱魄』日本語吹替版キャスト

聶懐桑:花江夏樹
聶明玦:白熊寛嗣
金光瑶:石田 彰
聶宗輝:子安武人

 

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