音楽
May'nの信念を力強く宣言する輝かしい金字塔「Prismverse」インタビュー

May'nの信念を力強く宣言する輝かしい金字塔「Prismverse」ロングインタビュー|「誰かひとりでも、少しでも、自分のメインテーマとしてそばに置いてくれる人がいてくれたら嬉しい」 

May'nが待望のニューアルバム「Prismverse」を発表する。本作には、新曲のほか、今年8月にリリースされたTVアニメ『ライアー・ライアー』オープニング主題歌「LIES GOES ON」、TVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』エンディング主題歌「あはっててっぺんっ」、TVアニメ『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』エンディング主題歌「オレンジ」、TVアニメ『シキザクラ』エンディング主題歌「シキザクラ」などのテレビアニメタイアップ曲もたっぷりとパッケージ。

また、ライブでお馴染みとなったナンバーがボーナストラックに。これまでの軌跡と輝かしい未来に向けた想いが、“キラキラ・ギラギラ”としたカラフルな世界を描き出している。

以下のインタビューでも言及している通り、タイトルに掲げた「Prismverse」とは「プリズム」、「ユニバース」からインスパイアされた造語。表現者として活動の幅を広げ、多面的に輝き続けているMay'nの姿勢にもピッタリのワードである。また、音楽的にも、以前から「宇宙的に」「宇宙規模に」といった言葉を使う機会が多かったという。

想いを変えないまま、絶え間なく変化をしてきたMay'n。そうした彼女の音楽制作だからこそ、曲に込めた思いは濃密だ。本作の制作エピソードを中心に話を聞いた。

欲張りに音楽を楽しんでいこう!

──タイトルを見たときにハッとしました。それこそシェリルにしかり、「May’n☆Space」にしかり、これまでも宇宙を感じさせるワードや雰囲気はありましたが、改めて今このモードになった理由とは?

May'n:シェリルからMay'nのキャリアがスタートしましたが、昔から「宇宙的な」って言葉を音楽作りの上で使っていて。例えば、ミックスでボーカルにトリートメントをかける時に、「ちょっと宇宙的な感じでお願いします」と、よく伝えていて。それで「May'nというアーティストはどこか宇宙的なのかもな」って。レーベルを移籍したことで、「宇宙的な〜」って言うことが増えたんですよ(笑)。それでプロデューサーも「やっぱりMay'nって宇宙なんだな」と思ったらしいです。

宇宙って限りないものじゃないですか。自分自身、もっともっと、限りなく進化していきたいという意味でも、“宇宙的”“宇宙規模”という言葉ってすごくしっくりくるなって。それで今回“多面的に変化していく”“キラキラ”という意味合いの「プリズム」、“宇宙的な”という「ユニバース」のふたつを組み合わせた「Prismverse」という造語を作って、このアルバムを作りました。

──すごくいい言葉ですよね。May'nさんらしくて、新しさもあって。「宇宙的な感じでお願いします」って、いろいろな曲でオーダーされるんです?

May'n:ロックな曲でも言いますね。ロックって人間的な音楽なので、サウンド的にもむき出しなんですよね。でも、シンガーとしての自分の声はどこか……ちょっと浮遊感があったり、突き抜ける感じだったりというボーカルが合っているように思っていたんですよね。あまりにもむき出しなボーカルにすると、ロックになりすぎてしまって。May'nはロックも歌うけど、ポップスもバラードも、R&Bなどのダンスサウンドを感じさせるものも歌いたいから、どんな音楽も、May'nというジャンルで届けていきたいという思いが変わらずあるんですよね。だから全てをロックに合わせてしまうとMay'nらしくないなって。だからミックスでも、ジャンルレスにこだわっています。

──「Prismverse」という言葉ができたことで、そうしたMay'nさんがずっと大切にしてきた思い、芯となる部分が、音楽的にも、メッセージとしても、より明確になったように感じました。

May'n:ああ、そうかもしれませんね。今回より確固たるものができたというか。今までふわっと思っていたことも「いや、絶対そうだよな」と、力強い言葉に変えることができるようになったように思います。

May'nとしてデビューして、今16年くらいなんですよね。みんなにとっての“May'nテーマ”になるような音楽を作りたい、という思いでずっと活動をしていて。

音楽ジャンルは関係なく、May'nというジャンルでありたいと思ってこの名前をつけたけど……果たしてそれでいいのかな、いろいろなことをやりすぎて、結局何がやりたいんだってなるのかなって、それって間違いなのかな、ジャンルを決めたほうが良いのかなって、堂々巡りをすることもたくさんあったんです。本当にこれが正解なのかって。でも、私はそれをやっていきたい。もっとたくさんの人に、そう思ってもらえるような音楽を届けていきたいと、自分の信念として力強く宣言できるようになったのがここ数年。

だからこの「Prismverse」という、欲張りに音楽を楽しんでいく考え方はふわっと持ち続けていたけれど、「私はそうだから!」と言い切れるようになったからこそ、今回のアルバムが出来たんだなと思います。

──1曲目「To the Prismverse」は挑発的なダンスナンバーで、オープニングから最高だなって。

May'n:ジャケットの撮影を先にしていたんです。このギラギラした感じ、強い雰囲気に合うものを1曲作りたいなと思っていました。(ネオ役で出演する)『D4DJ』のAbyssmare(アビスメア)というユニットでご一緒しているD&H(PURPLE NIGHT)さんの、ソリッドで艷やかなトラックが合うんじゃないかなと思って。D&Hさんには、ジャケットの画像をお渡しして「これに合うような曲を作って欲しい」「ビジュアルに合うようなカッコいい曲にしたい」というお話をして、生まれたのがこの「To the Prismverse」ですね。

──アートワークから固めていかれたんですね。本作にも収録されている「LIES GOES ON」( TVアニメ「ライアー・ライアー」オープニング主題歌)と同じく、黒を貴重としたもので。May'nさんはシックな色がお好きなんですよね。

May'n:そうですね。特にステージに立つときは黒が多いですし。アートワークも含めて、May'nらしいアルバムになったのかなと思っています。ここ最近の、「あはっててっぺんっ」( TVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』エンディング主題歌)、「オレンジ」(TVアニメ『プラオレ〜PRIDE OF ORANGE〜』エンディング主題歌)などは、作品に合わせてこれまでとは違った衣装を着ています。

──撮影時、コンセプトのようなものはあったんでしょうか?

May'n:どっしりとしたビジュアルにしよう、といったものはチーム内にひとつあったような気がします。デビュー当時と今の「もっとこうなりたい」という思いって確実に違っていて。キャリアとしては18年になるので、今は「18年続けてこられたんだ」という自信もあるし、みんなが教えてくれたMay'nとしての自信もあるからこそ……「今、最高って思えるってことは明日になったら、もっと“最高”に出会えそうだよね」って。そうみんなに思わせてもらえています。

「もっともっと」という前のめりな気持ちがありつつも、ここまで続けてこられていることの自信も込めることのできるアルバムで在りたいし、そういうアートワークで在りたいなとは思っていましたね。

──「Prismverse」のために書き下ろされた新曲には、〈明日〉という言葉がたくさん散りばめられているように思っていました。リンクするところがあったのでしょうか。

May'n:常に思っていることではあるんです。いつも「今が最高で在りたい」と思っていて。でも、今日が最高ってことは、明日も最高だなって。

ただ、今日よりも明日を見るというのは、私は勿体ないことだと思っています。今日の時点では今日が最高、寝て明日になったら明日が最高だよね、っていうのが人生を通して、常に思っていたい自分のテーマです。音楽を届けたり、ライブをしたりするときも、それが2Daysの時も、今日のことだけを考えてまた明日だけのステージをして、というのを続けていました。だから、明日や今日という言葉がよく出てくるのは自然なことなのかもしれません。

──今のMay'nさんの等身大の歌詞でもあるんですね。

May'n:そうですね。

新たなメインテーマが誕生

──「To the Prismverse」にはさまざまな国の言葉が入っていて。宇宙的なコンセプトを掲げるアルバムにも、国境を超えてボーダレスな活動を続けるMay'nさんにも、米・日・韓 3ヶ国のカルチャーと言語を武器にするD&Hさんにもピッタリだなって。

May'n:この楽曲が上がったときに、宇宙を旅行したり、宇宙で音楽を届けていく映像が思い浮かんだんです。たくさんの場所で、たくさんの人に音楽を届けていくというMay'nの思いも歌詞に込めたいなと思っていました。宇宙=世界中に音楽を届けていきたいということなので、今までライブをしてきた場所の言葉をすべてここに入れさせてもらいました。中には、1回だけ行った国も入っているんです。フィリピンやタイとか。インドネシアとマレーシアは言葉が似ているので、そこはひとつの言葉にして。今後まだまだ、歌っていく場所が増えていったらいいなという思いで〈…〉で終わりにしました。

──では今後、ライブを行う場所が増えていけば、このパートにも言葉が足されていくのかも?

May'n:そうできたら嬉しいですね(笑)。

──音程もなかなかに独特な曲だと思います。それこそ宇宙的というか。

May'n:確かに、最初に聞いたときは「ここからここに飛ぶの!?」と驚きましたね。宇宙的な空間を作り出すのがD&Hさんはもともと得意な分野だそうで。難しいメロディー展開ではありますけど、常にどこかに音楽を届けていくことを体現したかのような地上にいない雰囲気のようなサウンドに、私自身刺激をいただきました。

──May'nさんのことを理解された上で、その上をいくような音楽を提供してくれるという……。

May'n:なんというかAbyssmareのサウンドの時点から、私がやりたい音楽を叶えてくれる方たちだなと思っていました。1曲目っぽい楽曲で、ライブもすごく見えました。ものすごく盛り上がるだろうなって。

──ハンズクラップも、シンガロングのパートもあり。

May'n:シンガロングのパートはリクエストさせてもらったんです。Abyssmareの曲にはシンガロングパートがあまりなくて。お客さんと一緒に歌っていけるような……「みんなで一緒に歌おう!」というよりは、みんなが私に歌のパワーを与えるようなイメージというか。そのパワーを受け取って、自分の声に変えて突き進んでいく……そういう曲にしたいという思いは、最初にありました。

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