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『キングダム』王騎(おうき)の人物像とモデルについて詳しく解説

『キングダム』王騎(おうき)の人物像とモデルについて詳しく解説|信と政にとっての王騎、物語の中での王騎の役割も読み解いてみました

『キングダム』は、中国の戦国時代末期(紀元前245年頃から)を舞台にした、週刊ヤングジャンプで連載中の原泰久先生の漫画作品です。主人公は、信(しん)と、中華統一をめざす若き秦王・嬴政(えいせい)。彼らを取り巻くたくさんのキャラクターも魅力的です。
 
ここでは、信のあこがれる大将軍・王騎の人物像とモデルについて詳しく解説していきます。
 
 

目次

『キングダム』王騎とは?

 
 
王騎は、政が生まれる前から秦を支えていた「六大将軍」のひとりです。

しかし、物語開始時、この六大将軍は「伝説」となっておりその実在感はありません。王騎も半分引退しているような状態です。

そんな彼ですが、政と信に出会うことで、再び戦場に出ることになります。

見た目は、大きな身体に分厚い唇、あごから生えた三角ひげの並び、と超個性的。笑い声も「コッコッコッ」とこれまた個性的です。

アニメで王騎を演じていらっしゃるのは、小山力也さん。実写映画では、大沢たかおさんが演じていらっしゃいます。

王騎の略歴

王騎の生年月日や年齢はわからないものの、かつて昭王を慕い将軍職にあったことから、初登場時は30代(後半?)ではないかと思われます。

昭王とは政の三代前の王のことで、史実も踏まえて整理すると、

昭王[しょうおう、昭襄王(しょうじょうおう)とも、今でいう本名だと嬴稷(えいしょく)、在位55年]
→孝文王[こうぶんおう、即位前の呼称は安国君(あんこくくん)、在位3日]
→荘襄王[そうじょうおう、即位前の呼称は異人(いじん)後に子楚(しそ)、在位3年]
→政[13歳で即位、後の始皇帝]

となります。

『キングダム』の物語の冒頭は、政が15歳の時代です。

それでは、王騎の足跡をたどってみましょう。

〈昭王の時代〉=秦が領土を拡大させた時代
・秦国 六大将軍のひとりに名を連ねている。あらゆる戦場に現れることから「秦の怪鳥」と呼ばれ、中華で知らぬ者はいない。
・六大将軍のひとり、摎(きょう)とは思い合う仲にある。王騎は承知だが、摎が昭王の娘であることは周囲には知られていない密かな事実。
・王家の分家筋の人間である。本家は王翦(おうせん)とその息子 王賁(おうほん)の方。

・摎が趙の龐煖(ほうけん)に討たれる。

・昭王が老齢のため亡くなると、第一線から退く。

〈政の時代〉=物語はここから始まる
・秦の首都 咸陽(かんよう)。王座を王弟 成蟜(せいきょう)が乗っ取っており、政は咸陽を追われている。そんな宮中に、半分引退状態だった王騎が突然現れる。
この時点では、彼が政の味方なのか成蟜の味方なのか、それともどちらにも組しないのか、わからない。

・政が咸陽に戻り玉座を取り返す。それを高みから見ている王騎。そして、政たちが戦う宮殿正面の広場に出ていき、政の器を見極めるかのように言葉を交わす。
また熱い時代が来ようとしているのかもしれない、とその場を去る。

・「蛇甘平原(だかんへいげん)の戦い」にて。
戦場全体を見渡せる小高い丘の上で戦いを見ている。参戦はしない。
信と出会う。信に言葉をかけるが、「唇巨人」と言われる。王騎の信の呼び方は「童(わらべ)信」。

・信に修業をつけてくれと言われるも、まともに取り合わない(ように見える)まま国の外に連れていく。そして、信を谷底で土地争いをしている集団の中に突き落とし、女性と老人ばかりの側を勝利に導くよう指示する。

・「馬陽(ばよう)の戦い」(対趙戦)
総大将を引き受ける。これには、龐煖を討つという目的もあった。
・出陣の前、政の前にひざまずき、昭王からの遺言を伝える。これは孝文王や荘襄王には伝えていなかったもので、中華を目指す王たるものの指針となる教え。
・信が率いる三百人隊に「飛信隊(ひしんたい)」の名を与える。
・龐煖との一騎打ち。勝利が見えたその瞬間、趙軍本隊である李牧(りぼく)軍が到着。一瞬の隙を得た龐煖。彼は矢を放ち、これが王騎の背中から胸を貫く。
・戦いが終わり、馬上で最期を迎える。直前、軍を副将 騰(とう)に託し、信に自分の矛(ほこ)を託す。

王騎の役割とは

ここからは、王騎が物語上で担っている役割を見ていきます。

信に矛を託す=新しい世代へバトンタッチ

王騎は最期、信に愛用の矛を託しますが、これは単に信がかわいいからという理由だけではないでしょう。昭王の遺言を政に伝えたのと同じように、昭王の時の「武」を信に伝えたと考えたのだと思います。

昭王の時の「武」とは、中華統一を視野に入れた領土の拡大です。
戦国の世を終わらせるために、秦の天下統一を成し遂げよというメッセージを、信に託したのでしょう。

王騎によって、一世代前と現役の世代・未来の世代はつながれることになるのです。

秦の過去を見せる

信と政が生まれた頃、秦は周囲の国々から敵視し恨まれています。このことは、政の幼少期のエピソードで表されていますね。

その原因となったのは、昭王が一気に領土を拡大したからと言ってよいでしょう。戦国時代なので、他の国も戦争・侵略はしているのですが、昭王の領土拡大が早かったことと、獲得した土地で中央集権的な治め方をしたことが特異だったのです。ここでいう中央集権的な治め方というのは、秦が直接民を治めるという意味です。

この統治法で、現地の有力者はプライドをずたずたにされ、秦への敵意に燃えます。悪いのは秦だという考え方は民衆にも広まり、生活上のストレス発散の対象になっていたという想像もできます。

ちなみに、秦が滅んだ後、楚漢戦争を経て漢の時代になりますが、漢の統治方法は郡国制です。中央から官吏が派遣されるのは秦と同じですが、皇帝が天下の民を直接統治するという考えはありません。

王騎の存在によって、過去の「秦の栄光の時代=他国から秦が目の敵にされる理由」を垣間見ることができるのです。

信の目標

信は初めて王騎に会った時、その迫力に圧倒されたじろぎながらも、大将軍という存在を体感します。今の自分には遠いが、王騎将軍のようになりたい。信にとっての具体的な目標ができたのです。

とはいえ、最初の2人の会話はおもしろいものです。

王騎「オヤァ? 昌文君が言っていた童(わらべ)とはひょっとしてあなたのことですかァ? 名前はたしかァ 信!」
信「!…… あんた 昌文君のおっさんの仲間か?」
王騎「仲間というかァ ンフフフ 愛人です!」
信 「え”っ」
王騎「ココココ 冗談ですよ 王騎冗談」
信 「?…………」

これも王騎のとらえどころのない大きさを示すものなのかも(?)しれません。

実在の王騎はどんな人物?

王騎が実在したことは確かですが、その詳細はわかっていません。

ややこしいことに、『史記』には、王齕(おうこつ)と王齮(おうき)という二人の人物の名が出てくるのですが、話の流れと年代から考えて二人を同一人物だと見て矛盾はないだろう、というのが現在の多くの見方のようです。

歴史書の中の王騎

『史記』は、前漢 武帝の時代に司馬遷が編纂した約53万字の紀伝体(年代順ではなく人物や国ごとに出来事をまとめた形式)の歴史書です。武帝の時代とは、前141年から 前87年。つまり、秦が滅んでから100年ほどのちに書かれたということになります。

『史記』での王騎の登場は以下のようになります。(( )内は引用元のとおり、〔 〕内は筆者の補記)

「〔昭王の〕四十八年十月、韓が垣雍(えんよう、河南・原武)を秦に献じた。秦軍は分かれて三軍となった。武安君が帰り、王齕が将として趙の武安君を伐ち、皮牢(ひろう、河南・武安の西)を攻め取った。」
「〔昭王の〕四十九年正月、いよいよ増兵して陵を援けたが、陵の作戦がよくないので王齕が代って将となった」

「〔政は〕李斯(りし)を舎人(けらい)とし、蒙驁(もうごう)、王齮(おうき)、麃(ひょう)公らを将軍とした」
「〔政の〕三年、蒙驁が韓(かん)を攻め十二カ城を取った。王齮が死んだ。」

いずれも王騎が将だったことはわかりますが、いつどこで生まれて家族はどうだったかといったことは、記載がありません。

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