人間って素敵だよねって思える作品です――ドラマ『0.5D』を通して、佐田成弥役・和田雅成さん＆宇野大輝役・笹森裕貴さんが改めて考える“恋愛の在り方”【インタビュー】

1話から積み上げて行ったものを最後まで受け止めてほしい

――作中で特に印象的だったシーンについて教えてください。

和田：僕でいうと第4話の後半で、それこそ僕がさっき恋愛の在り方で話したような長台詞をぶわーって1人でしゃべるシーンがあるんですけど、そこが伝わる人には真っ直ぐ伝わると思います。

わりと僕は素直というのも変ですが、そういうものを真っ直ぐ受け取る人間なので、すごくその台詞が響きました。ご覧になった方にも響くものがあってほしいなと思いますね。

あとは全体的にうーくんとのシーンも多くて、2人で1話から積み上げて行ったものがあるので、しっかり最後まで受け止めていただけたら嬉しいなと思います。

笹森：僕は和田さんが今おっしゃっていたシーンで聞く役だったんですけど、それこそ「めっちゃ良いこと言ってるわこの人」と思いながら本当に刺さった側の人間でした。

全編通してですが、和田さんのお芝居していない感じがめちゃめちゃ素敵で。あのシーンは特にご自身と重なったのか分かりませんが、ぐわーっとくるものがありました。それは本人にも「めっちゃ良かったっす」っていうのをお伝えしましたね。

和田：言ってくれてたよな。言ってくれてたんですよ。「めっちゃ……っす」みたいな言葉にならない感じで（笑）。

一同：（笑）

笹森：めっちゃ良かったっす。しかもほぼワンカットでね。

和田：一発目のワンカットだったね。

笹森：今のでOKでしょっていう雰囲気になるぐらいすごく素敵でした。お芝居っていったら間違っているのかもしれないなと思うぐらい和田さんの素敵なところがとても前面に出ていました。その時も「迷惑かけたか」という言葉を言ってるんですよ。

和田：その台詞と同時に、世の中が色々な恋愛の在り方についてちゃんと理解しないといけないんだなという部分が大前提としてあるなと感じました。そういった色々な恋愛を許容する世の中であれよっていう。

笹森：印象に残っているシーンを聞かれてぱっと思い浮かぶのは、第2話の家で過ごしたり居酒屋のシーンが結構（スケジュールが）キツくて大変だったことなのですが、改めて振り返るとやっぱり第4話の最後のシーンでしたね。大変だった時の記憶の方が色濃く残りがちですが。

和田：そうね。第2話の撮影は本当に大変だったからね。物語としてもかなり重要なんですけど、意外と撮影自体はそんなに押さずにさらっと撮影できたのは第4話だったんです。でも第2話が本当に大変だったので、やっぱり第2話の方が印象が強いよね。

笹森：全然関係のない話だけどやっぱり、こうやってお話をしたり自分の意見を話すことによって、記憶が蘇ってきたり、アウトプットってインプットなんだなってまざまざと感じました。

――それでいうと最初に役作りをしていく中でキャラクター像を定着させていくために自分が持って行ったお芝居に対してスタッフ陣からなにかディレクションはあったのでしょうか？

笹森：僕は結構ありましたね。映像のお芝居はめちゃめちゃ難しかった印象があって、第1話と第4話を撮ってくださった八十島美也子監督から後半になるにつれて「どんどん良くなってきたね」という言葉をかけていただいたり。

自分の中ではあくまでも自然体というか、何も考えずにやってみてはいるけれど演劇人特有のクセのようなものが出ちゃっていたのかもしれないです。だけど、どこをどうしていけばいいのか分からなくて、なかなか大変でした。

あとは間の取り方がめちゃめちゃ難しかったです。演劇ではテンポ良くいかないといけない部分もあるので、自分が間を使うのがちょっと怖かったりもします。（流れが）もたなくなっちゃうし。ドラマでは「これでもか」と自分なりに間を空けていても、もっと空けていいよって監督がおっしゃってくださって、監督の撮影の仕方なのかもしれないけれど、すごく新鮮で勉強になりました。

和田：こういうことを考えている時点で真面目ですけどね。（表現において）きっと間違いなんてないじゃないですか。

僕は笹森に比べたらもしかしたら映像の現場の経験が少し多いのかもしれないけれど、だからといって僕が「もっと間を取ればいいのに」とは思わないです。今回は監督が3人いらっしゃったので、各監督のやり方によって違うだけで、演技が間違っているという話ではないと思います。

だけど、そのことについて考えることは本当に素敵だなと思う。僕だったら死ぬほど考えちゃうタイプだし、（笹森さんが）監督からアドバイスされて悩んで、色んなことを考えている瞬間を見て、良いなと思ったし、歩みを止めないことが大事なんだなって思いました。舞台とドラマの見せ方は本当に違うんですよね。“演劇をしている”というベースは一緒なんですけどね。

――たしかにそうですよね。スタッフ陣とのお話に引き続き、他のキャストの方とはなにかお話しされましたか？

和田：高田さん（後藤千晴役・高田里穂さん）と村瀬さん（村瀬里奈役・木下彩音さん）は良い意味でさっぱりしていて、それが僕ら2人にとっては居心地が良かったです。

笹森：表現が合っているか分からないのですが、僕は結構人見知りなんですけど普通に友達としゃべっている感じでお話ができました。

――どのようなお話をされたのでしょうか？

笹森：高田さんは占いが好きで手相とかも得意な方なのですが、僕は30歳がやばいらしいです（笑）。

和田：良い意味だよね（笑）。

笹森：良い意味です！　30歳で跳ねるらしいのであと3年頑張ります（笑）。

――本当に和気あいあいとした現場だったんですね。お話いただきありがとうございました。それでは最後に本作の見どころや魅力を教えてください。

和田：全体を通して本当に優しい物語になっていて、こんなに真っ直ぐなドラマはここ最近ないんじゃないかなと思います。相手に対して愛があって、観てくださる方は真っ直ぐすぎて眩しく感じられるんじゃないかな。

昔のドラマだったらこれだけ真っ直ぐ言葉を言い合ったりもあったと思いますが、今また改めてこういうドラマの役を演じさせていただける機会をいただきました。本当に、本来こうであってほしいなという物語が描かれています。

笹森：登場人物ひとりひとりが好きなものが違って、各々が見ている世界も違っているので、その人たちが生きてきた道がとても分かりやすく表現されています。

生まれ育った環境で人の性格が形成されていくものだと思いますが、それに正解とかはなくて。それがその人の歩んできた道だし、それを自分で選んだ人や選ばなくとも勝手にその道になった人もいる。生きてきた道は本当に人それぞれで、それが交わっていきます。めっちゃ、人間って良いじゃんって……。

和田：人間って良いな。

笹森：どんな人がいてもいいよね。人間って素敵だよねって思える作品です。

スタイスト：岩田友裕　ヘアメイク：車谷 結
衣装協力：DAMAGE DONE 2ND

［取材・文／笹本千尋　撮影／胃の上心臓］

ドラマ『0.5D』配信情報

【無料見逃し配信】
▼2024年12月5日(木) 0:00（放送終了後）配信スタート
TVer

【有料配信】
▼2024年12月5日(木) 0:00（放送終了後）配信スタート
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　カンテレドーガ：毎週木曜0:00～

▼2024年12月6日(金) 0:00配信スタート
　J:COM STREAM：毎週金曜0:00～

［出演］
和田雅成　笹森裕貴　木下彩音　高田里穂　宮下貴浩　ニシダ・コウキ（ラランド）　平賀勇成／和田琢磨

［監督］八十島美也子　山口雄也　大野キャンディス真奈
［脚本］私オム

［オープニングテーマ］和田雅成「own world」
［エンディングテーマ］和田雅成 笹森裕貴「コイナラ」

［制作プロダクション］ホリプロ
［製作］「0.5D」製作委員会

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