
今年もアニソンへの熱い想いが溢れた「令和6年アニソン大賞」受賞楽曲まとめ|さらに冨田明宏さん・吉田尚記さん・齋藤Pさん・前田 久さん・DJ和さん5名の選考員インタビューも!それぞれがアニソンへの想いを語る!
前田 久さん(アニメライター)
1982年生。アニメ関連のインタビュー、コラムを主に手掛けるライター。通称”前Q”。主な寄稿先に「月刊ニュータイプ」(KADOKAWA)、「Febri」(https://febri.jp/)など。2016年4月の放送開始から2021年3月の最終回まで、NHK-FM「三森すずことアニソンパラダイス」にコーナーレギュラーで出演。
──「アニソン大賞」も7回目の開催となりましたが、今回の「アニソン大賞」はいかがでしたか? また、特に印象的だったノミネート楽曲を教えてください。
前田 久さん(以下、前田):今回も気持ちよく激論の交わせる、実に楽しいトークイベントでした。現地・配信で熱い声を届けてくださったお客様方、他の登壇者のみなさま、支えてくださったスタッフ・関係者のみなさまに大感謝です。
特に印象的だったノミネート楽曲は、やはりCreepy Nuts 「Bling-Bang-Bang-Born」でしょうか。あまりにも強い。それゆえに自分からはあえてノミネートしなかったわけですが、やはりすごいものはすごい。そこから目を逸らさないのが令和アニソン大賞イズムじゃないかと、自分としては考えています。
──イベントでは語り尽くせなかった今回の「アニソン大賞」におけるポイントを教えてください。
前田:裏大賞を「該当作なし」としたことについては、もう少し語れたらよかったですね。初めて裏大賞を出した令和3年アニソン大賞以降、アニメやアニソンの社会的位置づけの変化をどのように賞に反映するかは、選考委員のあいだで常に議論になってきました。この結果は、その議論のステージがもう一段上がったことを示しているわけで。
──イベントの前後を含めて、何か裏話などありますか?
前田:自分、全部門にそれぞれ別のトゲナシトゲアリの楽曲をノミネートするか、回答期限ギリギリまで真剣に悩んでました。……大した裏話じゃなくてすみません(笑)。
──DAM2024年アニメ主題歌カラオケランキングについて気になるポイントはありますか?
前田:「アーティストソング部門」に入っていてもおかしくなかった楽曲の多さですかね。やはり今、この層が非常に厚い。ランキングの結果を見て、あらためてそう感じました。
──今年度より新設された賞に「アニカラ賞」がありますが、今回のノミネート楽曲をご覧になった感想はいかがでしょうか。
前田:「パジャマパーティーズのうた」のノミネートは意表を突かれました!! 選んだ人に完全敗北です……わァ……ぁ……(笑)。
──これまで数多くのアニメ作品に関連する記事などを執筆されている前田さんですが、アニソンに対する印象にこれまで変化などはありますか? また、昔と今で「ここが変わった」など感じるポイントがあれば教えてください。
前田:先のいくつかの質問への回答と若干重複したような内容になってしまうのですが、アニソンプロパーではないアーティストが手掛けるアニメソングが年々、日に日に存在感を増していっている印象があります。
どのアーティストも音楽性の高さや個性、関わった作品への敬意は疑うべくもありませんが、ちょっと気になってしまうのが、「アニソンらしさ」へのこだわりですね。アニソンって、ただポップ・ミュージックとして優れたものであればいい、関わった作品への愛が込められていればいい……というだけのものではないと、私は考えています。
オカルトめいた、抽象的な物言いになりますけれども、アニメ好き・アニソン好きの胸を高鳴らせる「何か」が、楽曲には宿っていてほしい。アニソンとして保守的、定型的な曲を作ってほしいわけではないのですが、作品単体だけではなく、長い歴史の中で培われてきたアニソンという文化もリスペクトしてほしい。
そうしたアーティストの活動から、アニソンプロパーのアーティストも刺激を受け、聞き手の耳にも変化があり、よい形の相互作用でアニソンがさらなる発展を遂げることを、心から願っています。……なんかひと演説ぶってしまった気分。何様なんだ、コイツは(笑)。





























