アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd season 声優インタビュー連載第5回：オットー役 天﨑滉平さん｜フラストレーションが溜まった[襲撃編]、[反撃編]では対等に戦えることで爽快感を味わいながら演じました。

前作の2nd seasonから約2年半を経て、2024年10月から待望の3rd seasonがスタートした『Re:ゼロから始める異世界生活』。[襲撃編]8話と[反撃編]8話の変則方式でオンエアされましたが、ついに後半にあたる[反撃編]が2025年2月5日から放送開始！

[襲撃編]の8話（通算58話）「いつか好きになる人」では、4つの拠点にいる魔女教の大罪司教4人に対して、スバルたちエミリア陣営と王選候補連合への反撃を開始！　レグルスに反抗して大ピンチのエミリアの前に、間一髪で現れたスバルとラインハルト。果たしてスバルはエミリアを奪還できるのか？　期待感に胸が高まる8話でした。

アニメイトタイムズでは、キャスト陣にメールインタビューを行っています。第5回に登場していただくのは、オットー・スーウェン役を演じる天﨑滉平さんです。前シリーズの2nd season、そして3rd seasonの[襲撃編]を振り返っていただきながら、放送直前の[反撃編]の見どころを紹介していただきました。そして次回のインタビューに登場する山根 綺さんとの収録の裏話も語っていただきました。

前回はこちら

スバルやエミリア陣営との絆が深まった2nd season。視聴者にもスバルの仲間たる説得力を意識しながら収録

──まず前シリーズの2nd seasonを振り返っていただけますか？

オットー・スーウェン役　天﨑滉平さん（以下、天﨑）：オットーは1st seasonの14話から登場しましたが、 たぶん視聴者の方はモブキャラみたいな感覚で、スバルの旅の道中で出会ったちょっと不運な商人くらいの印象だったと思います。

2nd seasonになるとエミリア一行と関係が深まるようになって。スバルに至っては友達と言えるくらいの絆ができました。自分としてもオットーをスバルの友人と言うのにふさわしい存在感を出せるように演じなければいけないなと思っていました。

　
元々、原作を読まれている方にとってはオットーが重要な人になっていくことはご存じだと思ったので、アニメから入った方にもオットーはただの商人ではなく、「すごいヤツなんだ！」と感じてもらえたらいいなと思いました。頭の回転の速さやキレ具合と勇敢さ、そして彼の生い立ちの複雑さなど知ってもらうごとに、「オットーはスバルの仲間になるべくしてなったキャラクターなんだな」と思ってもらえるくらいの説得力のあるお芝居をしなくてはいけないという気持ちで臨んだ2nd seasonでした。

──1st seasonでスバルと出会った最初の頃は「やっかいごとに巻き込まれちゃったな」という感じで裏切ろうとしたり、スキあらば逃げようとするズル賢さが商人っぽいなと思いました（笑）。

天﨑：1st seasonでは白鯨と遭遇した時に、スバルを牛車から落として逃げようとしたり、いわば視聴者の皆さんにとっても印象が最悪な状態からのスタートだったと思うので、あとは上がるしかないですよね（笑）。だから皆さんの悪印象から挽回して好印象や共感してもらえるように、いかに魅力的なキャラクターに上げられるのかは意識しました。

2nd seasonの「ユージン」ではスバルと演じる小林裕介さんとの関係性を重ねながら収録!?

──2nd seasonの後半クール（通算40話）ではサブタイトルが「オットー・スーウェン」とキャラ名そのままになりました。

　
天﨑：オットーの過去のエピソードを描いていただきました。生まれた時から生物の声が聴こえる「言霊の加護」を持っていたことで、周りから疎まれてきて。でも家族の愛情に恵まれてしっかりと育つことができました。だけど不運を引き寄せてしまう才能もあるようで……（笑）。オットーのバックグラウンドを丁寧に描いてくださったことがすごく嬉しかったけど、同時にプレッシャーも感じました。

「ユージン」（通算32話）で、囚われているスバルに、なぜ危険な目に遭ってまで助けようとしたのか尋ねられた時、「ユージンを助けようとするのは、そんなにおかしなことですかねぇ？」と返した時と並ぶくらい、「オットー・スーウェン」はオットーを演じる上で重要な回だと思いながら演じました。

──ということは2nd seasonで印象的だったエピソードも「ユージン」と「オットー・スーウェン」になりますか？

天﨑：僕自身、スバルを演じている小林裕介さんとは『リゼロ』以外でも共演作も多くて、しかも兄弟や双子など近い関係性で。なので親交も深かったけど、「裕介さんは先輩なのかな？　友達なのかな？」と揺れ動いていました（笑）。

裕介さんは「滉平」と呼んでくださるけど、僕は「裕介さん」呼びで、作中で「オットー」、「ナツキさん」と呼び合っていたのと同じでした（笑）。でもお互いに信じ合っている微妙な関係性で。

だから演じる時も親しみを感じながらも、先輩と後輩という距離感もありながら絶妙な関係性で掛け合えた気がします。今では裕介さんともっとラフに話したり、接していますが、2nd seasonの時はスバルとオットー、裕介さんと僕という関係性が似ていたので、特に印象に残っていますし、スバルが裕介さんで良かったなと思っています。

── 一方、「オットー・スーウェン」では、ガーフィールと対峙している時に、「言霊の加護」の能力を見せるために街中のゾッダ虫を呼び寄せたら、「ゾッダ虫野郎」とののしられたり、好きな女性を目の前で奪われた腹いせに、「君は8番目だそうです」と言ったおかげで本心をバラされた殺し屋に追われたため、街を飛ぶ出すことになった過去と、ペテルギウス（CV.松岡禎丞）に捕まり、死を覚悟した時に間接的にではあるけどスバルに助けられたことなどが描かれていました。

天﨑：スバルはいわば命の恩人という何者にも代えがたいな存在で、なぜこんなにスバルを助けようとしたり、エミリア陣営をサポートしようとした理由がわかるエピソードでした。　　

あとオットーっておもしろいキャラクターだなと思って、商人としてビジネス優先、利益を追究する面を考えるクレバーさもありながら、人間らしい情もしっかりあるんですよね。そんな対極的な二つの面を併せ持っているところが魅力的だなと思いました。