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春アニメ『ある魔女』青山吉能&榊原良子インタビュー【連載第1回】

『ある魔女が死ぬまで』声優インタビュー連載第1回:青山吉能さん&榊原良子さん | 余命1年の設定なのに「もっと面白く」とディレクションを受けていた!?

常にふざけているようでただのおバカではない、メグのキャラクター性

──最初に『ある魔女』のシナリオを読まれた時、どんなことを感じられましたか?

青山:冒頭から余命があと1年ということを告げられてから始まる物語だったので、「なんて悲しいストーリーなんだ」と思ったのが本当に最初の印象でした。けど、そこからメグというキャラクターが、街の人や先輩魔女たちからいろんなことを学びながら、すごく明るくポジティブにそれを捉えているお話を読んでいく内に、印象が変わっていって。

なんかメグってすごくおバカで、 いつもだらけてる奴っていう風に外側からは見えるけれど、内側はすごく明るく朗らかで、ただの馬鹿じゃないことを、演技でも表現したいなと、原作を読みながら思ったりしていましたね。

 

 

──あと1年しか生きられないという、設定としてはかなり重い話なんですけど、そういう雰囲気をあまり感じさせないような作りになっていますよね。

青山:そうなんです。とくにアニメになるとギャグシーンが30秒に1回くらい挟まってくるので、情緒がおかしくなりそうになりますね(笑)。

榊原:場面もものすごい勢いでパッパッと変わっていくから、(メグを)演じるのはすごく大変だと思う。

青山:ある種、そのテンポがあるからこその『ある魔女』なんだなと今は思っているんですけど、1話の収録のテストの時はまったくついていけなくて、本当にボロボロだったんです。それで次の日もう一度やることになったり、そのテンポに少しでも慣れないと思って、家で何度も練習し直したりしていました。

──榊原さんとしてはいかがでしょうか?

榊原:私はこの話を読んだ時、まず「(原作者の)坂先生ってどんな方だろう」と思ったんです。お年寄りの視点もそうですし、人間の運命に対する助言とか、なぜこんな深いものが書けるんだろうと。

それでちょうど第1話の収録の時、スタジオに来られていたのをお見かけして、こんな若い方だったんだと驚きました。何か特別な経験でもなさっているのかなと思うくらい、人生の深みみたいなものを、すごく優しい言葉で表現されているんですよね。

 

 

──テーマ性が深いというか、何かと考えさせられる内容が多いですよね。

榊原:私は父と母を介護して見送った後で、自分が死ぬ時にどうしたらいいか、よく考えているんです。できれば誰にも迷惑をかけずに、急にコロっといくのがいいと思ったりはしてるんですけど、やっぱり人間って死ぬまで成長していかないといけないじゃないですか。何年生きたからもう終わりってことはなくて、ずっと勉強し続けていかないといけない。だから、もっとマシな大人になるにはどうすればいいかをずっと考えてきたんです。

そんな時にこの作品と出会って、何か啓示というか、運命みたいなものがあったのかなと思ったりもしました。私がこれから向かう道のりの上で、すごくプラスになる出会いをさせてもらったんじゃないかなと感じています。

──本作が特殊なのが、“死”と向き合うが高齢のファウストではなく、若いメグの方だという点でもあります。榊原さんは、二人が置かれた状況というのはどのように感じましたか?

榊原:まずファウストは、メグの生まれながらの才能みたいな部分は、きちっと見抜いていると思うんですね。その上で、メグ自身が何かを作り出していくためのきっかけみたいなのを与えようとしているのかなって。1日1日を充実させて過ごすことの大事さというか、余命が1年だろうがそうでなかろうが、1秒1秒を無駄にせず生きることってすごく大切なんだよと。

やっぱり普通に生きていると、毎日毎日同じことの繰り返しだと思うようになっちゃうじゃないですか。けれど、本当はまったく同じことが起きている日なんて一日たりともないわけで、ファウストはそういうことをメグに教えたいのかなと感じています。

 

 

──分かる気がします。自分自身も、そういう感覚で過ごしているところがあります。

榊原:人間って時の流れに乗って生きていて、10秒後には私はまた違うことを考えていると思うんですけど、1秒先に自分が何を考えているのかすら、人間には分からないわけです。でも、なぜか不思議と分かっているような気になっている。

だから人生って、どんなこともハプニングなんです。何か大変なことが起こったとしても、それまでもハプニングの中で生きてきたんだから、慌てずに時間をかけて取りかかればいいんだって、歳をとってから分かるようになってきましたね。そういう矢先にこの作品と出会えて、改めて精一杯生きないといけないなと。

実は私、このちょうど収録前にコロナにかかったり、収録の期間中に骨折してしまったり、結構いろいろあったんです(笑)。でもそういう覚悟ができていたのもあって、皆さんにご迷惑をかけてしまったのは申し訳ないんだけど、そういうのも含めて「面白い人生だな」って思えるようになってきましたね。

青山:……なんか、今のお話をお聞きして、やっぱり自分はまだまだと思い知らされたというか。何かハプニングがあった時、自分はどうしてもそれをマイナスにしか捉えられないんですよね。

榊原:でも、私も若い時はそうだったから。40過ぎくらいまでは、「これじゃダメだ」って自分を責めてばっかりで、やっぱりすごく辛かった。そこから少しずつ今の考え方ができるようになってきて、楽しく過ごせるようになってきましたね。

──そういう、ある種の“境地”みたいなところに達しているのは、ファウストにも通じる部分がありそうだと感じましたが、実際に演じられる際はいかがだったのでしょうか。

榊原:多少理解できるからこそ、その深みをどういう風に表現すればいいのか、ものすごく悩みました。ファウストの考えていることは、きっと私が想像しているよりもずっと深いと思っていて、本を読んで稽古にいくまでの間にも、彼女の考えを理解するために何度も何度も読み直しました。そこから、ある程度自分で考えをまとめて稽古に臨むんですけど、稽古している間にも「違うな、こうじゃないな」ってまた考えが変わってくるんです。

 

 
そういう意味では、作品の収録を通じて、私が坂先生に新しいことを教えていただいていたような感覚があります。若い方に学ばせてもらうってすごく大事なことで、ベテランだからこそ現状に満足せず、死ぬまで学んでいかないとダメなんだと思っています。

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