音楽
ナナニジ「ロックは死なない」天城サリー、河瀬詩、椎名桜月インタビュー

楽曲やツアーのお話から仲の良さが伺えるお話まで盛り沢山! アニメ『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』ED曲「ロックは死なない」──「22/7(ナナブンノニジュウニ)」天城サリーさん、河瀬 詩さん、椎名桜月さんインタビュー!

ED曲「ロックは死なない」はナナニジのシングル表題曲では珍しい激しく力強いロック!?

──ナナニジが担当しているアニメ『不遇鑑』のED曲「ロックは死なない」を初めて聴いた時の印象や感想をお聞かせください。

天城:ナナニジのシングル表題曲で、こういうロックな曲はあまりなかったので、最初はすごくビックリしました。この前のシングル『YESとNOの間に』でもアニメ『ATRI -My Dear Moments-』のED曲としてタイアップを担当させていただきましたが、ポップな感じのかわいい曲でした。

でも今回は自分の信じる道を突き進む力強い歌詞だったので、「アニメやED映像とどう融合していくのかな?」と楽しみになりました。

椎名:『YESとNOの間に』はライブで盛り上がる曲で、みんなで「よっしゃー行くぞ」など声を合わせたりしましたが、この曲はみんなで何かを言うとかではないけれど、ライブ映えするサウンドになっています。

ギターから始まってカッコイイ曲になっていたので、実際にライブ会場で聴いた時に感じる音圧など、ナナニジの新しいライブチューンになったと思います。

アニメタイアップになったことで、更にたくさんの方にナナニジを知っていただく機会になると思うし、この曲でナナニジを知ってくれた方は他の曲とのギャップにすごくビックリするんじゃないでしょうか。ダンスも激しい分、カッコよく仕上がっているので、公開されているdance videoもぜひ見ていただきたいです。

河瀬:初めてイヤホンで聴いた時はBPMがとても速くて、「うまく踊り切れるのかな?」とちょっと心配になりました。そしてタイトルがまず強い言葉だったし、歌詞も芯が強い人が我が道を進んでいくという曲なのかなと思いました。

でも歌詞をよく読んでみたら、1Aの「あんな燃えてた心の太陽も沈んで」とか「どこに消えた?大切にしてたもの」の歌詞がすごく心に刺さって。2Aの「才能の限界に折り合いをつけて」も絶対に考えたくないことなのに、誤魔化さずに自分の弱さも歌っていて。

すごく強い曲ではあるんですけれど、今までのナナニジの曲では自分の心の弱さも歌ってきたので、そこと繋がっている部分もあるなと思ったし、ナナニジだからこそ消化して歌えるんじゃないかなと思いました。

──確かに歌詞を読むと、いま壁にぶつかっている人やかつてあった情熱を取り戻せない人への応援歌に感じられます。

河瀬:元々強い人がどんどん突き進んでいくぜというのではなく、一度挫折や苦しみを味わっている人をすくい上げてくれる曲で、温かい曲だなと思います。

──また『不遇鑑』のアインが蔑まれて裏切られて、死ぬ寸前までになったどん底から立ち上がって進んでいく姿にも重なりました。

河瀬:私たちはどう楽曲が作られたのか詳しいところまでは知りませんが、アインくんの心情などを汲み取って歌詞を作り上げてくれている気がします。

この曲が『不遇鑑』のEDで流れた時、「この歌詞はあのシーンのことだな」とか「このエピソードのことかな?」と浮かんできたり、考察しながら聴けるので、アニメと合わせて楽しむことで噛み締められる曲になっていると思います。

──サビラストの「ロックンゴール」という造語も不思議とバッチリ、ハマっているんですよね。

椎名:私も「ロックンゴール」って何だろう? と思いました。

天城:デモでこの歌詞を聴いた時、「ロックンロールを聴き間違えたのかな?」と自分の耳を疑ってしまいました(笑)。

椎名:「ロックンロール」があまりにも聴きなじみのある言葉だから引っかかる方も多いと思いますが、「ずっと目指した ロックンゴール」や「突っ走って行こう ロックンゴール」などサビの終わりに入っているので、「秋元先生やアニメの制作スタッフの方々の想いが込められた言葉なのかな」と思って、歌っていました。

──「ロック」を掲げていながらAメロがスカっぽいアレンジになっているのもおもしろいなと思いました。そのAメロで、皆さんが拳を挙げて「wow wow wow wow wow」と歌いながらひざを小さくカクカクする振り付けがかわいいなと思いつつもキツいだろうなと心配にもなりました(笑)。

天城:ここは苦しくて死にそうになります(笑)。

河瀬:今までのシングル表題曲の中でも一番、歌って踊り終わった後、みんなが「はあはあ」と苦しそうにしていたかも。

天城:衣装が伸びない生地なので、深呼吸もできないという。そんなところも結構ロックなのではないかなって(笑)。

河瀬:歌い終わった後、みんなでポーズをキメるんですけど、そこで「はあ」としているところも込みで、dance videoを楽しんでいただけたら(笑)。

椎名:dance videoや振り入れのリハの時に、この曲だけを何時間も、何回も何回も踊って。口でカウントをしながらゆっくり振りの位置を合わせたりして、「じゃあ3回くらい曲を通そうか」と。

最後のキメが終わると、メンバーがばたばたと倒れていって、「水~! 水~!」と手を伸ばして。「ここは砂漠なの!?」と思うような光景が繰り広げられました(笑)。

リリイベやライブに来てくださる方はこの曲になったらいつも以上に盛り上げて応援してほしいです。

「ロックは死なない」でお気に入りのフレーズや振付は?

──「ロックは死なない」のお気に入りのフレーズや聴きどころのご紹介をお願いします。

天城:私が好きな歌詞はDメロの「こんなに不器用な生き方 ロックじゃないか」です。今まで「ロック」は我が道を信じて突っ走っていく、強くて器用な人というイメージがありました。

でも「ロック」はみんなが進んだ道をついていけば安全なのに、あえて道なき道を切り開いていくところや反骨心は不器用なのかもしれないなと思えるようになったので、好きなフレーズです。

サビ始まりの歌い出しの最後で、私たちが目を隠して覚醒する仕草をしていますが、振付師さんが作品を読んで寄り添った振りを考えてくださって。他にもアニメと繋がる振りが随所に入っているので、見つけていただきたいです。

椎名:私はBメロが好きです。Aメロは裏打ちが多くて、音も少なくなって、サビが激しい感じで始まりますが、サビ前のメロディが特に好きで踊っていたり、聴いている時に「わあ、いいな」と思うし、サビ直前の「ジャンジャン♪」は「サビに行くぞ!」という感じがして。

実際にライブで聴いたら音が増えていくところも高揚感を感じていただけると思うので、注目して曲を聴いてください。

河瀬:私は2サビの「あんなに悩んだことが 角度変えれば理解できる」がすごく好きです。私自身いったん悩み始めると止まらない性格で、「あの時、あんな言い方しなきゃよかった」と自分の言動で後悔することもあれば、将来の漠然とした不安が浮かんできたり。

でも、この歌詞を聴いた時にちょっと見え方が変わって、視界が広がって前に一歩進める気がして。もちろん悩みが完全に解消するわけでもないし、どうでもよくなるとまではいかないけれど、悩みを理解できることで、次にどうすればいいのか考えて、前向きになれるところがいいなと。

だから悩み始めたら「その悩みが何なのか」や「何が原因なのか」を理解できる自分になりたいなと思ったし、そんな余裕を持たせてくれる言葉が素敵だなと思いました。

振付で好きなのは1Bの頭でサリーちゃんが「雑踏に埋もれて」と歌うところで、サリーちゃんが一人だけ普通に動いて、周りがスローモーションで動くんですけれど、しゃがみながら「絶対に早く動いちゃダメ!」と心の中で何度も繰り返していました(笑)。

あの振付は私たち雑踏の人たちのイメージで、その中をサリーちゃんがカッコよく出てくるところがカッコよくて好きです。私も「頑張って、ゆっくり動くぞ」と(笑)。ずっとテンポが速いのに急にゆっくりになるので難しいんですけど、カッコよく出てくるところを注目してほしいです。

──河瀬さんは他に7人と合わせないといけないわけですよね。大変そうです。

河瀬:そうなんですよ(笑)。

椎名:高さも前のほうが低い、中くらい、高いという段差があって、そこをミスったら後ろの子にかぶっちゃうので。決まった雑踏を演じるのは難しいですね。

河瀬:意外と決まっている雑踏(笑)。

──あとギターを弾く振りもあって、腕を回すところがカッコよかったです。

天城:実はあそこも決まりがあって、どのくらいの速度で腕を動かして、どこまで上げるのかとか。ロックといいつつもみんなで正しくそろえています(笑)。

初めて知った葉っぱの万能さ!?

──公開中のdance videoはドローン撮影も含めて、湖を感じさせるような壮大な映像ですね。どこで撮影されたんですか?

天城:千葉の海?

椎名:さぱ~ん! という波が岩にぶつかる某映画会社でおなじみの映像を撮った場所みたいです(笑)。

河瀬:千葉県の犬吠埼です。

──えっ、そうなんですか!? 私は銚子出身なのですが、あんな場所があったとは。

椎名:撮影時間がすごく限られていて、夜遅くなると潮がどんどん上がってくるので、踊っている途中も地面から水が出てきて、踊る場所を変えたりするくらい。人間の力ではどうにもならない自然の強さを感じました。

また岩場に囲まれていて、衣装も白に黒のレザーなので、そのコントラストもカッコよくて、素敵な映像になっていると思います。

河瀬:監督から「しゃがんでいろいろな動きを見せてください」というオーダーがあって、「衣装大丈夫かな?」と思っていたら、メンバーの望月りのちゃんが「(土が)付きました!」と元気に報告してくれて。

その後どんどん汚れていって。「この動きの時は汚れますね」と事後報告も(笑)。りのちゃんはその辺にあった葉っぱで拭いていて。

──余計に汚れが広がりそうですが……(笑)。

椎名:ドローン撮影もしていたため、スタッフさんが遠くに隠れていたので、私たちしかいなかったけど、メンバーの手で拭くわけにいかなくて葉っぱで。

天城:葉っぱは万能だったよね。「葉っぱで(汚れが)とれました~!」と報告したら、スタッフからも「よかったで~す!」と大きな声で確認し合ったのも楽しかったです。

──風も強そうでしたが、寒くなかったですか?

天城:めっちゃ寒かったです! あとりのち考案の髪型固定方法も駆使しています。前髪など触覚みたいな部分をのりで頬っぺたにくっつけたらあんなに激しく踊っているのに誰も髪の毛が崩れていなくて。皆さん、特に女子は風が強い日には試してみてください。

──だから風が強そうな割に、あまり皆さんの髪が揺れていなかったんですね!?

天城:そうなんです! 1日中踊っていたのに。あとすごく汗をかくのに寒すぎて汗が流れなくて。

河瀬:12月に撮影したんですけれど、周りの寒さと踊ることでの体温上昇がちょうどよく相殺されて。もし8月だったら外で撮影できなかったと思います。

天城:それどころか私たちの屍がたくさん転がることに(笑)。ただ後半になると汗が冷えてきて、寒くなってきたらその場を走ったりして。この曲を踊ったら温かくなるけれど、体力も消耗してくるので、「どうしよう?」とみんなで相談しました。

そこでつっきー考案の「自分の機嫌をとる術」が発動しました。近くにタルト屋さんがあったので、みんなで1つずつ買って、それをモチーベーションに頑張りました。

椎名:「ちゃんと昼休憩をとって、次の休憩になったらタルト食べるぞ!」って、みんなで言っていて。実際に休憩になった時、「あまり時間がないです」と言われたけど、みんなでダッシュして。

河瀬:お店に行くまでにすごい数の階段をダッシュで昇って、タルトだけ買って、そこで食べて、また一斉に戻って、崖の下に行くという。

椎名:時間との勝負だったよね。夕陽が沈む前に撮影を終わらせないといけなかったので。

天城:タルトを食べるか、お弁当を食べるかで、みんな悩んでいました。でもタルトがすごくおいしかったです。あと撮影が終わった後にマルシェみたいなところに立ち寄ったら見つけたサツマイモがすごくおいしくて。

dance videoとアー写撮影で2回行きましたが、アー写撮影で行った1回目に食べた時においしかったので、dance video撮影でも絶対に買うぞと意気込んで、実際駆け込んで買えたので、全部の目標を達成できて嬉しかったです。

(C)22/7 PROJECT
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