剣道部男子の成長と揺れる恋心から目が離せない……！　あたたかいタッチで描かれる、阿部はちた先生『高杉と香坂』シリーズをご紹介

今回ご紹介する作品は、阿部はちた先生の『高杉と香坂』シリーズ（サークル：32℃）。

2025年3月23日開催の「J.GARDEN57」にて頒布された、最新作『高杉と香坂　雪どけ4』がフロマージュブックスにて好評販売中です！

剣道部に所属する中学生・高杉と香坂の、思春期ならではの繊細な心情の変化にご注目ください。

『高杉と香坂』シリーズ作品概要

部活にも、そして同級生の香坂にも熱い想いを持っているが、シャイな性格が災いし、気持ちを中々伝えられない高杉（画像右）。

しっかりとした意思を持っていて気持ちをストレートに言葉にしますが、それゆえに稀に勘違いされてしまう不器用な香坂（画像左）。

剣道部に所属する中学生ふたりが、徐々に恋心を自覚し、ゆっくりと進展していく物語です。

お互いに想い合ってるのにもどかしい……思春期ならではの距離感が魅力的な本作。見どころを一部ご紹介いたします。

発行日：2021/10/10～2025/3/23
版型：B5
作家：阿部はちた

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『高杉と香坂』『高杉と香坂　雪どけ1~2』

同級生の剣道部員がみんな退部してしまい、ふたりきりになった高杉と香坂。

部員が辞めて寂しさを感じながらも、香坂とふたりになれて嬉しくもある──相反する気持ちを持て余した高杉に、心をくすぐられます。

対する香坂の複雑な表情は、「部員が辞めてしまって寂しい」という感情のみから来るものなのでしょうか……?

2年生に進級したふたりの学生生活は、後輩も入部して順調です。

部活動終わりに、自然な流れで高杉をお祭りに誘う香坂はさすが！　返事待ちの間、時間差で恥ずかしそうにしている様子には、こちらも照れてしまいますね。

同級生も一緒？　ふたりだけ？　ぐるぐる悩んでいる高杉ですが、彼の出した回答は……。

部活のレギュラー争いをきっかけに、香坂への気持ちに不安を感じはじめてしまった高杉。気分転換に散歩に出ますが、仲良さそうに話す剣道着の少年二人を見かけて羨ましそうな顔をみせます。

彼自身も咀嚼しきれない絡み合った感情が乗った表情は、この一瞬だけの尊いもの。その機微が美しく映ります。

最新作『高杉と香坂　雪どけ4』作品紹介

「J.GARDEN57」にて頒布された最新作『高杉と香坂　雪どけ4』。

明るいチェリーピンクの背景に、すれ違う感情を表したような顔つきの彼ら。瑞々しく甘酸っぱい関係が表紙からも伝わってきます。

今回は他校との試合のお話です。自分が知らない生徒と話している香坂を見た高杉の反応など、まぶしくきらめく青春のワンシーンをお楽しみください。

自分の対戦相手が香坂と揉めていた他校の生徒だと気づいた高杉は、香坂のことで頭がいっぱいに。

高杉が抱く無自覚な嫉妬心とそこから来る対抗心には、ぎゅっと心臓を掴まれた感覚になります。

試合に集中したいのに嫉妬心が加速していく。自分ではどうすることもできない気持ちを落ち着かせてくれたのは……？

負のループに入りかけていた高杉を目覚めさせるのは、やはり香坂しかいません！

一見高杉の勝利を諦めているようなセリフですが、抱え込みすぎた高杉には最適な言葉に感じます。

香坂が高杉のことを理解して、気にしていたからこそ発せられた言葉。何よりも強く結ばれている彼らの絆を、あらためて感じさせられる大切なシーンです。

中学生の多感な時期だからこその心の動きが丁寧に描かれた本作。

香坂のことを友人以上に想っているけれど、自分の気持ちを伝えるまで悩んでしまう、シャイで気遣い屋の高杉。

高杉からの秘められた想いには無自覚ながら、お互いの感情に寄り添い、ときには寄り添われ、理解しあう中で関係を温めていく香坂。

剣道に向き合いながらお互いへの気持ちを確かなものへと進化させていきます。

心のシャッターを切って、ずっと記憶に残したくなるような気持ちの溢れた表情たちは、1ページたりとも見逃せません。まだ蕾のまま膨らんでいく恋心が芽吹く日まで、ゆっくりと見守りたいふたりです。

このもどかしい時間すらもときめきに変わるお話を、是非お手に取ってご堪能ください。

フロマージュブックスでは『高杉と香坂』シリーズを委託発売中です♪