
表題曲は『履いてください、鷹峰さん』OPテーマ! 自身にとって“初めて尽くし”の一曲に――奥井雅美さん「Baby Baby Baby」発売記念インタビュー|今年20周年を迎える「アニサマ」への想いも語る
自身初の野外でのリリースイベントにて、楽曲を初披露
──この楽曲は、3月22日に、ららぽーと横浜 セントラルガーデンKiLaLaで行われたフリーイベントでお客さんの前で披露されていますね。
奥井:皆さんの反応まで詳しくチェックはできていませんが、私はとっても楽しかったです。実は野外のフリーで観られるリリースイベントをしたのが初めてで。デビュー32年目にして(笑)。
これまではアニメイトさんのイベントスペースなどでしかやったことがなかったんですが、今回はフリーで観られるので、ファンの方だけではなく、通りがかったおじいちゃんやお子さんなど、私を知らない方もたくさん来てくださって。めっちゃ風が強かったけど、それがおもしろくて、またテンションが上がって(笑)。
私が楽しんでいたから、ファンの人にも楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。私のファンの人たちはそんな人たちだと思っているので。
──アニメの第1話放送後の反響も大きかったのでは?
奥井:そうですね。私のファンではない方からもたくさんコメントをいただいて。JAM Projectでの私しか知らない方、ソロで歌っている私を知らない方も多いので、「いつもと歌い方が違いますね」と書かれていたり。OP映像を観て「おしゃれですね」とか、おっぱいの印象が強くて、すごく驚いている人がいたり。いつものソロの時よりもいろいろなご意見をいただいて、おもしろかったです(笑)。
「Baby Baby Baby」は私にとって初めて尽くしで、例えばデュエットも何度か経験があり、例えば『スレイヤーズ』で林原めぐみさんとデュエットしていますが、ボンジュールさんは違ったタイプのシンガーで、初めてのタイプの楽曲でしたし……野外のリリイベも初めてでしたし(笑)。いつもと違う一面を感じてもらえていたらいいですね。
ジャケットも楽曲の雰囲気に合わせてくださっていますし、初回限定盤が8センチCDだったり、楽曲周りも気に入っているので、できればCDで皆さんのお手元にお迎えしていただけたら嬉しいです。
──初回限定盤を、奥井さんにとって24年ぶりの8センチCDにしようと思ったのはなぜでしょうか?
奥井:ランティスさんからご提案いただきました。私は90年代シンガーなので、ちょうど8センチCDのシングルが全盛期だったため、すごくなじみがあるんですよね。8センチを聴くためのものは皆さん、持っていないと思うけど、ランティスさんからリリースするのは8年ぶりですし、この先いつ出せるかわからないので、記念グッズのような感じで大切にしていただけたらいいなと思って。
聴くのはサブスクなどを利用したり、なんなら通常盤も買っていただいて(笑)、私の過去のCDと一緒に、今回のCDを並べていただけたら嬉しいです。
──家に8センチCD用のアダプターが残っているので、ぜひ初回限定盤を手に入れて試してみたいと思います。
奥井:私も持っているので、試してみようかな? でももったいないしなあ(笑)。
カップリング曲は、ライブ映えも意識したロックナンバー「D~螺旋~」
──カップリング曲の「D~螺旋~」は、タイトルからして奥井さんのソロ曲っぽいなと。
奥井:「Baby Baby Baby」とは正反対な曲で、ロックっぽい曲がいいなと思って。更に今っぽさも欲しいなと思って、R・O・Nさんにお願いしました。
──サウンドはすごくカッコいいし、奥井さんらしい歌声の力強さもありますが、奥井さんの書かれた歌詞は曲頭の「ジリジリと迫り来るエンディング」や「真実も見抜けない 飼いならされた人たち」など、かなり社会風刺的な深い内容になっていますね。
奥井:過去のソロ曲もそういう内容の曲が多くて。いつもその時々、時代ごとに感じていることや世の中を見て思うことを歌詞に入れていますが、今回もそうです。
今の日本を見ていて、「日本人はもっとしっかりしないといけませんよ」という気持ち、SAMURAI魂という遺伝子をもう一度、震わせなければと。「今は大変な世の中だな」と皆さん、多かれ少なかれ感じていると思うし、これから乗り越えていかなきゃいけないことも多いと思います。そんな時、音楽は聴いて楽しんでもらったり、背中を押すものでもあるし、メッセージを伝えるものでもあると思っていて。アニソンシンガーではあるけど、カップリングではオリジナル色を出していいし、言いたいことをガツッと入れさせてもらいました。
──「SAMURAIと成れこの胸に眠る魂、今喚び熾して」は今だからこそ刺さるメッセージです。
奥井:気合が入っている若者もいるでしょうし、私と同世代の40代、50代でも軟弱な人はいるし。世代や性別に関係なく、もっと現状をしっかり認識したり、考えて、ちゃんとしないといけないですから。未来の子供たちに日本という国を残さなきゃいけないと思っているので、「自分にできることを!」と思って、そういう歌詞にしました。
──社会風刺的でありつつも、ゲームなどのタイアップに使えそうなカッコよさもありますね。
奥井:私はカッコいいものが好きですし、サウンドもカッコいいし。それはR・O・Nくんの持つ才能ですし、私からも「ライブで映える曲」というオーダーもしています。「Wow Wow Wow」のところはライブでみんなと一緒に歌うところで、リリイベの時もみんなが一緒に歌ってくれて嬉しかったです。今後のライブでも歌っていきたいなと思っています。
「Baby Baby Baby」と違うタイプの曲になっているので、シングルでA面→B面→A面と繰り返し、エンドレスで聴いてほしいです。しょっぱいものを食べたら甘いものを食べたくなるみたいに(笑)。
「アニサマ」が今年20周年! 初年度の苦労と達成感を経て、今や誰もが憧れる大型アニソンフェスに
──今では夏の風物詩かつ日本最大のアニソンフェスとになった「Animelo Summer Live(アニメロサマーライブ)」も今年で20周年を迎えました。奥井さんは初回からソロとJAMで出演している、「アニサマ」を支えてきた一人だと思いますが、どのような心境ですか?
奥井:2005年の1回目の時は正直、「もう来年は無理じゃないかな? もうないな」と思っていました(笑)。20年前のアニソン業界、メーカーにとって、ドワンゴさんが手がけていた着メロや着うたはあまり歓迎されていなくて。そんなドワンゴさんが初めてアニソンのフェスをやりたいと手を挙げても、出演してくれる人をなかなか集められなくて。企業色を強く感じたこともあるし、最初に始めるものに対しては警戒心も働くでしょうし。
そんな中で、当時のランティスの社長の井上(俊次)さんが助けてくれたり、私たちベテランの人が中心になって出演してくれる人を集めて。プロモーションも頑張って、会場(国立代々木第一体育館)も何とか埋めることもできました。ただすごく大変だったので、「次はもう無理でしょ」と言っていました。
でもステージが終わって、お客さんが喜んでくれたり、出演者も打ち上げで泣いていて。「アニサマ」に出演したり、作った方からの評判が伝わって、2年目、3年目と徐々に認知されていって、「あんなに素晴らしいイベントなら出たいな」とか「うちのアーティストも出したいな」と言ってくれるメーカーさんや事務所さんも増えてきました。
それでも映像で「ここは使えない」とか権利関係の制約も多かったと思います。それが20年も続くなんて思いもしませんでした。出演者の方やスタッフさん、アニメ、ゲーム、特撮などの関係者の皆さんが頑張ってくれて、ここまで築いてきてくれたことに感謝せずにはいられない、そんな20年でした。まさに今回(2025年)のテーマになっている「ThanXX!」です。
──「アニサマ」が始まったころはまだ、アニソンフェスどころか、音楽フェス自体も今ほど多くなかったので、音楽業界的にもかなり画期的だったと思います。
奥井:こんなに大きなイベントになるなんて想像もつかなかったですよね。
──今ではアニソンを歌う歌手や声優アーティストが出たい目標になっています。
奥井:先日、齋藤P(「アニサマ」プロデューサーの齋藤光二さん)とオーイシ(マサヨシ)さんとご一緒した時に、「始まった時はアニサマに出てくれる人が全然いなかったんだよね」と話したらオーイシさんが「え~っ!?」とすごく驚いていて。
今、アニメ界やアニソン界で活躍するアーティストさんたちにとって憧れのステージになってるんだな〜と、20年という月日の流れを感じました(笑)。
でも私やJAMの人たちは、まだ誰もやったことがないことに挑戦したり、開拓していくのが年長者、先輩の役目だと思っているので、「アニサマ」に限らず、私たちがまた先陣を切らなければいけない時や、力を必要とされた時には喜んでやりたいと思っています。
初年度のテーマ曲「ONENESS」が再びテーマ曲に。そこに込められた想いとは?
──そして今回のテーマ曲は、奥井さんが作詞・作曲された「ONENESS」ですね。
奥井:初年度のテーマ曲で、10年目でもアレンジを変えて、そして今回と、大事な節目の時に使っていただけて、とても光栄です。たぶん齋藤Pのこだわりだと思うし、ありがたいです。1回目の「アニサマ」がすごく良くて、関係者も出演者も一生懸命頑張って作り上げようとしたあの気持ちをいつまでも忘れないようにしたくて。
今、若い人たちが「アニサマに出たいです」と言ってくださるようになりましたが、初心を忘れてはいけないという気持ちが齋藤Pも強いと思うんです。だからテーマ曲を「ONENESS」にして、アレンジも初回の時と同じにして、そのオケを使う。今回の出演者の方が歌ってくださることで、そんな想いや常に大切にしてきた初心を共有できたら嬉しいなと思っています。
──そして次は30周年の時にまた「ONENESS」をみんなで歌うわけですね。
奥井:30年続いていればいいですね。私もJAMもその時にどうなっているのかもすごく楽しみです。「ONENESS」に限らず、音楽はずっと残っていくもので、極端な話、死後にヒットすることもあるわけで。オリジナルの人が歌っていたり、カバーで歌ったものとか。自分が一生懸命想いを込めて作った楽曲がいつの時代にも残っていくことは自分が生きた証ですし、その曲を歌ったり、聴いてもらえたらいいなと願っています。もちろん引退はまだ考えていないですが、ここまでたくさんの曲を歌ってきた今も幸せですし、シンガーやアーティストは本当に幸せな職業だと思います。
──たぶん今でも「アニサマ」でJAMや奥井さんのステージになったら、舞台袖で見届けようとする方もきっといると思います。そして過去のJAMを生で見られないように、「アニサマ2025」のJAMはこの時しか見られない、そんな貴重な時間になると思います。
奥井:若い人たちが彩る華やかなステージに、「まだ出るのはどうなのかな?」という意見もJAMの中でありました。でも今回出演させていただくことで、今アニソン界を盛り上げてくれているアニソンシンガーや声優アーティストさんと一緒に立てることはとてもありがたいです。刺激もたくさんいただけますし、長くやってきた分、恥ずかしくないパフォーマンスをしなければいけないと思っています。
「前に比べて歌がヘタになっちゃったな」とか思われたくないし、JAMにしか作れない世界観……観る人によっては暑苦しかったり、うるさく感じる人もいるかもしれないけど(笑)、自分たちにしかできないものを「アニサマ」のステージでパフォーマンスできたらいいなと思っています。
そしてソロの奥井雅美としても、私がこれまでやってきたスタイル、作ってきた楽曲を今の若いお客さんに観ていただけるのも嬉しいです。精一杯歌いたいと思います。
──「アニサマ」以外でも、7月の『遊☆戯☆王』ライブイベントや、11月に行われるJAM Projectの25周年ファイナルカウントダウンライブなど、多忙な年になりそうですね。
奥井:おかげさまで、JAMもソロも忙しく歌わせていただいています(笑)。ただ、あまり忙しすぎるとノドは消耗品なので、ちゃんと体調と声が万全な状態で歌えるようにコンディションを整えながら、今年1年頑張って、健康で元気に歌っていきたいと思います。
今年は私がデビューして32年目になりますが、これからも私の代表曲や新しい曲……今回も「Baby Baby Baby」と「D~螺旋~」と宝物が増えたので、大切に歌っていきたいと思います。アニメ『履いてください、鷹峰さん』と一緒に楽しんでいただいたり、私の他のソロ曲を聴いていただいたり、ライブなどで生の歌声を聴いていただけると嬉しいです。
[文・永井和幸]
Baby Baby Baby
【発売日】2025年4月23日
【価格】
初回限定盤:2,200(税込)
通常盤:1,650円(税込)
≪収録内容≫
1.Baby Baby Baby / 奥井雅美 with ボンジュール鈴木
作詞:奥井雅美
作曲:ボンジュール鈴木
編曲:鈴木Daichi秀行
2.D~螺旋~
作詞:奥井雅美
作曲・編曲:R・O・N
3.Baby Baby Baby (Off Vocal)
4.D~螺旋~ (Off Vocal)
特典
■アニメイト特典:L判ブロマイド
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
■メーカー特典:発売記念抽選キャンペーンシリアルコード
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※詳しくは購入時にご確認ください。
○景品内容
・オリジナルパンツ:30名様
※男女兼用フリーサイズ予定
作品概要
あらすじ
生徒会長の鷹峰さんはスクールカーストのトップオブトップ、神!対して、友達も存在感も皆無の白田くんは、ある日鷹峰さんの生おっぱいを見てしまったことでスクールライフが変わり始める…。なんと鷹峰さんは”未だ穢れ知らぬ乙女(エターナル・バージンロード)”という能力でパンツを脱いで時をかける乙女だった。ノーパンではいられない鷹峰さんのクローゼットとして白田くんは鷹峰さんにモモ色おねだりをされ続けるハメに…。そんなとき思わず言っちゃう、「履いてください、鷹峰さん」!TV アニメでもたっぷりモモ色おねだり炸裂します!
キャスト
(C)柊裕一/SQUARE ENIX・「履いてください、鷹峰さん」製作委員会
















































