
スーパースペクタクル×家電あれこれ×にゃんコメディが放送中!『宇宙人ムームー』桜子役・春海百乃さん×ムームー役・小桜エツコさんがその魅力をロングインタビューで語り尽くす!
ムームーは「低めの声を意識」、桜子は「“小さい子どもに話しかけるような気持ち”で」
──桜子というキャラの第一印象としてはいかがでしたか。
春海:桜子の絵柄がすごくかわいいなって。特に髪の毛が印象的で! 性格的には。もうちょっと力を抜いてほしいなって思うくらい頑張り屋さんなんです。勉強して、アルバイトもして……ずっと頑張ってます。
小桜:(ムームーが)迷惑をおかけしてすみません……。
春海:ちょっと「ぐだ~っ」としてる姿も見てみたいです(笑)。本当に怠けないんです、桜子って。すごいなあ、って思います。
小桜:確かにダラダラと寝てる姿を見ないよね。
春海:そうなんです。桜子のこと、とても尊敬しています。しかも桜子って優しくて、誰に対してもすごく穏やかに接しているんですよね。だから演じるときも、誰に対しても“小さい子どもに話しかけるような気持ち”で接するようにしてます。特にムームーに対してはそういう意識が強くて。
小桜:ムームーは生意気だけども(笑)。桜子ちゃんは包容力があるよね。
── 一方、ムームーはどういった人物像を意識して演じられましたか? 先ほど、少し低い声で……というお話がありましたが。
小桜:ムームーってバリバリの戦闘員だったはずなので、私は“30代前半くらいの働き盛りの男性”をイメージしていました。対峙していく相手も結構なベテラン声優の男性が多くて。そうなると、ムームーもひよっこ感がありすぎると埋もれちゃう。だから“強さ”や“芯のある感じ”を出すために、低めの声を意識しました。
でも、私が思ってる“低い声”って、自分では出せているつもりでも実際はそんなに低くなってなかったりして(笑)。特に第1話の冒頭、登場シーンでは「カッコつけてください!」って言われて頑張ったんですが……自分的には「もうちょっといけたかな」って感じでした。
でもCMを挟んだ(第1話の)後半や第2話、第3話になると、アドリブが増えたり、台本にない小ネタが入ってきたりして。息遣いやちょっとしたトーンの変化も自由にできるようになってきました。そういうゆとりが生まれると、ムームーの“男らしさ”も自然とにじんでくる気がして。あくまで自分としてはなんですけどね。今はその幅を意識して演じています。
──そもそもムームーは現時点だと一体何者なのか、謎も多いですよね……。
小桜:そうなんですよ。原作でもまだ謎が多くて、実は裏切るかも…とか、本当に何があるかわからないキャラクターです。家ではちょっと怠けてるのに、同胞の前では超武闘派、かつ異名まであるっていう。
春海:それに同胞の前だとかなり強いし、みんなにも恐れられているしと、底知れないキャラクターではあります。
小桜:どこか“ポンコツ感”があるんだけど、それも愛嬌として描かれていて。そもそも、原作の中にもありますけども、自ら起こした争いで母星とインテリ層を失ってしまって、ちょっとオツムの足りない人たちだけが残っているので……そりゃそうなりますよね、っていう(笑)。
春海:そんなムームーに地球のテクノロジーを教えるために、一生懸命“学びたて”の知識で、桜子は頑張ってて。第1話では「ただ説明を読んで教えているだけ」っていう雰囲気だったんですが、物語が進むごとに、ちゃんと理解してノリノリで説明するようになっていきます。その桜子の気持ちを意識して、だんだんと説明の自信も上がっていて。
だから声の表情も、最初は「え、私が説明するのかな……」って戸惑ってる感じだったのを、だんだんと前向きなトーンに変えていきました。ムームーに“わかってもらいたい”という気持ちもどんどん強くなっていったんです。
──さきほど春海さんと桜子が真逆というお話がありましたが、共通点はどんなところだと思いますか?
春海:本当に思いつかなくて(笑)。
小桜:あはははは! 年齢は?
春海:あ、そうだ年齢!
小桜:まったく同じなんですよね。なかなかそういうキャスティングってないような気がします。録りはじめたのが2024年の5月くらいからだったので、リアルタイムでまったく一緒っていう。
春海:確かに。アフレコがはじまったとき、大学に進学した友だちから「サークルに入ったよ~」っていう話を聞いて、言えないけれど「じつは私も“人類再生研究会”に入ったんだよ~!」っていう気持ちになれました(笑)。
小桜:環境は一緒だね。それと名前も似ているよね。
春海:“春海”と“桜子”で、私は春生まれなので百乃という名前なんです。ちょっと似ていて、不思議な縁を感じました。でも中身は本当に真逆で、私はのんびりしちゃうタイプなんです(笑)。
小桜:でも、現場では本当に堂々としてますよ。物怖じしないというか。普通、初めての現場だと遠慮がちになるかもしれないんですけど、春海さんは全然そんなことなくて。最近はマイクワークも変化してきて、コロナ禍を経て、ようやく一緒に収録できるようになってきたんです。
最初は2人だけの収録で、マイクも固定で「これはムームー用」「これは桜子用」って分けていたんです。でも他のキャストも増えてきて、ちょっとマイクの位置がごちゃごちゃしちゃって。でもその時も注意されても、素直に受け止めていて変にへこまない。だから言う側も言いやすい。春海さんはちゃんと受け止めて、次に活かしてくれる。お芝居にも影響が出ないから、安心して声をかけられるし、周りの人たちも教えやすいんじゃないかなと。
──そういうところは桜子にも通じるものがあるような?
春海:確かに! めげないですもんね(笑)。
小桜:鮫洲にあれだけ言われてるけど、気にしないところもありますし(笑)。
春海さんの新しい得意技?「フレッシュビーム」
──ではお互いの演技の好きなところを教えてください。
春海:小桜さんのお声はすごくかわいらしいのに、アドリブで急に面白くなるところがすごいんです。「ここ、どう演じるんだろう?」ってワクワクしながら毎回現場に入ってるのですが、「そんな面白いことどうして思いつくんですか!?」って毎回びっくりしています。しかもサラッと、お芝居されていらっしゃるところが本当にかっこいいんです。
小桜:嬉しい、ありがとうございます。私はやっぱり、春海さんの“フレッシュさ”に尽きますね。もちろんベテランさんならではの、熟練のお芝居の良さはあるんですが……この年代でしか出せない、リアルな声の揺らぎとか、発声がまだ“お仕事用”になっていない自然さがすごく良いんです。子役さんと大人の声優さんの中間くらいの感じで、もうピカーッと光ってるんですよ。「あ、今日もフレッシュ来た!」って現場が明るくなるなって(笑)。
──技術では出せない魅力といいますか。
小桜:そうですね。年齢だけじゃなくて、“初めて”とか“新しい環境”にいる時期の人にしか出せない音ってあると思うんです。それは何歳であっても、“デビューしたての人だけが持つ特別な声”みたいな。春海さんにはそれがあって、現場にとってもすごく大切な存在です。
春海:嬉しいです! もっとその“フレッシュさ”を活かしていけたらなって思います。「フレッシュきたぞ~!」ってもっと言われるくらいに(笑)。
小桜:(笑)。いいんだよ、それで。次に会ったときは「フレッシュビーム!」ってするくらいで。
春海:やります!(笑) 自分で「フレッシュ来ました!」って言っちゃうとちょっと引かれてしまうかもしれないので……心の中で“フレッシュビーム”って唱えてます(笑)。
──ちなみに、オーディションのときって制服で行かれたんですか?
春海:学校帰りだったので、制服のままで、フレッシュ感を押し出していきました(笑)。結構かわいい感じの制服なんです。現場の方に「趣味のお洋服ですか?」って聞かれたほどには(笑)。でもそれくらい、制服ってレアだったのかなと。それに私、スカートをあまり履かないんです。
小桜:確かに。今日の衣装もスカートだけど、普段はボーイッシュな服が多いよね。
春海:そうなんです。今日は珍しくスカートなんですけど……。それと初回のアフレコは、よそゆきのワンピースを着ていきました。
小桜:でもその“フレッシュさ”、めちゃくちゃ大事だし、もうキャッチコピーにしたらいいよ(笑)。
──小桜さんはムームーに共感するところはありますか?
小桜:共感というより「すごく偉いな」って思うのは、ムームーって星を滅ぼしたり、滅ぼされたりって大変な過去があるのに、それでも諦めていないところ。それこそ桜子と一緒でへこたれず、自分たちの星を復活させようとしてる。その“へこたれなさ”が、私にもあったらいいなって思います。
そんな激しい経験はもちろんないですけど(笑)、私たちも日常の中で傷ついたり、困ったりすることはある。でも、ムームーのように“たくましく”いられたらいいなと思ってますね。あとは、やっぱりタイトルロールの主役なので、「背負う覚悟」が必要だと思っていて。
──責任感といいますか。
小桜:そうですね。作品や現場に対しても、ちゃんと覚悟を持って臨まないといけないなと。できれば座組を盛り上げたいし、盛り上げたい気持ちはムームーが“星を復活させたい”って思ってるのと同じくらい強いかもしれません。
──今作では小桜さんが座長なのでしょうか?
小桜:本当の意味で座長感があるのは春海さんなんですよ。たくさん喋るし、物語の軸として桜子の存在がとても大きい。二人三脚というか、本当に“ムームーと桜子”っていう感じで。
春海:今お話をお伺いしてて、小桜さんはお話をちゃんと言語化してくださるのがすごくお上手で、感動してます。私もよりうまく言葉にして伝えられるように頑張っていきたいです!
小桜:いやいや、全然ちゃんとしてるよ!
春海:でも私は、そういった責任感というよりかは、ウキウキしているところがあって。今は楽しさが勝っているんです。「やった! 始まったよ!」ってワクワクしちゃって(笑)。
小桜:それはすごく素晴らしいよ!
──桜子の演技について、小桜さんからアドバイスされることもあるのでしょうか?
小桜:桜子に関してはほとんどなくて……余計なことを言うよりかは、その感性を活かしてもらいたいなって。あ、でもひとつだけ、アクセントについて教えたことがあります。アクセント辞典があるといいよ、こういう時は台本にこう書いておくと良いよ、とか。
特に今回は専門用語が多い作品だから、アクセント辞典には載っていない言葉もあるので、大人のキャスト陣も翻弄されることがあるんですよ。もしくは通常のアクセントとは違う、その道のプロだけが使うような、平板な言いまわしもあって。そこはスタッフさんと相談して決めていったこともありました。























































