
“May’n”そして“シェリル・ノーム”として、2日間で40曲以上を披露! 「SANKYO presents May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F」公式レポート
DAY2「With you -May’n Space」公式レポート
そして翌日。今度は“May’n自身”としてステージに立つ「With you -May’n Space-」。モニターに映し出されたオープニングVTRに、ライブタイトル「With you」の文字が浮かび上がると、画面の中で「With」の部分だけが静かにフェードアウト。そしてステージにそっと現れたMay’nが、「You」をアカペラでゆっくりと歌い出していく。バンドの力強い音が加わると〈君はたった一人 君しかいない〉という印象的なフレーズが、今回のライブタイトルに重なるように、ドラマティックに響き渡った。
狼煙を上げる合図かのように「いくよ、横浜!」と叫ぶと、火柱が立ち上る中、「Belief」「Scarlet Ballet」「Brain Diver」と、前日とはまた違う、フロントマンとしてのMay’nらしい力強い佇まいで観客を引っ張っていく。ファンから“部長”と親しまれるMay'nならではの“ライ部”の空気感が会場を包み、「部長!」と割れんばかりの歓声が沸き起こった。その熱気に圧倒されるように、「えっ、なんでみんなそんな声出せるの? 体力すごくない?」と軽やかなツッコミを入れるMay'nに、客席からクスクスと笑いが。
「私、ツアーの2DAYSの時にいつも言ってるんですけど、“明日のために体力を残すのはもったいないからね。明日の体力は明日にしか生まれないから”って。実感していません?(笑) 私自身、昨日たくさんパワーをいただきました。昨日、今日は演出、セットリストという意味でまったく違うんですが、私が今まで大切にしてきた“ライブ(ライ部)”という空間そのもの、“May’n Space”という場所を、20周年の感謝を込めてお届けできればと思っています」
その後、TEAM ONGAKUSHITSUのバンドメンバーを紹介。演奏を支える一人ひとりに拍手が送られる中、ふたたびマイクを手に取りアジテート。
「May'nの単独ライブがはじめてという方も居てくれると思うんです。やばい、この曲のルールがわからないと緊張してしまうかもしれません。全然、しなくて良いです。みんなが好きなように音楽を感じて、楽しんで受け取ってほしいなって思っています。私はずっと、ライブにルールはありません、あるのはマナーだけですって言い続けてきました。ここにいる全員、あなたのために歌います。あなたが楽しんでくれるように、私は歌います」
そう力強く語りかけたMay’nが、次に披露したのはMay'n名義の初シングル「キミシニタモウコトナカレ」。2009年当時のMVが背景に流れるという演出があり、時を超えて想いが重なっていく。また、ここでオープニングで身にまとっていたビッグシルエットのアウターを脱ぎ捨て、より動きやすく、シャープな衣装に。すると、同じデニム生地を身にまとったMay'nダンサー(So-Da、SHO→TA)もステージインして、鮮やかな「ViViD」、菅野よう子が手掛けたMay'n名義のテーマソング「ヤマイダレdarlin'」、アッパーな「ナンバーワン!」とアップチューンが続いていく中盤戦。May’nとダンサーたちが舞台上を駆け巡った「ナンバーワン!」ではバンドメンバーも前方に。「さいっこー! すごすぎるでしょ!」と“ひとりずつに向けて”ナンバーワンの称号を手渡すように笑顔を見せた。
キャミソール姿になって汗を拭きながら「暑すぎて……どんどん脱いでいくスタイルです」と笑う。自然となだれ込んだMCでは、これまでの軌跡や、「キミシニタモウコトナカレ」での初めての演出などを振り返りつつ、セットリストを悩んだことを明かした。それもそのはず、May'nの持ち曲は現在約200曲以上。ライブパンフレットでは、ファンの声によって大幅にセットリストを変えたことを告白していた。「20年の自分のことを振り返りながら、明日に向かって踏み出せるような、そんな1日を送らせてもらえたらなと想いながら今日のセットリストを組みました」としみじみ語る。そして「次の曲は、ここ最近ずっと歌っていなかったのですが、ファンの皆さんやスタッフさんにリクエストをもらった曲です」と前置きして、歌ったのは「鏡」。アコースティックギター2本だけの伴奏に身をゆだね、〈あなたがいなきゃ、私は自分の姿すら見えない〉と静かに歌う。
ここからは少ししっとりとしたバラードパート。ピアノの音色が加わり、「今日に恋色」「もしも君が願うのなら」へと続く。時に胸に手を当てながら、“君”に向けたまっすぐであたたかな想いを紡いでいくMay’n。その背景に広がる星空にやがて光が差しはじめ、「夜明けのロゴス」では〈君といま 最果てへ行こう〉という力強い一節とともに、照明が明るくなっていく。なによりもその力強い歌声が君への想いをさらに強く照らしていた。
バンド、ダンサーによるインタールードを挟み、ライブはいよいよ後半戦。黒のロックな衣装に身を包んだMay’nが、ポップアップで勢いよくステージに再登場すると、会場の空気は一気に“攻め”のモードへと切り替わる。「Chase the world」では、この日来られなかったMay’nダンサー・MITSUの姿がアバターとしてモニターに登場し、映像とリアルが融合したステージを盛り上げていく。そして、それでも前に進むと誓う「graphite/diamond」、「LIES GOES ON」、「AMICITIA」と畳み掛け、特大のシンガロングが鳴り響く。ステージ上には火の演出が加わり、視覚的にも熱を帯びたまま、会場がさらに高揚していった。そんな中で、カラフルに駆け抜ける「カラフルスコープ」が良いスパイスに。〈忘れない星空となれ〉の一節に差し掛かると、May’nは客席を見つめながらふと感慨深い表情を見せ、歌声にそっと想いを重ねた。
「あっという間にラストの曲になりました!」と叫んだMay'n。本編最後に選んだのは、今日のタイトルにも深く関係している曲。「私がMay'n名義で最初に出した曲です。この曲を出した10代のとき以上に、いまは“自分らしい曲だな”って思っています。私は〈好きなこと全部 やろう〉って決めてます! これからもずっとずっと長く、歌っていきたいです! そんな想いを込めて最後に、この曲!」と届けたのはもちろん「May'n☆Space」。
May’nの想いがまっすぐに飛んでいき、会場全体に染み渡っていく。〈Lalalala〉のシンガロングパートでは、「聴かせて!」と客席に呼びかけながら、一階! 二階! そして今日はじめましての人も、さらに「関係者の人も!(笑)」と、フロアの隅々まで声を響かせていく。その声に応えるように、観客の歌声と手拍子が重なり合い、ひとつの空間が“May’n☆Space”として完成していったのだった。最後は大きくジャンプ。感謝を伝えて、一度ステージをあとにした。
熱烈な“部長”コールに応えて、カラフルなショートパンツに着替えて登場したMay'n……と、なんとその横には、May'nの同郷名古屋の先輩であるラッパー・SEAMOの姿が! そして、今年の夏アニメ『ぐらんぶる』Season 2のEDテーマ「裸でどつきあい feat.May’n」を弾けるように初披露。SEAMOとのタッグ作は「Fallin’ in or Not feat.SEAMO」(2006年9月27日リリース)以来実に19年ぶり。SEAMO曰く“熱血全力全裸ソング”であるこの曲を楽しく心を解放するような勢いで、観客を一気に常夏へと連れて行ってみせた。
「いち早くこの曲を届けたくて、(シークレットゲストとして)来てもらいました!」とMay’nが紹介すると、SEAMOが「ここにいる皆さんが、宇宙でいちばん最初にこの曲を聴いた人たちです!」と応える。実はSEAMO自身もデビュー20周年。「20周年、お互いおめでとうございます!」とメッセージを送り「皆さんも思っていると思うんだけど……19年も経つと、こんなに良い女になるんですよ!」と、デビュー前からMay’nを知る先輩としての愛あるコメントで会場を沸かせた。
続けて披露したのも、この日がライブ初披露となる「ONEBLUE.」。2025年度中日ドラゴンズ ヴィクトリーショーの使用曲で、May’nは「この曲が作れたのは、みんながいたから。この20年のライブがあったからこそ、書けた曲です! みんなからもらってるパワーを、今度は私がみんなに飛ばしたい」と言って笑顔を見せる。そして大きな声で「聴かせて!」と呼びかければそれに応えるように、シンガロングが会場全体に広がり、青い想いで一体となった。この“青”やイメージカラーについて語った、少し長めのMC。
「最近はカラフルな音楽を歌っていきたいという想いが自分の中にあるんです。だからカラフルなのがMay'nらしいなって思っているんだけど、あえて一色に選ぶとしたら青なのかなって。私自身が初めて作った曲も、“BLUE”というタイトルです。これは悲しい気持ちを表現したものでした。でもそこからいろいろな幸せな色に出会って、悲しいイメージだった青の印象が変わって。最高な青色の曲が作りたいって思うくらい、いろいろな青をライブで作ってきました。たくさんの曲がある中で、たくさんの未来がある中で、みんなのこと、大好きなライブのことを思いながら書いた曲がたくさんあります。今回“With you”というタイトルでライブを開催するにあたって、私は何を伝えたくてコンサートをしてきたのかなって考えたとき……ひとりじゃないよ、ってことが伝えたいんだなって改めて気づきました。ひとりぼっちじゃ、絶対にこんなに長く歌えていません。ひとりでも生きていけるかもしれないし、ひとりで歌うことも大好きだった。でも誰かといたり、誰かと歌ったりすることがこんなに楽しいことなんだって、ライブを通してみんなが教えてくれました。次はそんな想いを込めて」
そう前置きして、青が登場する曲「WE ARE」を歌う。青空を感じさせる映像を背景に、〈君はひとりぼっちじゃないさ 手を繋ごう 手を掲げよう いっしょに歌おうよ〉〈僕はひとりぼっちじゃないさ だって君に出逢えたから〉というフレーズが、まるでMay’nの20年そのもののように空高く響く。そして「絶対にどんなときもひとりぼっちになんかさせないから。これからもあなたのために歌わせてください!」と約束して、本当に最後の曲「Lifetime with...」へ。
アコースティックギターの牧歌的な優しいイントロが流れると、観客のハンズクラップに乗せて、一音一音を丁寧に紡ぐように歌い上げていったMay'n。モニターには、歌詞のほか“ダイアリー”のようにこれまでの歩みが映し出され、それをなぞるように観客が静かに口ずさむ。最後のフレーズである〈ありのままの僕らでこの道で一緒に変わっていこう 歩いていこうずっと Lifetime with... You.〉が優しく、お互いへのエールとして優しく広がっていった。「You」からはじまり〈You.〉で終わったライブを「まだまだ私は歌い続けていきたいです。あなたと一緒に、With you。これからもよろしくお願いします!」と笑顔で締めたのだった。
シェリル、May'n、それぞれの歌姫による“あたしたちの渾身のうた”が時空を超えて響き合った2日間。その軌跡を、惜しみなく歌とパフォーマンスに注ぎ込むMay'nの姿はとてもタフで、プロフェッショナルの極みと言えるものだった。その一方で、MCで見せる素顔も、人間らしくてチャーミングで愛しい。きっとこのステージの噂を海を超えて、いや、地球も宇宙も次元も超えて、銀河のどこかで羨ましがっている人たちがたくさんいるに違いない──そんなことを思わず考えてしまうようなコンサートであった。
先日詳細が発表となった9年ぶりのシンフォニックコンサート「TWENTY Around for You」は、誕生日直前の2025年10月12日(日)、東京芸術劇場コンサートホールにてグランドフィルハーモニック東京の演奏により開催。また、アーティスト活動20周年記念アルバム『TWENTY//NEXT』を8月13日(水)にリリース予定。そして、アニバーサリー・イヤーを締め括るMay’n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May’n」は3月8日(日)Zepp Nagoya、3月15日(日)Zepp Namba(OSAKA)、3月21日(土)Zepp Haneda(TOKYO)他、開催予定。その他の情報も、今後改めて更新されていくとのこと。より鮮やかに色づくであろう、これからのメイン☆ストリートの道のりも楽しみだ。
[文・逆井マリ]
『May’n Road to 20th Anniversary with アニメイト「With you -For you-」』楽曲リクエスト開始!
5月31日(土)アニメイトシアターで開催されるライブイベント『May’n Road to 20th Anniversary with アニメイト「With you -For you-」』の楽曲リクエストがスタート致します!
本公演は5月9日(金)、10日(土)にパシフィコ横浜で行われた『SANKYO presents May’n 20th Anniversary Concert Gratz from MACROSS F』において披露した計42曲以外から皆様のリクエストを募り、スペシャルなセットリストにてお届けします!
以下回答フォームより
①リクエスト曲
②リクエスト曲を選んだ理由やエピソードなど
をご回答ください。
全員で最高のステージを作りましょう!
〇応募期間:2025年5月14日(水)18時~2025年5月21日(水)23時59分まで
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May’n オフィシャルサイト
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Ealing Production X


























































































