音楽
千葉翔也「Streak」インタビュー|「自分らしさを形にできた」

千葉翔也さん1stアルバム「Streak」リリース記念インタビュー|「僕が感じる光と聴いてくれる方の光。その両方を表現できた自分らしい1枚になりました」

こだわり満載のリード曲「Brightness」

――リード曲「Brightness」は、これまでの千葉さんの楽曲と比べても、かなりハードなロックナンバーですね。

千葉:そうですね。ここまでハードめな楽曲は初めてですね。もともと個人的にこういう系統の楽曲が好きだったので、いつか挑戦したいなと思っていたんですけど、意味もなく自分の“好き”を出すのは、ただの自己満足になりかねないというか、一方的な感じがしてとどめていた部分があって。

でも、今回の「Streak」のリード曲なら、こういうパワフルな曲がしっくりくるなと。アルバム全体はもちろん、このリード曲にも“スタートの引き金の音”のようなイメージがあったので「Streak」という単語とあわせて、そういった内容も歌詞に入れていただきました。

――先行公開されたMusic Video(完全生産限定盤・初回限定盤の同梱BDにも収録)も、これまでのMusic Videoとは雰囲気が違いますね。

千葉:今回は、“決めきらないかっこよさ”みたいなものを意識しました。歌詞にあわせて演技するというよりは、ただ歩くだけとか、その場のライブ感を重視して……。カメラにアピールするのではなく、「Brightness」自体を体で表現するイメージで撮っていただきました。

――また違う千葉さんの一面が見られる楽曲になっていそうですね。

千葉:そうですね。自分的にあまり違和感はないんですけど、これまでの楽曲とはだいぶ雰囲気が違うから、ちょっと驚く方もいるかもしれないですね。あと、これまであまりなじみのない英語は歌詞に使わないようにしていたんですけど、「Brightness」では曲調にあわせて逆にしっかりと英語詞を入れたり、ラップ調のパートを作ったりと、これまでの楽曲で手ごたえがあった部分をブラッシュアップしたようなところもあります。

レコーディングでも、苦しげな時も前に進むというギリギリのバランス感を表現したくて、かなりこだわりました。けっこう激しく歌っても、オケとあわせると抜けが感じられなかったりして、歌声で爪痕を残すって大変だなと改めて思いました。

かなりテイク数を重ねたので、体力的にはハードでしたけど、最終的には「これ、かっこいいね」というものが仕上がったので、個人的にはすごく満足しています。

シャワーを浴びている時に思い付いたフレーズ

――本作には、千葉さんが作詞作曲を手がけた楽曲「パノラマ」も収録されています。

千葉:いつか作詞作曲もやってみたいな、と思っていたんですけど、ある日シャワーを浴びている時に、サビのフレーズがふと浮かんできて(笑)。忘れないうちに、と急いでお風呂を出て、びしょぬれのままスマホにメロディーを録音したのが「見過ごしていたポケットの中のパノラマ」というフレーズです。

自分が作詞をする時は、それまでの見方を変えたら今抱えているマイナスなこともプラスに感じられるかもしれない、という内容を書くことが多いんですけど、それと地続きな感じです。ポケットに入れっぱなしで忘れているかもしれないけど、開けてみたらそこに景色が広がっているかもしれない、というようなイメージを描きました。

例えば、キレイな良い写真の共通認識ってあると思うんですけど、そういう誰もがいいというものだけではなく、自分だけがその良さに気付いているとか、ライブで受け取った明文化するのが難しいポジティブな気持ちとか、そういうものってすごくいいよね、というようなことを形にした曲です。

――今回は「You/Me」も千葉さんの作詞曲ですよね。振り返ると、デビューEPからコンスタントに作詞を手がけていらっしゃいますね。

千葉:デビューのタイミングでの作詞もそうですが、これまではコンセプトがすごく分かりやすかったんですけど、今回は全部自由なので、そこが逆に難しかったですね。「パノラマ」も自分の中にあるイメージをどう言ったら伝わるかなとか、アルバムの他の曲と並べた時に違和感が出ないようにしたいなとか。

「Streak」というコンセプトの中で、他の曲で表現できていることは自作曲で言わなくてもいいかな、というところもあったので、そういう点では今回のアルバムの中で自作曲を収録できたことには、大きな意味があったんじゃないかなと思います。

――他の収録曲が固まりつつある中で、自作曲を作っていったところもありそうですね。

千葉:まさしくそんな感じです。今回は「Brightness」と「Youth」が早々に完成していたんですね。「Youth」は爽やかな曲で千葉翔也っぽい曲ではあるんですけど、だからこそパワフルで激しい「Brightness」と対になる存在というか。その2曲を両端に置いて、他の楽曲を制作していきました。

「You/Me」は伝えたいテーマや世界観について、僕が書いた文章をそのまま作曲の藤永龍太郎さん(Elements Garden)に送って作っていただいたので、曲ができ上がってきた時に、僕が伝えたいことを150%体現してくださったような印象がありました。作詞も、そのタイミングではまだ別の方にお願いすることもできたんですけど、即座に「自分で書きます」と、夜中までガーっと書いたのを覚えています。

――他の新曲も、さまざまなタイプの楽曲がそろっていますね。

千葉:「感情論」や「Liar Game」のような楽曲が好きな方が多いのかなとも感じていたんですけど、それとはまた違うタイプにも挑戦したかったんです。中でも、「Night thief」は、ちょっと世界観が強めですね。 “月”とか“スポットライト”とか、“光”を彷彿とさせるような言葉を歌詞に入れ込んでもらいました。

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