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アニメが救う尊い“いのち” 東京都赤十字血液センターインタビュー【6月14日は世界献血者デー】

アニメが救う”尊い“いのち──そもそも血液センターってどんな組織?献血とアニメのコラボ、コミケの献血バスなど……献血に関する気になることを東京都赤十字血液センターに聞いてみた【6月14日は世界献血者デー】

 

献血についての基礎知識を学ぼう!

──「献血」について漠然とした不安を抱えている方もいると思いますが、この記事を通して献血の正しい知識を伝えていけたらと考えています。初歩的な質問で恐縮ですが、よく街中で「献血へのご協力をお願いします」という呼びかけをしているところを見かけますが、血液は常日頃から不足しているものなのでしょうか?

直井:常に献血のお願いをしているので「血液が不足している」というイメージをお持ちの方が多いのかもしれませんが、現状において血液製剤を医療機関にお届けできないという状況ではありませんので、その点はご安心いただけたらと思います。

では、なぜ毎日献血の呼びかけをしているのかというと、それは血液のもつ特性等により毎日献血協力者を集める必要があるからです。

1つ目は、血液は長期間保存ができないということです。血液の主要成分である赤血球は28日間、血小板に至っては4日間しか保存が出来ません。そのため、1回でたくさんの量を確保すればそれで大丈夫というわけではなく、常に血液を確保し続けなければなりません。 

2つ目は多くの方々からのご協力が必要であるという点です。 献血は医療機関からの需要に基づき、必要な量だけ、ご協力いただいております。

令和5年度の1年間において、全国でご協力いただいた献血者数は延べ5,009,281人でした。これを366日間(閏年)で除すと、1日あたり13,686.5人の方にご協力いただいた計算になります。

1日にこれだけの多くの方々からのご協力が必要になることをご理解いただければと思います。

──献血には「全血献血」と「成分献血」といった種類があって悩んでしまいます。それぞれの違いや、おすすめなどがあれば教えてください。

 

 
直井:献血には、全血献血、成分献血がありますがそれぞれ採血方法が異なっております。全血献血には400mL献血と200mL献血があり、血液中のすべての成分を献血していただく方法です。

一方、成分献血には血小板成分献血と血漿成分献血があり、成分採血装置を使用して血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法です。ですから成分採血は身体への負担も軽く、多くの血漿や血小板を献血していただけるという特長があります。

日本赤十字社では、輸血を受ける患者さんへの安全性をより向上させるために、献血基準を満たした方には400mL献血、または成分献血のご協力をお願いしています。どちらの献血由来の血液製剤も医療機関からの需要があり、一概にどちらがおすすめということはお伝えできませんが、全血献血は成分献血と比べて、採血時間が短いことから、献血ルームでは初めて献血される方に全血献血を勧めることがあります。

──献血に必要な時間がわからなくて足を運んだことがないという人もいると思います。全血献血と成分献血それぞれの献血にかかる時間はどれくらいですか?

直井:採血時間は、全血献血で10~15分程度、成分献血は採血量に応じて40~90分程度時間がかかります。また、献血後は十分な休憩を取っていただきたいので、お時間に余裕がある際にご協力をお願いします。

 

【アニメ×献血】その効果は?

──コミケやAnimeJapanでの献血も都度話題になりますが、献血者数の増加や認知拡大といった効果は大きいですか?

直井:はい。アニメなどのコンテンツを愛する多くの方にご協力いただいています。

直近では3月に開催された「AnimeJapan 2025」にも献血バスを出しましたが、これまでにAnimeJapanの会場で献血にご協力いただいた方は直近3年間(2022年度~2024年度)で延べ264名。コミケには毎年冬に献血バスを出していますが、直近3年間(2022年度~2024年度)で延べ2,337名と、非常に多くの方にご協力いただいています。

 

 
こういったイベントやキャンペーンをきっかけとして献血に参加していただき、それをご自身のライフサイクルに取り入れて継続的にご協力いただけるようになると大変ありがたいなと思っています。

──実際、こういったコラボやコミケなどがきっかけで「初めて献血してみよう」と思われる方は多いのでしょうか?

直井:はい。Xでは「コラボキャンペーンがきっかけで人生初の献血に行ってきた」という投稿や、「注射は苦手だけどコラボ記念品欲しさに初めての献血にチャレンジしてきた」という投稿を見かけることがあります。献血ルームでも初めての献血を終えられた方から、「このコラボ記念品が欲しかったから献血に来たんです」と声をかけていただくこともありました。

また、コラボキャンペーンのお知らせに対して、「今はまだ献血ができないけれど、献血ができる年齢になったら献血します!」と反応してくださる方もいらっしゃいます。

作品とのコラボがきっかけで、若い世代の方を中心に、多くの方に献血に対して興味を持っていただくことができていると実感しています。

──アニメとのコラボをきっかけに着実に献血の輪が広がっているんですね。

直井:その他にも、私どもが学校などで献血セミナーを実施したり、学校から献血ルームでの職場体験学習をご依頼いただく機会もあります。そういった場で、将来の献血を支えてくださる世代へ情報を伝えていきたいと思っておりますので、SNSなどを通して若い世代の方々から反応をいただけるのは非常に励みになっています。

 

 

──直井さんの個人的な好みとして結構ですので「今後こんな作品とコラボしてみたい」という希望はありますか?

直井:個人的には私も大好きな作品である『ダンダダン』のような、男女共に人気がある作品とのコラボをしてみたいですね。

──ちなみに一般的なアニメコラボではどれくらい前から準備を進めているのでしょうか?

直井:当センターにおいては、コラボ企画を進める場合、少なくともキャンペーン想定時期の3〜4ヶ月前から準備を始めています。よくあるパターンとして「●月からアニメ放送が始まるので、その時期に合わせてコラボキャンペーンを実施できませんか?」というお話をいただくことが多いですね。

──ちょうど放送の1クール(3カ月)前くらいですね。

直井:キャンペーンの内容にもよりますが、描き下ろしイラストの準備であったり、キャラクターを用いた記念品を作成するとなると、それくらいの準備期間が必要になります。

 

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