
アニメが救う”尊い“いのち──そもそも血液センターってどんな組織?献血とアニメのコラボ、コミケの献血バスなど……献血に関する気になることを東京都赤十字血液センターに聞いてみた【6月14日は世界献血者デー】
毎年6月14日は世界保健機関(WHO)によって「世界献血者デー」と定められていることをご存じでしょうか?
コミケやAnime Japanなどのイベントの度にSNSで話題になる献血バスや、様々な作品とのコラボキャンペーンなど、皆さんの想像以上に関係が深いアニメと献血の存在。そんな献血については「どうしてアニメとコラボするの?」「血液って足りているの?」「そもそも血液センターって何をやっている組織?」など、知らないことも多いかと思います。
本稿では、そんな知っているようで知らない「献血」について、東京都赤十字血液センターの職員さんにお話を聞いてみました。
献血とアニメのコラボはどうやって決まっている?
──献血ルームに足を運ぶと、アニメ作品と献血のコラボポスターが貼られているのを見かけます。様々な作品とコラボしている印象がありますが、こういったコラボはどのように企画しているのでしょうか?
東京都赤十字血液センター 直井裕介さん(以下、直井):東京都赤十字献血センターに関しては、広告代理店様経由でお話をいただいたり、アニメの制作サイド様から直接お声掛けをいただくケースが多いです。
東京はコミケなどのイベントが開催されるほか、アニメ関連企業が多く集まっている地域性もあると思いますが、私が所属する部署では、年間で2、3件程度はコラボしたいとのご連絡をいただきますね。逆に私どもから特定の作品を選定してコラボをお願いするということは少ないかもしれません。
また、コラボ作品を検討する際は、血液事業という公共性の高い事業を行っている性質上、一般の方々がそのコラボを見た時にどのように受け止められるかを慎重に検討しています。単なる作品の宣伝にならないように「献血らしさ」を表現することも重要視していますので、献血への協力を呼びかけるキャッチフレーズを入れるなど、コラボの意図が伝わるような工夫を心がけています。
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
──作品の印象的なキャッチフレーズをアレンジするなど結構考えられていますよね。
直井:そのあたりは広告代理店様や制作サイド様とも相談しながら決めさせていただいています。
──しかもイラストが描き下ろしのことも多かったり、『僕の心のヤバイやつ(以下、僕ヤバ)』とのコラボでは市川と山田のペアに小林がいたりして、作品愛を感じられるクリエイティブになっているのも印象的です。
直井:デザインに関しては、ゼロベースでこちらから要望を出すというよりも、先方から「こんなデザインはどうですか?」とご提案いただいて、それに対して我々から希望をお伝えして一緒に作り上げていくかたちが多いかなと思います。
──以前には『真夜中ぱんチ』ともコラボしていましたが、吸血鬼が登場する作品ということもあって「吸血鬼と献血のコラボは難しい」と勝手にイメージしていたので意外でした。
©2024 KADOKAWA/P.A.WORKS/MAYOPAN PROJECT
直井:実は、代理店様などからは「吸血鬼がテーマの作品なので献血と親和性があると思います」とお声掛けいただくことは結構あるんです。吸血鬼に関しては一概に「吸血鬼=NG」とはしておらず、ストーリーやキャラクターデザインなどを総合的に判断して決めています。『真夜中ぱんチ』の場合、ストーリーが吸血鬼の“りぶ”が人を襲うような内容ではないので問題無いと判断しました。
「日本赤十字社」ってどんな組織?
──献血についても色々と教えていただきたいのですが、その前に「日本赤十字社」がどういった組織なのか知らない方も多いと思います。まずは改めて「日本赤十字社」について教えていただけますか?
直井:赤十字社(赤新月社を含む)は、世界191の国と地域に存在しており、日本赤十字社はそのうちのひとつです。赤十字の始まりは、スイス人の実業家アンリー・デュナンという方が、戦争で傷ついた兵士を敵味方差別なく救護したことが起源となり、このような活動及び考え方がヨーロッパ各国で広がっていったことがきっかけです。
日本赤十字社の活動のはじまりは、西南戦争における負傷者救護にまで遡ります。現在では、国内外における災害救護をはじめとして、日本国内で9つの分野で活動しており、今回インタビューしていただいた血液事業もその中の一つです。
──9つの分野とは具体的にどのようなものですか?
直井:「国内災害救護」「国際活動」「赤十字病院」「看護師等の教育」「青少年赤十字」「赤十字ボランティア」「救急法等の講習」「社会福祉」「血液事業」の9つです。
各事業の詳細につきましては、日本赤十字社のホームページに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
>>日本赤十字社 公式サイト
https://www.jrc.or.jp/
















































