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『薬屋のひとりごと』第2期インタビュー:名塚佳織

猫猫のような“強い人”ではない。翠苓を作り上げた過去を振り返るーー『薬屋のひとりごと』第2期、翠苓役・名塚佳織さんインタビュー

大人気後宮謎解きエンターテインメント『薬屋のひとりごと』のTVアニメ第2期が放送中! 第1期から続く未解決の謎が後宮を不穏な空気に包む中、猫猫(マオマオ)と壬氏(ジンシ)の前に新たな難事件が立ちふさがります。

今回、第1期から物語の裏で暗躍していた翠苓(スイレイ)を演じる名塚佳織さんにインタビュー! 作品についてはもちろん、ついに明かされた翠苓の過去を振り返ったお話を伺いました。

 

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薬屋のひとりごと 第2期
帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー作品名薬屋のひとりごと第2期放送形態TVアニメシリーズ薬屋のひとりごとスケジュール2025年1月10日(金)〜2025年7月4日(金)日本テレビ系にて話数全24話キャスト猫猫:悠木碧壬氏:大塚剛央高順:小西克幸玉葉妃:種﨑敦美梨花妃:石川由依里樹妃:木野日菜小蘭:久野美咲子翠:瀬戸麻沙美姶良:Lynn愛凛:原由実羅半:豊永利行神美:深見梨加ナレーション:島本須美スタッフ原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)キャラクター原案:しのとうこ総監督・シリーズ構成:長沼範裕監督:筆坂明規副監督:中川航脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみキャラクターデザイン:...

 

猫猫はヒロインではなくヒーロー

──作品の印象をお聞かせください。

名塚:謎解きも魅力的ですけど、やっぱり猫猫がいいですね。時に蔑まれながらも、たくましく生きている姿に憧れます。

──憧れですか。

名塚:彼女みたいに自分の信念を貫き通すことって、本当に強くないとできないんですよ。周りからどう見られてもいいと思えるくらい自分をしっかり持っていないといけないですし。それでいて彼女は周りのことをしっかり考えたうえで我が道を進んでいるからすごいですよね。

──なんだかんだでお人好しなところもここ数話で描かれました。

名塚:そうですね。第45話で響迂が猫猫を逃がそうとした時も、他人事だと切り捨てればいいのに「この砦から逃がすようにと、私がその子供に頼みました」と買って出ました。正義感が強く、ヒロインというよりヒーローだと思います。

──ほかにお気に入りのキャラクターはいますか?

名塚:私個人としては猫猫が一番好きです。ただ翠苓を演じさせていただいている身としては子翠がとても気になってしまいます。翠苓からすると子翠にはもっと自分を大事にしてほしいし、もっと大事にされるべき人だと思っているはずなんですよね。だけど色々なことがあって、そう思わない選択ができるようになったばかりにもどかしくなってしまって。翠苓を演じていると彼女と同じ気持ちになってしまって、現場でも子翠の動きばっかり気になってしまいました。

 

翠苓を作り上げた過去

──最初に翠苓というキャラクターをご覧になった際はどんなことを感じましたか?

名塚:身長が高く、目鼻立ちがハッキリしていて、中性的な美しさもあるので、どこか壬氏に似ているなと。だから自分の意志をしっかり持っている人なのかなと思ったんですけど、実は後半になってそうではないことがわかって。演じるうえでは、そこが視聴者の方を裏切るような見え方になっていたら面白いなと思いました。

 

 

──クールでミステリアスな人物ではありますが、この数話でだいぶ印象が変わりました。

名塚:一見クールでミステリアスですが、幼少期の抑圧から自分を隠して生きてきたため、実は猫猫のような強い信念を持つ人物ではないんですよね。色々なことを動かしているように見えましたけど、それも実は指示されていただけで、そこに自分の意識はなくて。そういった面は、この数話で浮き彫りになったんじゃないかなと思います。

──翠苓は第13話からの登場でした。今とはキャラクターの印象がだいぶ異なりますが、そこも加味して演技プランを組み立てたのでしょうか?

名塚:そうですね。翠苓は裏で色々と仕掛けているので、本来は目立ってはいけないんですよね。だけど第1期では物語のフックとして視聴者の印象に残らないといけないので、そのバランス調整はすごく難しかったです。

あと「蘇りの薬」とか、キーとなる言葉が猫猫に引っかかってもらわないといけないんです。なので第1期のセリフは全体的に猫猫のことを意識して作りました。猫猫に引っかかってもらえれば、きっと視聴者にも気付いてもらえるので。

──そして第40話で再び猫猫の前に立ちふさがり、誘拐してしまうという展開は驚きました。

名塚:今思うとあそこの翠苓は無理していたのかもしれませんね。表情からはわかりませんけど、心の中では「これでいいのかな?」とか、後悔の念があったんじゃないかなって思います。

 

 

──舞台が砦に移ってから複雑な生い立ちが明かされました。

名塚:子供は生まれる場所を選べないと言いますけど、まさにその言葉のとおりでしたね。ただ、幼いうちからあんな環境にいたからこそ、そこが普通ではないと気付くのに時間がかかったんじゃないかなって。それもあって自分の人生を悲観するわけでも、抵抗するわけでもない人格が出来上がったのかもしれません。

もちろん客観的に見たら折檻を受けたりして可哀想ではあります。だけど、彼女にとってそれは当然のことなので、自分で自分を可哀想な人間なんだとは思っていないと思うんです。これがある日突然、幸せな日々が奪われたという話であれば別なんですけど、彼女は昔から卑しい血が流れていると刷り込まれているので…。

──クールな振る舞いも、ある意味自然に身についたのかもしれませんね。

名塚:そうですね。暴力を受けるのは当たり前で、それに対していまさら抵抗する気はないという描写がされていますよね。

そんな中でもやっぱり子翠の存在は大きかったでしょうね。彼女が慕ってくれるからこそ、そこまで悲観して生きていたわけではないんだろうなって思います。まさに救いの存在ですね。

 

 

──そんな姉妹を苦しめる母・神美の迫力には驚かされました。

名塚:すごく圧がありますよね。神美とのシーンは現場でもすごく緊張感が走っていました。今後もいろいろと引き起こしてくれるはずです(笑)。

──先ほどお話しいただいたように、子翠とは複雑な姉妹関係ですが、ふたりは信頼し合っています。

名塚:翠苓にとって子翠は救いのような存在です。彼女がいるからここまで頑張れたんじゃないかなと思います。翠苓の立場からしたら、普通、可愛がられている子翠のことが羨ましかったり、憎かったりするんじゃないかなということも過りましたが、そんな気持ちが全くないのは、子翠からの純粋な優しさが伝わってきたり、単純に妹が可愛いという思いが強いからなんじゃないかなって思います。

でも子翠が母・神美に下女と間違えられたエピソードを見て、子翠のほうが辛かっただろうなと感じました。翠苓は憎まれているからこそ神美に間違えられることは絶対にないけど、人形扱いの子翠はちゃんと認識されていない。子翠もこの時の出来事を今でも気にかけているように、ショックが大きかったんだと思います。

──その発想はなかったです。

名塚:親に見てもらえていないというのは相当ショックだと思います。ここから歪みが生まれたという意味でも印象深いですね。

 

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